転倒したときこそ「ベアリング」に要注意


スポークホイールの場合は、同じ転倒でもリムが歪んで衝撃を吸収し、ホイールベアリングにダメージが及ばない例が多い。キャストホイールでも、スポークホイールでも、転倒した時や大きな段差を乗り越え、大きな衝撃を受けた時には、リムの芯円や左右への振れをしっかり確認するのと同時に、ベアリングにダメージが無いか、タイヤを鷲掴みにしてホイール全体を揺すって見たり、直接ベアリングを指先で触れて確認してみよう。また、メンテナンス中に前後ホイールを取り外すタイミングがある際には、ホイールバランサーやジャイロスタンドなどにホイールをセットして、リム振れが無いか積極的に確認しよう。



POINT
  • ポイント1・決して高価な部品ではないので、気になる時には積極的に交換しよう 
  • ポイント2・抜き取り時はベアリングプーラー、セット時にはベアリングドライバーを利用しよう
  • ポイント3・凸凹路面からの衝撃や転倒時にはホイールを取り外してベアリング点検とリムの歪みや振れを確認しよう

何故!? ホイールベアリングが痛むのだろうか? 一番多い理由は、走行過多なのに、ノーメンテナンスの時期が続いてしまったことによるダメージだ。一方で、不測の事態=縁石などにタイヤを乗り上げたときの衝撃を、ベアリングが直に受けてしまうことでダメージを受けることもある。転倒によっても、ベアリングは痛むので、工事中の道路で凹った路面に気が付かず乗り越えてしまい、強い衝撃を感じたようなときなどでも、ベアリングが痛む可能性はある。

車体の設計上、実は、ダメージを受けやすいモデルも過去には存在した。大型モデルで16インチのフロントホイールを採用。決して軽くはない車重は装備重量で250kgに及ぶのにも関わらず、アクスルシャフト径が細く何とΦ12mmしかないモデルも過去には存在した。凸凹路面や転倒などの影響ではなく、通常走行でもホイールベアリングが痛みやすかったのだ。

 

仮に、ホイールベアリングがダメージを受けていることに気が付き、交換するような際には、ホイールハブの左右に組み込まれるベアリング内輪を支持するセンターカラー(ディスタンスカラー)も、同時に新品部品に交換しよう。ガタになったベアリングの影響で、カラーの両端面が微妙に磨耗しているケースが多いからだ。


新品ベアリングへ交換したのに「またベアリングがダメになった……」といった経験をしたことがあるライダーもいるのではないか!?その原因の多くが、センターカラーの摩耗だと考えられる。アクスルシャフトを締め付けた時に、左右ベアリングの外輪幅に対して内輪幅が僅かに(摩耗分)短くなるため、ベアリング回転方向ではなく横幅方向に余計なチカラが加わり、早期にダメージを受けてしまいやすいのだ。ベアリング交換時は、センターカラーの側面が擦れて摩耗し「輝いていないか!?」注意深く点検しよう。



ベアリングのメンテナンス

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