
長らく放置されていたキャブレター車につきものの、錆びや汚れによるジェット類のつまり。錆びが流れ込んだり、ガソリンが変質したりなど、その原因はさまざまながら、放置車両のエンジンがかからない場合まず疑うべきポイントです。しかし、簡単に除去できるわけではありません。ジェット類は想像以上に細く、精密な部品であるため、安易に詰まっている部分をハリガネでつついたりすると、不必要なキズからエンジンの調子を悪化させる原因になります。
今回紹介する「MOTO HACK」では、そんなキャブレターの錆びを身近なもので解決した「036」さんの整備日記をご紹介。ホンダ・XLR80Rのオーナーである036さんは、久しぶりのエンジン始動がうまくいかなかったうえに、キャブレターからガソリンのオーバーフローが発生! 仕方なくフロートチャンバーを分解したところ、アルミ製のキャブレターが錆びてジェット類を詰まらせてしまっていたのでした。本来ガソリンで満ちているはずのフロートチャンバーが錆びてしまったのは、長期保管の間キャブレターからガソリンを抜いていたことと、バイクカバーをしっかり締めすぎて湿気がこもってしまったことが原因のようです。
そして運悪く、キャブレターを清掃するためのケミカル「キャブレタークリーナー」は手元にありませんでした。そこで036さんが思いついたのは、どこにでもある「お酢」にジェットを漬け込むこと! そんなものでうまくいくの? と思いきや、ジェットに詰まったアルミ錆びはバッチリ貫通できました。これはお酢に含まれる酢酸が錆びと結びつき分解をしてくれるため、化学反応により錆びが除去されたのです! 身近なもので無事、リカバリー成功!
ただし、酢酸にはキャブの素材であるアルミや真鍮を腐食させる作用があります!このため長時間の漬け込みや、作業後の放置によって金属が変質してしまう危険があります。こんなリスクもある作業のため、試す際には慎重に作業を行ってみてくださいね!
XLR80R 脅威 お酢の力
2022年10月30日 036さんの整備日記より
作業工程1
アルミ錆でエライ事になっていたXLR80Rキャブ。
エンコンにガソリンやボンスターやら、色々駆使したものの、スロージェットの目詰まりは解消しなかった。
そこでダメ元で生活の知恵食用酢を使用してみる事にした。
で、結果。
ミ○カンすげぇぇぇ。
針金すら通らなかったスローの竪穴が貫通している。パーツクリーナーを吹き込むと勢い良く飛び出す溶液! 指で竪穴を塞ぐと横穴から勢い良く飛び出す溶液!
アガるテンションとミ○カンの好感度。
あ、キッチンペーパーで覆っていた突起物も綺麗になった。ドレンボルト部の凹み箇所もきれいになった
まあ、何を言いたいかと言うと、アルミ錆、真鍮錆にお酢アタックは予想以上の効果があったという事である。
しかも食品なので、危険性も全く無い。唯一の難点は、部屋中に酸っぱい匂いが充満するという事だろうか。
はて、慌ててポチったキャブクリーナーいらなかったんじゃね? ま、まあ何かの時のお守りにはなるしメソラシ
それにどうせ買ったのだから、お酢アタックに続いてキャブクリアタックを敢行しよう。
数時間の漬け込みでも十分だろう。
作業工程2
で、いきなりだがキャブクリ漬けも終わって、車載までの繋ぎとしてZOILスプレー吹いた。
画像はスプレー拭いて組立直前のものである。
いや本当ならお酢アタックや念の為のキャブクリ結果画像があれば良いのだが、想像以上に綺麗になった為テンションが上がり作業を進めてしまい、写真撮り忘れたのよ。
そもそもお酢の時点で、XLR80Rを手に入れてすぐにオーバーホールした時より綺麗になっていた。
そこにキャブクリで入り組んだ部分を綺麗にして、もうピカピカですわ。バイスでキズだらけにしたドレンボルト以外は。
で、とりあえずエンジンに混入しても問題ない油として、ゾイルスプレーを吹いておいたわけだ。
今回の「MotoHack」では「036さん」の「XLR80R 脅威 お酢の力」を紹介しました。レポートをありがとうございます!
これからもこのコーナーでは、Webikeユーザーの皆さんの、ちょっと便利なアイデアやグッズをどんどん紹介していきます。次回もお楽しみに!
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