
ツーリングから帰宅した翌日、エンジン下の床面にオイル漏れを発見。そんな痕跡を見てしまうと、原因究明&修理実践したくなるのがサンデーメカニックだろう。ここでは、ギヤシフトシャフトのオイル漏修理と、以前から気になっていたファイナルギヤ比の変更にチャレンジしてみた。メーカー純正部品のオイルシールが購入できて、良かったぁ~♪
オイル漏れ箇所の特定から開始
「チェンジシャフトが怪しい!?」とは以前から思っていたが、思い込みが激しいのは良くありません。念のためにクランクケースの合わせ目も再チェックしてみたが大丈夫だった。ドライブスプロケット裏のドライブシャフトシールが原因?指先を忍ばせたがドライ状況だった。いずれにしてもこのエンジンはシール関係を外側から交換できるので安心です。クラッチレリーズを作動させるプッシュロッドシール部分からのオイル漏れも多い。金属のプッシュロッドとオイルシールの隙間に砂利が入り込み、ロッドを磨耗させてしまうのだ。
シール交換だけでは済まなかった……
やっぱりチェンジシャフトオイルシールが原因でした。実は、最初にエンジン洗浄したときに、周囲の油汚れがハンパなく酷かったので、あらかじめシャフトシールを交換しておきました。しかし………、ということは!?シャフト側シール受け部の磨耗が原因なのかもしれない。作業前にチェンジシャフトASSYを注文してみると、部番統合されながらも、何と新品部品が出てきた!!(この作業を実践したタイミングです)部品管理が素晴らしいバイクメーカーさんは、パイクファンに好まれます。クラッチカバーを外してクラッチユニット周りすべてを分解しなければ、チェンジシャフトASSYを抜き取ることができない。これは少々面倒ですが、仕方ありません。クラッチスプリングを緩めてコントロールプレートを抜き取ったら、クラッチディスク&プレートを順番通りに抜き取る。次にクラッチハブを専用ツールで固定してセンターナットを緩める。クラッチアウターを抜き取ると、その下にクワガタ虫のハサミのようなカタチをしたパーツが現れるので、先端のフックをズラしてフリーにすると、全体を手前に引き抜くことができる。
虫食いシャフトがオイル漏れの原因!!
右側の汚い溝にはサークリップが収まり、その左側にある浅い溝がオイルシールリップ+砂利によって削られてしまった、本来ならばオイルシールリップの摺動面だ。これではオイル漏れしますよね~。納品された新パーツはどうやら2ストエンジンのメイト50用と統合されているようだ。クランクケース内部に納まるクワガタのハサミ部分は当然ながら同一寸法だった。
オイルシール交換時のテクニック
新品シャフトを差し込む前にオイルシールホルダーの汚れをウエスで拭き取りクリーンナップ。シャフト摺動部の磨耗もチェックしよう。軸受け部分の磨耗もオイル漏れの原因になる。新品オイルシールを組み込む際には、オイルシールの外周部分に液体ガスケットを塗布する。この液体ガスケットを塗ることで、オイルシールをスムーズに挿入(押し込む)でき、収まりが良く、しかもシール性が高くなる。
ドライブスプロケットを1T歯数アップ
減っていなかったのでドライブスプロケットは交換せずに乗っていたが、あまりにも吹け切り(頭打ち)が速いので、1Tロングな14Tから15Tスプロケットに交換してみた。するとこれが大正解!!原2仲間とのツーリングが楽しくなった!!現代のバイクに混ざって走る旧車バイクライフは本当に楽しい。信号待ちで若いライダーから何度も声を掛けられるほどだ。昔なら「珍しい!!ボビィですね!!」だったが、現代では「ヤマハのバイクなんですか……!?」が多い。
- ポイント1・オイル漏れを発見したら漏れ原因の特定から開始
- ポイント2 疑わしい箇所へはペーパーウエスを詰めよう
- ポイント3・オイルシール交換時は液状ガスケットを併用とよう
- ポイント4・真の「オイル漏れ原因」の特定も重要
誰もが驚く「汚さ」で、エンジン周辺と言えばドロの堆積と油汚れでまさに「てんこ盛り」状態だった購入時。スクレパーでしばらくドロを削ぎ落さなければ、クランクケースのアルミ地肌に到達しないほどで、バイクの修理以上に、エンジンやフレームのクリーニングがとにかく大変だったヤマハボビィ。前オーナーさんが長年に渡ってオイル漏れを放置し続けたから「油ドロ団子エンジン」になってしまったのかも知れない。でも、逆に言えば、そんな油ドロがたっぷり堆積していたからこそ、洗浄後のクランクケースやエンジンマウント周辺は、想像以上に良いコンディションだったのかも知れない。まぁ、一長一短でもありますが、結果的にはラッキーだったのかも知れません。
クリーンナップをしていた当時、ギヤチェンジシャフト周辺の汚れが酷く、オイル漏れしているのも発見。特に、深読みすることなく新品オイルシールへ交換していた。チェンジシャフトのオイルシールは、リップ部分の内側にフックを引っ掛けて、シャフト側にキズを付けないように注意しながらスライディングハンマーで引き抜くことで交換可能だ。その作業時には、オイルシールを抜き取った周辺をパーツクリーナーで洗浄してから、普通に新品オイルシールを叩き込み、復元完了。
交換後はオイル漏れせずにしばらくは走ることができた。しかし、再びオイル漏れが発生……。当初は、クラッチのプッシュロッドシールか?それともドライブシャフトシールか?と考えた。将来的には、それらのオイルシール類も交換するだろうと考え、クランクケース周辺のオイルシールとガスケットは手配購入し準備していたのだ。
オイル漏れの原因は、チェンジシャフトのオイルシール不良だった。交換したばかりなのに何故なのか……?虫めがねでシールリップの当たる部分を拡大して点検したところ、シャフト側が磨耗していたのだ。それがオイル漏れの原因である。ヤマハ純正部品を発注したところ、シャフト全長が5mmほど長くなった統合部品が納品された。部品交換後、シールリップ摺動個所が良くなったことでオイル漏れは解決。その後、しばらく走ったが、オイル漏れはゼロだった!!
クランクケースカバーを外したついでに、ドライブスプロケットをノーマルの14Tから純正流用で15Tスプロケットに交換した。エンジンチューニングによって吹け切りが早かったので、に二次減速比をロング仕様に変更。これが大正解で、実にスムーズかつ速くかつ楽しく走れるようになった。
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