「スムーズに回っているから大丈夫」だと思い込まず、定期的に確認点検しておきたいのが、前後ホイールをスムーズに回転させるベアリングである。気が付かないうちにダメージを受けていることが多いのも、ホイールベアリング(ハブベアリング)の特徴である。ここでは、前後の車輪の中心に組み込まれている、スムーズ回転の要部品=ホイールベアリングに注目してみよう。
ダメになる前に交換するのが基本中の基本!!
エンジン内部に使われることが多い特殊サイズのベアリングではなく、前後ホイールに使われるベアリングは規格サイズの商品が多い。国産車の場合は深溝球ベアリングを採用している例が多いが、外車の中には、テーパーローラーベアリングを標準採用しているメーカーもある。企画サイズ表記の数字とベアリングの寸法には関連性が無いので、まずは使われているベアリングのタイプ、そして「内径×外径×幅寸法」を明確に知ることで、補修ベアリングを探すこともできる。規格部品で探すことでメーカー純正部品にこだわる必要は無い。ベアリング寸法の測定にはノギスを利用しよう。
取り外したベアリングは再利用しないのが基本
専用のベアリングプーラーを利用して取り外したベアリングで、異音やガタが発生していないようなら、再利用も可能だと考えても良い。しかし、取り外したベアリングは再利用せず、新品部品に交換するのが基本である。やむなく再利用する際には、キレイな灯油やガソリンでベアリング内に封入されたグリスをしっかり洗い流そう。また、洗浄したベアリングは、エアーガンや指先を使ってビューッと勢い良く回すことなく、内輪と外輪を指先で固定してエアーブローするのが基本だ。洗浄後は高性能グリスを内部までしっかり押し込み、復元するように心掛けよう。
ホイールベアリングの打ち込みは外輪側面で
新品、中古再利用品を問わず、ハブ穴へベアリングを打ち込む際の基本は、必ず外輪側面に当て金もしくはベアリングドライバー(専用工具)を押し付けて、プレス圧入もしくは慎重に叩き込みながら作業進行しよう。特に、ベアリングが傾いてしまった時には、無理に圧入せず、水平を保ちながら作業進行しよう。専用工具があると作業性は圧倒的に良くなる。決して推奨はできないが、ベアリング外輪サイズにフィットしたソケットレンチを代用することもできる。
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