
こんにちはred_oneです。ボロボロの初代CBR1000F(SC21)をDIYで少しづつ綺麗にしていく様子を報告しています。第3回目の今回は塗装が剥げ、錆びてかわいそうな状態のホイールの再生です。
一般的にホイールの塗装はブレーキフルードにも負けないパウダーコートを施されていることが多いのですが、パウダーコートはDIYで行うことは設備的に難しいため今回もガンコート塗装に挑戦しています。ガンコートについては第2回の報告に詳しく記載しましたのでご興味のある方はそちらもご覧ください。
自分が入手したCBRは長期間放置されていたらしく、鉄、アルミの多くの部分が錆びており、ホイールの塗装も錆で浸食されている状態でした。
幸い錆の深さは浅かったため、今回は既存の塗装をしっかりはがしして、下地を整えてから塗装をすることにしました。
ホイールは複雑な形状をしていているためサンドブラストに挑戦したのですが……大苦戦……。
オリジナルの塗装が強固なためなかなか研ぐことができず、途中で計画を変更。塗装はがし用のディスクとワイヤーブラシを使ったグラインダーによる研磨を行なっています。
レストア初心者ならではの?数々の失敗もしましたので、そのあたりを含めてご紹介をしていきたいと思います。

入手直後のホイール
バイクのホイールは重要な保安部品です。
メインテナンスを行う際は完全に自己責任での実施、もしくは、正規の資格を持った整備士のいるショップにご依頼ください。
塗装前の下準備
もともと初代CBR1000F(SC21)のホイールは鮮やかな赤のはずなのですが、残念ながら汚れと錆で見る影もない状態でした。タイヤもパンクしていて使えないため、まずはホイールからタイヤを抜きます。
この時、ホイールベアリングを抜くかどうか悩んだのですが、ベアリングの動作は比較的問題がなさそうだったので、試しに?ベアリングを残したままマスキングをして、塗装をはがして塗る方向で作業を進めることにしました。

研磨開始直後のホイール
サンドブラストに初挑戦
入り組んだ場所の塗装はがしにはサンドブラストが良いだろう……ということで吸い上げ式のサンドブラストに初挑戦。
激安の吸い上げ式サンドブラストガンと80番のメディアを10kgほど購入。サンドブラストを行う場合キャビネットを使うのが普通だと思うのですが、ネットで見るとクリアケースを加工してキャビネット代わりにしているDIY事例もちらほらあり、試してみることに。
ゴム製の長手袋とプラスチックの植木鉢をカットしてクリアケースに長手袋を取り付けてキャビネット代わりにしました。特に今回はホイールを研ぐので最大サイズのクリアケースを2つ使ってつないで使ました。

自作サンドブラストキャビネット
結果は惨敗
サクっと研げるだろうと思っていたのですが、結果は惨敗。
クリアケースではホイールの向きが自由に変えられない上に、吸い上げ式のガンは小回りが利かずホイールハブの入り組んだところにはうまく吹き付けることができませんでした。加えてホイールの塗装が非常に強いうえに面積も多く、作業は一向に進まず……日没サスペンディッドとなってしまいました。
翌日からはグラインダーを使って研磨して塗装をはがす方法に計画を変更しました。(ちなみに小さな部品のサンドブラストには使えていますので完全に無駄にはなっていません。)
様々な研磨パッドやディスクを試してみた結果、広い面積の塗装を素早くはがし、錆を落とす場合は耐久力のある硬い樹脂製のパッド、細かいところは追従性の高い繊維系のディスク、奥まったところには細いワイヤーブラシ……を使い分ける形に落ち着きました。

グラインダー用研磨ツール

グラインダーで研磨中
また、最初は回転数が変更できない強力なグラインダーを使っていたのですが、重くて扱いが難しく、うっかりすると削りすぎてしまうため、途中から回転数が変えられる安いグラインダーを購入。結果的には安いグラインダーのほうが軽くて作業がしやすかったです。
グラインダーでできる限りの研磨を行った後、細いワイヤーブラシも入らなかった箇所だけサンドブラストをかけています。その際は自作のキャビネットは使わず、カーポートに(ブルーシートと同じ素材の)白いシートを吊り下げて完全な小部屋状態を作りその中に自分が防塵マスクをして入って作業を行いました。
あまりお勧めはできませんが、この方法ですと大きなサイズのものにもサンドブラストをかけることができる上、メディアもほぼ回収可能です。ただし自分の衣服にメディアが入り込むので、使い捨ての不織布作業着を使用他方が良いかもしれません。

大規模サンドブラスト
ホイールの塗装をすべてはがし終わったら、中性洗剤で水洗いをしてから、エアバルブのところに吊り下げ用の針金を装着。

ハイブリッドプライマー塗装前
ガンコートで塗装
塗料の食いつきや赤い色の発色をよくするため、ガンコート用の白いハイブリッドプライマーを塗装し、120℃で軽く焼き付けています。この際ブレーキキャリパーなどの塗装でも使用した簡易オーブンを使用しています。
そのあとガンコートのサテンレッドを塗装して180℃で1時間焼き付け、出来上がったと思ってハブのマスキングをはがしたところ……マスキングの中からサンドブラストのメディアである砂がぽろぽろと……どうやら隙間化から中に入り込んでしまっていたようです。
それに加え、一部のベアリングのシール部分は熱でぼこぼこに……。やはりベアリングを外してから一連の作業はすべきでした……。

メディアが付着した部品
幸い(?)ホイールベアリングは純正部品がすべて入手可能でしたので即注文。待っている間にベアリングプーラーを使ってベアリングを抜き、改めて洗浄。

ベアリングプーラーで抜いたベアリング
プーラーを使用した際に塗装が欠けてしまった箇所や塗り損ねた箇所などがあったので追加塗装、焼き付けを実施しています。

ホイール焼き付け
ホイールのベアリングの距離をキープするためのディスタンスカラーなどの部品も錆び取り研磨してガンコートを施しています。

塗装済みディスタンスカラー
また、ベアリングを確実に打ち込むためのベアリングシールドライバーも購入。ベアリング入手後にサービスマニュアルを確認しながらラスペネを吹いたベアリングをホイールハブに打ちこみました。シールドライバーを使わずに打ち込める方もいらっしゃるようですが、自分はハンマーの扱いが下手なので素直に使用しました。

ベアリングシールドライバー
タイヤは自分で装着しようかと思ったのですが、タイヤレバーとかで塗装が欠けたら悲しいので、近所のタイヤ屋さんに装着とバランスとりをお願いしてホイールの再生作業は完了です。

タイヤ装着完了
作業まとめ
塗装が欠け錆びているアルミのホイールの再生を行いました。
サンドブラストや高温焼き付け塗装を行う場合は、ホイールベアリングを抜いてから行なったほうが良いですことがわかりました。
ホイールの塗装はがしは研磨パッドなどを装着したグラインダーを使用すると短時間で完了します。(剥離剤を使用するという選択肢もあったかもしれません。)
クリアケースを使った自作のキャビネットで大きな部品のサンドブラストすることは難しかった。大きなものをサンドブラストするにはカーポートにシートを吊り下げた小部屋方式も選択肢の一つ。
ガンコートの赤を塗る場合、下地に白のハイブリットプライマーを使用したところ、発色が良く、きれいに仕上がりました。
ベアリングの打ち込みの際、シールドライバーを使用したところうまく打ち込むことができました。
以上になります。
いろいろ失敗はしましたが、結果的には何とか綺麗に再生することができ、自分のできることを少し?増やすことができましたので楽しかったです。
次回はかなり錆びているフロントフォークのオーバーホールに挑戦……です。
使用した工具、備品
コンプレッサー
水抜きフィルター
吸い上げ式サンドブラストガン
サンドブラストメディア(アルミナ80番10kg)
吸い上げメディア用プラバケツ
大型クリアケース
プラスチック植木鉢
ゴム製の長手袋
大判シート
変速機能付きグラインダー
グラインダー研磨用パッド等
グラインダー研磨用ワイヤーブラシ
ベアリングプーラー
ベアリングシールドライバー
ガンコート用ハイブリッドプライマー(白)
ガンコート(サテンレッド、サテンブラック)
自作簡易オーブン
ヒートガン
ラスペネ
プラハンマー
防塵マスク
防毒マスク
針金
購入した部品
ホイールベアリング一式
ダストシール一式
エアバルブ
前後純正サイズタイヤ
この記事にいいねする
-
DAYTONAについて書かれた記事
-
【大阪MCショー速報】デイトナより新作スマホホルダー&ドリンクホルダー登場! 充実機能ながら4000円を切るリーズナブルさ【モーターサイクルショー2025】
-
【大阪MCショー速報】デイトナ Mioの小型スマートモニターが前後ドラレコ付きで5月発売!? 予想価格6~7万円「MK50」のコスパに注目【モーターサイクルショー2025】
-
【大阪MCショー速報】デイトナより最新インカム「DT-02」登場! 最大8人通話&通信距離が1500mにパワーアップ【モーターサイクルショー2025】
-
【新製品】3D可変構造でスマホの位置が自由自在! デイトナ「SP Moto Mount 3D SPC+ モトマウント3D/1.5」登場
-
すごすぎます!!
楽しそうです。
レストアにはブラストとガンコートは必須のセットですね。
ホイールはガンコートだとアルミ地の目がそのまま出てしまうので、
自分は厚めにウレタンで塗りました。