どうしても現状シリンダーでエンジンを組み立て直したい……様々な理由があって、そのようなケースは多々あると思う。そんな困ったときに素晴らしい仕事をしてくれるのが内燃機加工のプロショップだ。例えば、すでにオーバーサイズ一杯まで拡大されているシリンダーを、STD=スタンダードサイズの新品ピストンを組み込めるような内燃機修理も可能なのだ。要するに、スリーブを作ることでピストンサイズをふりだしに戻すこともできるのだ。ここでは、ピストンとシリンダースリーブの関係に注目してみよう。
焼き付きやサビの発生でシリンダー内壁がもうダメ
過酷なエンジンユースによってピストンとシリンダーのコンディションが著しく低下すると、外径が僅かに大きな「オーバーサイズピストン」に合わせてシリンダーをボーリング&ホーニングし直し、再度エンジンを組み立て直すことがある。4ストロークエンジンの場合は、2ストエンジンと比べて焼き付きは少ないと思うが、長期放置によって雨水がシリンダー内に流れ込み、ピストンリングとシリンダーががっつりサビ付き固着を起こしてしまうことがある。また、エンジンチューニングなどでキットパーツを購入し、シリンダースリーブを抜き取り、オーバーサイズスリーブを組み込むケースもある。いずれにしても2ストでも4ストエンジンでも「シリンダー側を補修する」ことで、新たな道が開けることもあるので、旧車ファンなら知っておきたいところだ。
オーバーサイズピストンが無くなったら、おしまい!?
現代のバイクにはオーバーサイズピストンの設定が無く、仮に、何らかのトラブルが発生した際には、新品ピストンと新品シリンダーをセットで購入して組み換えるのが標準となっている。そんな状況の中で、スペシャルパーツコンストラクターがオーバーサイズ設定のピストンを販売している例がある。特に、需要がある人気モデルに限ってオーバーサイズピストンの販売例が多い。しかしながら、不人気車でも長く乗り続けたいファンがいるのは確かで、そんな思い入れを実現してくれるのが内燃機業者なのだ。iB井上ボーリングでは、オーバーサイズ設定が無くなったところで「ふりだし」に戻り、STDサイズでスリーブ製作を請け負っている。単純な筒状部品を圧入する4ストエンジンに対して、旧排気ポートや掃気ポートなど「多孔スリーブ」の製作も得意にしているのがiB井上ボーリング。不人気モデルでも安心して依頼することができる。
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