キャブのフロートパンクも修理可能


オーバーフロー原因のひとつにはフロートのパンクがある。70年代末頃からパンクレスの樹脂製フロートが採用されているが、20世紀末のモデルでも、中には真鍮製フロートを使っていたモデルもあった。そんな真鍮製フロートは、長期保管などで部分的に腐食してピンホールが空き、そこからガソリンが流れ込んでフロートとしての役割を果たさなくなってしまうケースがある。キャブ分解時にフロートの中からチャプチャプ音が聞こえる時には、パンク確定と考えよう。一般的には新品部品に交換だが、非常時や緊急時には板金ハンダで穴埋め修理することもできる。板金ハンダ修理は、様々な場面で応用することもできる。
- ポイント1・電気修理だけではなく板金修理でも使えるハンダゴテ
- ポイント2・鉄板地肌を磨いてフラックス処理でハンダを盛る
- ポイント3・キャブレターの真鍮フロートパンクもハンダ板金処理で修理可能
コロナ禍の影響もあってバイクの存在が見直されるのと同時に、今、再びバイクブームが到来している。「空前」とまで表現された80年代末のようなムーブメントには至らないものの、確かに、週末の国道を走るライダーの数は増えている。特に、旧車ブームは一過性のものではなく、今後しばらく続くと思うが、そうなったときに旧車オーナーにとって悩みどころは、補修部品の供給だろう。カワサキ空冷ZやホンダのCB-KシリーズやCB400F、モンキーなどは、ファン層が厚く生存台数も多いので、消耗品だけではなく様々な部品が再生産されたり、コンストラクターによるリプロダクションパーツが新規登場するなどなど、人気モデルはコンディション維持も比較的容易だ。しかし、その他の旧車は決して潤沢な状況とは言えないのが現実だろう。
特に、外装パーツのコンディションが悪くなると厄介だ。ここでは、旧車のガソリンタンクトラブル=サビの浸食による穴開き補修の一例をリポートするが、ピンホール程度のサビ穴なら、板金ハンダを利用することでハイレベルな穴封じが可能になる。作業時の注意点は、タンクを取り外してガソリンはすべて抜き取る。また、作業前にはタンク内に水道水を満たし、空気室部分に溜まった引火性ガスを押し出してから水を排出。天日干しで内部を乾燥させてから板金ハンダ作業に取り掛かろう。
穴が開いたままのガソリンタンクでは、タンク内部のサビ取り作業も思い通りにならない。サビ穴発見であきらめてしまう前に、できる限りのことは実践したいものだ。
燃料タンクのメンテナンス
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