人もバイクも美しさは脚元から……といったお話もあるが、走り過ぎるバイクを横から見た時に、意外と目立つ部分が前後ホイールのリム部分である。美しん磨き込まれた旧車などでは、クロームメッキの鉄リムが連なるように輪になり輝き、実に美しく感じることがある。キャストホイールのバイクでも、ポリッシュリムなら、磨き込みひとつで輝きが様変わりすることも多い。ここではアルミキャストホイールのポリッシュリムを輝かせてみよう。

アルミ地肌のポリッシュは下地作りから

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キャストホイールの金属地肌(アルミ地肌)部分に限らず、エンジンカバー類の場合も、ポリッシュ仕上げの場合は、磨き仕上げによって輝きを蘇えらせることもできる。新車時にはクリアペイントコーティングされていた仕様でも、塗膜がボロボロになったり、黄ばんだクリアコーティングが気になる時には、サンドペーパー(耐水ペーパー)で汚れを磨き落としてから、その先の仕上げ作業に移行するのが良い。

メタルポリッシュで輝くリム

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金属磨き、アルミ磨き専用ポリッシュを利用することで、アルミ地肌は美しく仕上げることができる。ここではすべて手作業で行ったが、軸型回転リューターやハンドドリルにバフ軸を取り付け、電気やエアーの力でバフを回し、塗布したポリッシュケミカルやメタルコンパウンドを磨くことで輝きはさらに増す。

ワックス仕上げで美しさが持続

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指先だけの作業でも納得の美しさに仕上げることはできる。その昔は、誰もがみな指先仕上げで作業を進行、経験したはずだ。輝いで美しくなったポリッシュ面は、金属地肌そのものなので、ワックスなどで保護しておかないと、またすぐに曇りや染みが発生してしまう。そんなときのワックスとしてお勧めなのが花咲かGワックスだ。チューブから米粒ほどを磨きたい部分に塗布し、ウエスで擦り込むように磨くことで表面にワックス層を作ることができる。

 

「ヘアーライン仕上げ」に挑戦!!

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細かな線が均一かつ同じ方向に流れている表面処理をヘアーライン仕上げという。このヘアーライン仕上げを望む場合には、一度、完全なるポリッシュ状態=しっかりと輝きを得てからでないと、美しいヘアーラインを引くことができない。ここではそのやり方を部分的にリポートしよう。まずはリムエッジをポリッシュ仕上げにしてから、パイプなどに1000番のサンドペーパーを接着(一般的に1000~1500番前後が多いそうだ)し、一定方向に優しく擦る。面積が広いほど、その作業は大変だ。平面へ施工する際には、平らなグリップ付きのポリッシャー面にペーパーを貼り付け、定規を用意して規則正しくライン入れするようだ。
POINT
  • ポイント1・ペイントホイールなら汚れを落としてから磨き上げ 
  • ポイント2・クリア塗膜が汚いときには剥がして磨こう
  • ポイント3・輝きの持続はケミカル頼りが一番
鏡のように顔が映り込むほどではなくても、アルミのポリッシュ部品が輝いていると、バイクは美しく見えるものだ。例えば、スポークホイールならアルミリム、ポリッシュ仕上げのボトムケース、エンジン部品なら、オルタネーターカバーやクラッチカバーなどがそれだろう。ポリッシュ仕上げの輝きや雰囲気が、少しでも長持ちするように、メーカーではクリアコーティングペイントで仕上げることが多いが、これが今ひとつ低品質で、新車出荷時から数年後には、ガレージ保管であっても、クリア層が黄ばんでしまうことが多く、カーポートや露天で車体カバーを掛けていたような保管だと、クリア層がバリバリに割れ、そこから腐食が始まり、見るも無残なことになっている車両が多い。

 

高品質ペイントのクリアコート(アクリルウレタンなど)なら長持ちするが、メーカー純正ペイントのクリアコートは必ずしもそうではないので、バイクに美しさを求めるユーザーの中には、クリアコートが黄ばんできたときに剥離処理し、高品質なクリアペイントで仕上げるといった「こだわり」も以前に見たことがあった。

 

お話はそれるが、ガウルなどの外装パーツにも同じことが言え、80年代や90年代のレーサーレプリカなどでは、カウルにデカールを張ったままで仕上がりとしている例が多い。そんなデカールを長持ちさせるために、高品質なクリアペイントでコーティングするファンも実は多い。分厚くペイントするのではなく、極わずかに薄く塗るだけでもその効果を得られるからだ。

 

ここではスズキの星形キャストホイールを磨いてみた。スポークやリムの鋳肌部分にはペイントが施されているが、切削仕上げ部分は、切削されたままになっているホイールなので(モデルによってはクリアペイントで仕上げてあるようだがこのホイールは切削仕上げのままだった)、まずは耐水ペーパーの400番を使って地肌を磨きだした。追って、前の磨き番手のキズが消えるまでペーパー掛けし、最終的には1200番で仕上げた。切削途中に切粉がサンドペーパーに詰まると切れ味が落ちるので、バケツの水や霧吹きによって切粉を洗い流しつつ磨くのが良いだろう。

 

磨き前の段取りができたら、メタルポリッシで輝かせ、最後にワックス仕上げで表面をコーティングした。汚れた時には洗車後に水分を拭き取り、メタルコンパウンド→ワックス(花咲かGワックスが使いやすくお勧め)で仕上げることで輝きを持続させることができる。バイクを輝かせて満足度を高めよう!!

 

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