僅か1リットル、いゃ500ccでも増量できたとすれば、走行距離、航続距離をグーンと伸ばすことができるのが、原付&原付二種クラスの4ストモデルの大きな特徴である。燃費は35~50km/リッターが当たり前の世界。そうなると、1リットルも増量できれば、ノーマルタンクの予備ガソリン=リザーブガソリンを使い切っても、安心していられるというものだ。ここでは、ホンダシャリィにサブタンクを追加したリポートをお届けしよう。
ミニモト製アルミタンクを追加装備
ミニモトから発売されている増量アルミタンクには、シャリィ専用ステーやブラケットのラインナップがあるので注目したい。1.5リットルのアルミ製サブタンクを装備すれば、航続距離はプラス50km以上が確実。専用ステーがあるので、ほぼボルトオンで増量タンクを取り付けられる。車体色と同じ白やシート色と同じブラックにペイントしてしまえば、現状よりも間違いなく目立たなくなるサブタンク。2液ウレタン塗料、耐ガソリン性缶スプレーで塗ってしまうのも楽しい。
ボディの見えない部分に穴加工してみた
サブタンク用フューエルホース取り回し方法は、それぞれのオーナーさんの考え方次第だが、ここではシンプルかつスッキリした取り回しにしたかったため、フレームのリアフェンダー部分の見えない場所にホースを通過させる穴加工を施した。シャリィ専用タンクステーで取り付け
ステンレス製タンクブラケットは、純正ガソリンタンクとシートヒンジをフレームに締め付けるボルトと共締めにて固定する。シートが傾かないように右側締め付け部分にはスペーサーが入る。タンクの固定部分はラバーマウント仕様だ。ちなみにこのシャリィには後期モデル用のゲージ付き燃料タンクキャップを取り付けている。サブタンクを装着してホースを取り回したが、3ウェイ分岐をメイン燃料ラインに追加するだけではいまひとつ使い勝手が良くないようだ。3ウェイコックでガス流入コントロール
別売りの「3ウェイコック」を準備して取り付けた。フレームカバーというのか、キャブカバーというのか、そのカバー固定用のブラケットを締め付ける座にコックプラケットを共締めして、3ウェイコックを取り付けた。フレームから3ウェイコックが飛び出してしまうデザインは少々残念だが、ダックスと違ってコックを追加でマウントできるスペースがシャリィには無いので仕方ない。燃料ホースはメインタンク側をON、サブタンク側をRESに接続した(撮影用にクリアホースを利用。後にゴム製フューエルホースへ交換した)。カスタム仕様のシャリィの多くはフレームカバーを取り付けて無い例が多い。キャブレターが上へ飛び出しているため、そのような仕様車なら3ウェイコックの取り付けも容易だろう。 原付ツーリングが楽しいシャリィ 旧車シーンはそのときそのときに流行りがあり、現在はノーマル回帰が主流のようだが、ホンダ4ミニシーンに関しては、カスタムファンに根強く支持され続けている。1974年モデルのシャリィでも、まだまだ現役のカスタムマシンとして楽しむことができる。原2ツーリングでは、エンジン仕様にもよるが45~47km/リッターを確実に記録!!- ポイント1・タンク容量アップ=走行距離・航続距離のズバリ延長
- ポイント2・ボルトの締め付け、ステーの取り付け固定はしっかり行おう
- ポイント3・ガソリン用燃料ホースで確実安全にガソリンを流そう
しかし、リッターあたり50kmの大台をマークできても、燃料タンク容量が僅か2・5リットル程度、しかも死ガス分(最後の一滴まで使えるわけではない)を差し引くと2・3リットル程度しか使うことができないのがシャリィ号。ガソリンタンク満タンでも航続距離は僅か115km程度……。グルッと200kmくらい走り回る原2ツーリングでは、途中でガス補給を余儀なくされてしまう。
そんな事実を理解しているつもりでも、気が付けば「あれっ!?」ってこと、これまでに何度もありました。今日はスタンドが無いかも? と思ったときには、リアキャリアに3リットルのサブタンクを縛り付けて走ることが多い。ガス欠になったときには、醤油ちゅるちゅるでサブタンクからメインタンクへとガソリンを移動。でも、山道や林道を走っているときにガス欠すると、それはもう心細いものです……。「おぉ~い、待ってくれぇ~!!」と避けんでも、なかなか気が付いてくれないことが多いですよね~。
不測の事態に備えるためにも、ガソリンの予備は常に持ち、原2ツーリングには出掛けたいものだ。そこで、ダックスユーザーの多くが装備している「サブタンク」を「シャリィ」に取り付けようと考えた。同じサブタンクでも、燃料ホースが接続されていれば、コックの切り換えのみで予備ガソリンが流れるようになるので大変便利!! 幸運にも4ミニカスタムで知られるミニモトからは、シャリィ用サブタンクキットと3ウェイコック用ブラケットが発売されていたので、それらを購入して取り付けた。
予備タンクを取り付けた後の、燃料ホースの接続方法は、シャリィ純正の燃料コックを取り外して、燃料タンクから流れる「ON」ホースを遮断。「RES」ホースを3ウェイコックのONポートに接続。サブタンクからの燃料ホースを3ウェイコックのRESポートに接続して、OUTポートとキャブレターを接続すれば作業完了。この接続方法にすることで、通常はONで走行し、純正タンクのガソリンをすべて使い切ったら3ウェイコックのレバーをRESに切り換えてサブタンクのガソリンを使う仕組みだ。ちなみにサブタンクにもリザーブ機能付きの専用コックが付属しているため、通常走行時にタンクコックをONにしておけば、サブタンク内にも「リザーブ」が生まれることになる。これで原2ツーリングがさらに楽しくなる!!
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