
タイヤ交換やチェーンの調整で、ホイールのアクスルシャフトを外したりナットを緩める作業。メンテナンスを普段からやるライダーにとっては何も特別なコトではないのですが、テキトーにやると恐ろしい結果を招く重大な作業でもあります。ナットを本締めし忘れて、走行中にホイールがすっとんでいく……なんてこと、想像もしたくありません。そんな危険がないように、シャフトに取り付けられているパーツが「割ピン」です。ただの柔らかい金属のピンなのですが、これがあることで万が一ナットが緩んでも、ナットやシャフトの脱落を防いでくれるわけです。
ところがこの割ピン、特にしょっちゅう作業をするライダーからすると地味に面倒なパーツです。というのは基本的にこれ使い捨てなので(変形させて取り付ける関係上、強度も一度使うと落ちるのです)、外すたびに新品をつけなければいけません。また取り付け時にはプライヤーなどの工具を使う必要もあり、でたらめに取り付けると外れてしまうことも。これが整備の時のプチストレス! という人も多いのでは? そこで登場するのが「ベータピン」。その名の通り「β」のカタチをしたピンですが、これを割ピンの代わりにすると取り付けもワンタッチで工具も不要。再利用も可能というスグレモノ。割ピンのストレスから一気に解放されるのです!
しかし、気になるのはその強度。負荷のかかるアクスルシャフトに使っても大丈夫? という不安も沸きますが、今回紹介する「MOTO HACK」では、「MTXR」さんがこのベータピンの耐久試験を行ってくれた日記をご紹介します。MTXRさんも割ピンの煩わしさから解放されるためにベータピンをZ250SLの前後アクスルシャフトに取り付け。強度確認のために峠をガンガン走ってみたところ、問題は特に起きなかった様子! ただし、注意したいのはベータピンの取り付けるボルト&ナットに見合った各種サイズを間違えないこと。小さいとシャフトに入らず(うまくかみ合わず)大きいとすっぽ抜けてしまうので、ベータピンを使ってみたいライダーはしっかり情報収集をして臨みましょう!
リアホイールベーターピン
2019年11月10日 MTXRさんの整備日記より
作業工程1
その形状・大きさから「Zにも使えるかも」と購入したNSR用リアホイールベーターピン。
先日のチェーン調整にて、割ピン外したついでに付け替え・・・と思ったのですが
作業工程2
はぁああい!見事にブカブカです。
こんなに目測を誤るとは・・・我ながら大したものですw
というわけで、「NSR用リアホイールベーターピン」はZ/Ninja250SLには付きません。
作業工程3
近所のホームセンターにて、この2つを入手。
20パイ用のステンレスベーターピン。
4本入りで168円。
左は、ダメだった時用に。
作業工程4
おぉおっ!
なんだ、ぴったりじゃないか。
もっと早く言ってくれれば、あんなブカブカで高価なベーターピン買わずに済んだのに・・・
いや、いつか我が家にNSRが降臨した時のために・・・
というわけで、メンテ性大幅UP&リーズナブル。
ノーマルの割ピンは、外すのも簡単なようで手こずったし、こっちの方が再利用も効く(割ピンはきっと再利用NG)のでおススメです。
ベータピン耐久実験(大げさ)
2019年11月24日
作業工程1
リアに使用したベータピン、フロントはどうかなと思ったのですが、フロントにもピッタリ!でした。
昨日今日と天候に恵まれ、昨日は車2台のタイヤ交換で力尽きていたので、今日こそは走行実験です。
フロント、リアともにベータピン装着状態+補助的な結着無しの状態で、峠道をぶんぶんして外れたりしないか。
あと、チェーン洗浄&調整した後全く走っていなかったので、おかしくなっていないか確認(笑)
作業工程2
結果、全く抜けたり回ったりしませんでした。
他人が故意に外す事は別として、通常の走行・停止などの状態では、補助の固定等無しでも全く問題ありません。
降車してバイクを離れる機会がある場合などは、イタズラ(盗難目的とは思えない。こんなパーツ)防止のためにタイラップなどの補助をすれば良しとして、その様な機会が無く、ただ走って戻る程度ならそのままで大丈夫ですね。
前後使用は写真の商品。SL乗りの皆さん、いかがですか?
今回の「MotoHack」では「MTXR」さんの「リアホイールベーターピン」を紹介しました。レポートをありがとうございます!
これからもこのコーナーでは、Webikeユーザーの皆さんの、ちょっと便利なアイデアやグッズをどんどん紹介していきます。次回もお楽しみに!
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抜けますよ。お勧めしません。