どんな部品よりも丁重に取り扱わなくてはいけない精密部品が「メーター」である。ある意味、非分解=アンタッチャブル的要素が極めて強いパーツでもあるが、時として分解して「レンズ裏側の汚れをウエスで拭き取りたい!!」なんて考えたことがあるサンデーメカニックは数多くいるはずだ。ここでは、あくまで自己責任に於いて、スピードメーターを分解し、内部をクリーンナップ&復元といった作業の一部をご覧頂こう。経験豊富な者になら可能でも、一般的にサンデーメカニックでメーター故障や不具合を直せるテクニックを持つものは少ない。ここではあくまで、スピードメーターの「クリーンナップとお化粧直し」に関するリポートをお届けしよう。
欠落ケースを完品ケースに交換
左が現車ボビィ80用のスピードメーターで、右が中古部品を購入したボビィ50用のメーター。スペアとして50用メーターを購入したのは、ボディに欠落が無く見た目の程度が良かったのと、メーターの走行距離が少なかったから。イザというときには部品取りになると考えたのだ。昭和の時代の原2は速度レッドラインが50km/h(現在は60km/h)で原1は30km/hだった。
Pカッターで隙間をコリコリ引いて分割
樹脂ボディは熱で溶かされメーターベースに固定されているため、その溶かした部分にカッターを入れてボディをフリーにしてみた。アクリル板をカットするときに利用するPカッターが使い易い。一気にカッターの刃先を突っ込もうとせず、薄く薄く、何度も何度もキーッキーッと引っかけるように徐々にカットしていくのが良い。4辺とも同じように地道に作業していくとボディが分離できた。Pカッターでおおよその溶着部分をカットしたら、細いマイナスドライバーを樹脂ボディとベースの間に差し込み、ボディを割らないようにテコの応用でベース側を持ち上げる。長時間作業する際には、必ず上向きにメーターを置くこと。長時間逆さまにしたままだと、ムーブメントのダンパーオイルが流れ出てしまうからだ。このようなボディ分離までに約10分程度必要だった。
良いとこ取りの「ニコイチ」作戦
同じような作業でボビィ50用のメーターも分解。50用のメーターは、外観的にも、レンズの汚れやキズに関しても、80用と比べて圧倒的に美しい。それでも各部の汚れはキレイにしてから組み立てよう。Pカッターを利用してキーッ、キーッと作業したことで、このように樹脂の破片が出る。ここまでの作業で利用した工具は、Pカッターと細いマイナスドライバーのみだった。
この記事にいいねする