二股ツールが指針抜きに使える!?





樹脂ボディだけ交換しようと思ったが、50メーターの方が、明らかに程度が良く、電動ドライバーにケーブルをクランプして作動テストを行った際にも、異音が少なくスムーズに回転することがわかった。そこで、文字盤以外の部品はすべて50用メーターの部品を利用することにした。自動車内装の内張り外しなどで利用する工具の先端に紙テープを何重か巻き付け、指針を引き抜くことにした。文字盤が歪んでしまわないように、文字盤を固定するビスの頭部分をテコの支点に作業した。軸心部を真上に引き抜くようにイメージしながらテコの原理で指針をクイッと引っこ抜いた。指針が外れれば文字盤はビス2本で固定されているので簡単に取り外すことができる。文字盤固定ビスにはネジロック剤が塗布されているようで、クルクルクルッとスムーズに抜けてこない。プラス溝をナメないように慎重に固定ビスをゆっくり抜き取った。文字盤側にインジケータランプの明かり漏れ防止ラバーを付けたまま文字盤を分離することができた。薄っぺらなアルミ板に文字盤を印刷する作りとなっていた。指針のコンディションは80用も50用もほぼ似たようなものだった。指針先端には蛍光オレンジ色のペイントが施されるが、さすがに先端側は双方共に色飛びしてしまっていた。ガレージにあった水性マーカーペンの蛍光オレンジでタッチアップしようと思ったが、さすがにペンではダメだった。この指針先端の蛍光赤やオレンジには、タミヤのプラカラーが良いと知ったので、後にタッチアップした。


汚れを落として完全乾燥後に組み立てよう



ボディを復元して接着し直す前に内側の汚れをキレイさっぱりにしておきたかった。そこで、脱脂洗浄力が高く跡が残り難い洗剤、マックオフを利用。このクリーナーは場所を選ばない高性能品だ。マックオフは溶剤ではないため安心して使うことができる。使用後の拭き取りによって、汚れが付着しにくくなるという特徴もある。レンズやボディの内側、メーターベースの固定部分も拭き取りでクリーンナップ。汚れを拭き取ったら、早速組み立て復元したいところだが、こまかな部分の湿気を乾燥させるために作業灯に軽く当てる。乾燥しないまま組み立てると、曇り発生の原因になってしまう。


グルーガンやホットボンドで樹脂ボディを固定



グリスアップを終えたので、樹脂ボディとメーター本体を一体化するが、ここではセメダインスーパーXの黒で、ハメ合わせ部分の竪壁に接着剤を塗布。メーター本体のベースプレートと樹脂ボディは、段差部分でパコッとハメ込む作りだった。ハメ込み部分の段差へもスーパーXを塗布することで、ゴミなどの侵入を防ぐことができるはず。仕上げにはホットボンドを利用して溶着部分を固めた。これで分解前と同等以上の強度になるはず。


POINT
  • ポイント1・あくまでクリーニング&グリスアップなら実践可能!? 
  • ポイント2・古いグリスは綿棒で拭き取り新グリスを適量塗布
  • ポイント3・組み立て前に完全乾燥させるのが鉄則

メーター修理は、その道のプロであるメーター職人さんに「依頼するべき」というのが個人的な考えである。しかし、故障ではなく、単純なクリーニングとかグリスアップなら、自分自身の手でトライしてみたくなるのがサンデーメカニックだろう。そこで、自己責任においてメーターを分解し、修理ではなく、あくまで気になる汚れやペイントを補修してから再度組み立て直す、といった作業工程をリポートした。正直なお話、経験不足な者にとっては「おっかなびっくり」という言葉が相応しいが、何とか作業を終えることができ、また、満足な結果を得ることができて大変嬉しく思っている。

写真には無いが、メーター文字盤裏のメカニカルな部分には、様々な部品が組み込まれ、ワイヤーをセットして電動ドライバーで回転させることで、回転する軸やその軸受け、ギヤの組み合わせなどを目視確認することができる。今回は、汚れたグリスなどは綿棒でしっかり拭き取り、新しいグリスを爪楊枝の先端に付着させて作動部各所へ塗布した。このグリスアップによって、電動ドライバーによる作動時のスムーズさが増し、キーキーノイズなどが減ったことも記しておきたい。

メーターのメンテナンス

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