
ブレーキパッドが摩耗しても、レバーやペダルの遊びが変化しないディスクブレーキ。
何故かと言えば、キャリパーピストンが徐々に突き出していくからです。
そんなキャリパーピストンはブレーキダストや雨水やホコリで汚れ放題なので、パッド交換時は汚れを落とすことが肝心です。
長持ちさせるには普段から清掃しよう。
キャリパーピストンの汚れがシールをダメにする
ブレーキフルードで押し出されたキャリパーピストンが、ブレーキパッドを動かしてローターを挟み込むディスクブレーキ。
キャリパー本体からせり出すピストンはその位置をキープするので、レバーの遊びが増えることはありませんが、パッドが摩耗するとピストン外周の露出量が増えていきます。
するとピストン側面には摩耗によって飛び散ったパッドの粉末や、走行中に跳ね上げた雨水や砂埃が付着していきます。
スチール製のキャリパーピストンの表面にはメッキ処理が施されていますが、長期間にわたって汚れが付着したままだとサビの原因になることも。
また摩耗したブレーキパッドを交換する際は、飛び出したピストンをキャリパー内部に押し戻しますが、パッド粉や砂埃で汚れたままのピストンを押し戻すと、キャリパーにセットされたゴ
ム製のキャリパーシールを傷つける恐れがあります。
そんなトラブルを避けるために、汚れたキャリパーピストンはきれいに洗浄することが重要なのです。
・ピストン側面にはブレーキダストや砂ぼこりが付着している
・長期間汚れを付着したままにするとサビの原因になる
・パッド交換時に汚れたままピストンを押し戻すとキャリパーシールを傷める
ピストンの洗浄はブレーキクリーナーや中性洗剤で行う
キャリパーピストンの汚れは、ブレーキを掛けた際の制動熱によって焼き付けられた状態になっているため、パーツクリーナーを使用する際は揮発性が高い速乾性ではなく、洗浄部分に長くとどまる中速乾タイプがおすすめ。
またバケツの水が使えるような環境なら、キャリパーごと台所用中性洗剤で洗浄するのも効果的です。
中性洗剤の脱脂力と界面活性成分は強力で、ピストンにこびりついた汚れにも浸透するため、ブラッシングによって大半の汚れは落ちるはずです。
汚れを落とすには、歯ブラシやナイロンブラシなどの樹脂素材の軟らかいブラシが絶対条件で、メッキを傷つける可能性のある金属製のワイヤーブラシはNG。
正面から見える部分だけでなく、キャリパー側の汚れもしっかり取り除かなければなりません。
裏側の汚れには、細く切ったウエスをピストンに巻き付けて乾布摩擦の要領でこすりながら磨くのも有効です。
キャリパーの形状によっては、どの方法を使ってもピストン全周が洗浄できない場合もあるかもしれませんが、汚れたままのピストンを押し戻すことだけは避けましょう。
キャリパーピストン脱着ツールはこちら
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・パーツクリーナーは中速乾タイプがおすすめ。キャリパーごと台所用中性洗剤で洗浄するのも効果的
・汚れを落とす際は歯ブラシやナイロンブラシなど柔らかい素材のブラシを使用する
・金属製のワイヤーブラシは傷がつくので絶対に使ってはいけない
・正面だけでなく、キャリパー側も清掃する
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