しっかり気遣われて保管されていたバイクなら、メンテナンス不要に近い状態で「好調をキープ」している例も確かにある。しかし、不動車メンテナンスの場合は、一般論として95%以上!?は、何らかの整備が必要不可欠なケースが多い。まさにそんな部品のひとつにキャブレターがある。ここではキャブレターの分解メンテナンスの手順をリポートしよう。

まずはキャブ本体の取り外しから 

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強制開閉のリンク式スロットルバルブではなくワイヤー式なので、トップカバーねじ込み式で簡単に分解でき、スロットルバルブも引き抜くことができる。見ての通り、長年に渡る走りとガソリンの吹き返しで、スロットルバルブ外周にはカーボンが堆積していた。ピストンの圧縮圧力が低下している兆候である。
完全バラバラに分解してから各パーツを最善の方法で細部までクリーンナップして仕上げる。キャブ内部パーツの組み付け構造を理解して、完全にバラバラ&洗浄しよう。この洗浄段取りを以下の解説でリポートしよう。

泡タイプのスプレー式の使い方ノウハウ 

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ガソリンやガソリンに含まれる添加剤が変質すると、ワニスやタールとなってキャプ各部に固着してしまう。それが性能低下の大きな原因のひとつだ。汚れたキャブレターの洗浄時には、キャブ専用クリーニングケミカルを利用するのが常套手段かつ最善だ。スプレー式のキャブレタークリーナーの泡タイプとジッパー付きで厚手の小型ビニール袋を用意すると大変便利だ。袋の中に分解した小さな真鍮系パーツを入れ、ノズルの先を袋に突っ込んで、パーツが泡洗浄液に浸るまで吹き付ける。パーツが洗浄液に浸ったらったら、白熱電球の近くに置いてクリーナー溶剤を電灯の熱で温める。温度上昇によって溶剤が活性化するのだ。これがパーツ洗浄に良く効くノウハウだ!! ビニール袋の中の溶剤が温まったら電球を放し、冷えたら再び寄せるような作業を繰り返しながら3時間経過したらこんな感じに仕上がった。黒ずんでいたのに真鍮色へ復活。

漬け込み型キャブクリーナーが一番!! 

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キャブ本体やフロートチャンバーなどのパーツは、ヤマハ純正用品部門のワイズギアが取り扱うヤマルーブ「スーパーキャブレタークリーナー【原液タイプ】」を利用するのがおすすめ。メーカーの垣根を越えて高性能ケミカルを使いこなそう。汚れがよく落ちる実に高性能ケミカル!! 缶をしっかりシェイクしてよく混ぜてから、クリーナー原液を3に対してガソリンを7の割合で混合。混ぜてからキャブレターが洗浄液に隠れるまで完全に浸そう。このケミカルは繰り返し利用できるのも特徴だ。ガソリンの揮発性が低下すると洗浄力が落ちので、再度、フレッシュなガソリンを追加するのが良い。さすがに新品ケミカルの時よりは洗浄力は低下するが……。

汚れ落ちと細部コンディションの確認

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ジェットニードルのストレート径部分とニードルジェットの開口部が当たって磨耗が発生
するとアイドリングが安定しなくなる。擦れて光っていたら、双方ともに要パーツ交換である。真鍮フロートもキャブクリーナーに浸しておくことで美しくなる。ワニスが固着して黒ずんでいてもフロートを洗浄液に沈めてしまえば美しく蘇るものだ。洗浄液に沈めてクリーニングすることで、フロートのパンク確認にもなる。洗浄後、フロート内からピチャピチャ音が聞こえる時には要注意。

燃調キットのありがたい梱包内容 

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旧車を中心にメーカーでは販売中止になってしまったキャブレター用リフレッシュパーツを国内にて製造販売するのが兵庫県のキースター/岸田精密工業だ。燃調キットとは、エンジンコンディションや吸排気のカスタム仕様に合わせた微妙なセッティング変更が可能で、オーバーホールの際にあるとありがたいガスケット類を1パックにした商品だ。旧車ファン、サンデーメカニック、バイクショップに愛されているパーツだ。

POINT

  • ポイント1・固着気味に気が付いたらヒーターを利用して分解 
  • ポイント2・ケミカルを無駄なく利用できるビニール袋
  • ポイント3・細部部品のコンディションで好調不調が激変

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ガソリンタンク内部のサビを除去するのに、灯油に石コロやボルトナットを混ぜてタンク内に流し込み「ガラガラ揺すってしばらく待つ」といった、70年代以前のサヒ取り方法では、タンク内に侵食したサビや汚れを完全除去することはできない。同様に、腐ったキャブレターを洗浄する際に、新しいガソリンや灯油にキャブ本体は浸し、詰まったジェット類は細いニードル針で強引に突っつく……みたいな方法では、キャブレターをオーバーホールしたと言うことができない。タンクのサビ取りと同様に、キャブレターの分解洗浄時には「専用ケミカル」を利用するのがベストかつ確実である。キャブレター内部のパーツ、特に、真鍮製パーツを即効性で洗浄するには、キャブレタークリーナーケミカルのスプレー式「泡タイプ」の利用が効率良くパーツを洗浄することができる。

キャブレターを分解したら真鍮製ショートパーツを各気筒に分けて、それぞれをジッパー付きの小型ビニール袋の中へ入れる。その状態で泡タイプのスプレーケミカルをブシューと吹き付ける、といった具合だ。そのビニール袋越しに白熱球の熱でクリーナー溶剤を温めると、目で見てもわかるほど真鍮部品がイキイキ復活してくる。完全にワニスで詰まったジェット類の場合は、掃除用針の極細サイズであらかじめ貫通さておくことで、粘着質のワニスも比較的容易に分解洗浄できる。キャブレターメンテナンスのプロもお勧めする洗浄方法がそんなやり方だ。

キャブボディーや主要パーツの洗浄は、ワイズギア製のヤマルーブ・スーパーキャブレタークリーナー【原液タイプ】がお勧め。説明書通りにガソリンで割って使う商品だが、仮に、キャブ内部が軽度な汚れ状態なら、キャブを分解せずにクリーナーを希釈済みの洗浄ガソリンをフューエルチューブからフロート室内へ流し込み、1~2時間経過後にドレンから抜き、さらにフレッシュなガソリンを流し込んでエンジン始動すれば作業完了になるケースもある。機会がある時には試してほしい。

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