
6ボルト車だから12ボルト車と比べて「ヘッドライトが暗い」というのは、客観的に事実である。
それなら、すべての12ボルト車が明るいのかと言えば、決してそうではない。
中には車検に合格できない暗いヘッドライトの12ボルト車もある。
何故、性能を発揮できないのか? そのひとつの理由がアース回路だ。
愛車の配線図を見たことがありますか?
車載のオーナーズマニュアルやサービスマニュアルには必ず配線図が記載されています。
まずはアース線の接続方法を見てみよう。
旧車や絶版車用の明るいヘッドライトバルブ
左がメーカー純正の標準バルブで、右がスペシャルパーツとして販売されている高性能バルブ。
35W/35Wなのに対してスペシャルは50W/35W仕様。間違い無くバルブは明るい仕様なのだが……。
同じヘッドライトバルブでも新品バルブに交換するだけで明るくなる例もある。
バルブ内部の結線劣化によって光量を低下させているバルブもある。
さらに車体側アース回路に問題がある場合も……。
単純な経年劣化で光量が低下しているヘッドライトバルブもあるが、多くの場合は、メインハーネスと呼ばれる車体を取り巻く配線自体の劣化によって「電気が流れにくい」状況となっていることが多い。
一番の原因は「アース回路」にある。80年代後半以降に登場したモデルで、ようやくアース回路を重要視した電装設計になっているが、それ以前のモデルの多くは「ボディアース」を採用していたのだ。
つまり、導通する鉄パイプのフレームやエンジン本体を配線と見なした電気回路設計だったのだ。
車体アースの旧式回路は、締結部分に発生するサビや汚れの影響を受けやすいのが特徴だ。
フルレストア直後に電気系トラブルが発生しやすいのは、フレーム本体やブラケット類をペイント=リフレッシュしたことで、通電性が低下してしまうことが主な原因である。
ここでは、脆弱な車体アースはそのままに、配線追加でアース回路を強化してみよう。
・アース回路を疑い、強化することがお勧め
・ウインカーの点滅不良はアース回路が不安定だと起こりやすい。
自動車/バイク用の市販配線を準備。
今回の実装車はカワサキ70Sモデルなので、カワサキの配線色と同じ「黒/黄線」コードと1サイズ太いコード(1.25sq)を準備。
サイズアップで導通性を高めてみた。
エーモンの配線はこちら
まずはヘッドライトのアースを二分割にする。
純正配線の黒/黄線に加え1サイズ太い黒線を「ヘッドライト専用のアース線」として車体に取り回した。
これでライトの点灯回路がスムーズになる!!
燃料タンクを取り外し、要所は保護チューブを利用しながらバッテリーまで追加配線を取り回す。
バッテリー端子のサイズと同じ丸端子を配線端にカシメ、マイナスターミナルに共締めする。
エーモンの各種端子はこちら
驚きの明るさ!! バルブ変更無しでも明るい!!
旧車に多い160ミリ径ヘッドライトでも、180ミリ径や現代のモデルと同等の明るさを誇る光量を確保。
ユーザー車検前にテスター屋さんで光軸調整依頼すると「凄い光量出てますね!!」とテスター屋さんスタッフ。
「旧車が持ち込まれるとヘッドライトの光量が足らなくて、四苦八苦することが多々ありますが、このヘッドライトは強烈に明るいですね!!」と陸事近所のテスター屋さん。
ユーザー車検にチャレンジすると、一番の鬼門がヘッドライト。
光軸の狂いなら調整次第で何とかなるが、光量が足りないと如何ともしがたい……。
そんな「暗いヘッドライト」を「本来の性能」に取り戻せるのが高効率アース配線の追加なのだ。
①バルブ接点を磨く
②新品バルブに交換する
③アース回路を見直す
④それでもダメなときにはヘッドライトブースター
この記事にいいねする