
メンテナンスの事はよくわからないけどエンジンオイルの交換くらいなら自分でもできる!
全部抜いてから入れるだけだから簡単!
という感じで、自分でオイル交換される方は多いでしょう。
でも、交換後に確認してみたら少し入れすぎているような気がする……。
そもそも正しいエンジンオイルの量の確認方法って良く考えてみると知らないような……。
一旦気になるとめちゃくちゃ気になるエンジンオイルの正しい量。
今回は入れすぎてしまった時にどうなるのか?その症状と対処法を簡単に解説します!
目次
オイル交換後のオイル量はどのタイミングで確認するのか?
オイル交換では汚れたオイルをドレンボルトから抜き取った後、注入口から新しいオイルを入れて、指定されたオイルレベルに収まっている事を確認します。
オイルレベルはエンジン横にある『オイルレベル確認窓』や、『オイルフィラーキャップの目盛り』で確認します。
どちらの場合も上限と下限が記されているはずなので、この間に収まっていればOK。
ここまでは問題無し。
問題なのは、確認のタイミングによってはかなりオイル量が増減してしまう事。
慣れていないと確認する度にオイルレベルが変わるので何が正解なのかわからなくなります。
確認のタイミングによって変化するオイルレベルはかなりのものなので、正しいタイミングで確認しないと適正オイル量の判断を大幅に見誤ります。
しかも、確認するタイミングによって規定量より多くなってしまう場合と少なくなってしまう場合があるので地味に要注意です。
オイル注入直後の場合
オイル注入する時、オイルはクランクケース内壁やエンジン内部の様々な部品を伝わってオイルパン(エンジンオイルの溜まっている場所)まで落ちて行きます。
エンジン内部は複雑な形状をしている事もあり、注入直後はまだオイルが完全に下まで落ち切っていない事があります。
中身が空っぽな容器のてっぺんから注入して容器の底から溜まっていくようには行きません。
まだオイルが落ち切っていないこのタイミングでオイルレベルを確認すると、規定量を入れたはずなのに少なく見えてしまいます。
その段階でオイル量が適正になるように増やすと、内壁や部品に付着していたオイルが落ちてきた時には規定値よりも多くなってしまいます。

エンジン内部は複雑な形状の部品が大量に入っています。注入時に部品に掛かったオイルは部品表面に纏わりつき、しばらく落ちてきません。
オイルフィルターまで交換した場合
オイル交換時にオイルフィルターも一緒に交換するのは良くある話です。
それは良いのですが、フィルター交換すると通常ならオイルで満たされているはずのフィルター内のオイルも空っぽになってしまいます。
機種によってはオイルを注入しただけではオイルフィルター内が新しいオイルで満たされず、空洞のままになっている事があります。
すると、規定量を入れたはずなのにオイルフィルターの体積分だけ多く入っているように見えてしまいます。
この段階でオイル量が適正になるように減らすと、エンジン始動と同時に空っぽだったオイルフィルターにオイルが満たされるので規定値よりも少なくなってしまいます。
ただ、カートリッジ式でないオイルフィルターがエンジンオイル量確認ラインより上に位置している場合は影響を受けなかったりするのでややこしいです。

このエンジンではオイル交換時3000cc、オイルフィルターも交換する場合は3200cc、エンジン内の全オイル量は3800ccの指定です。オイルフィルターだけで200ccも差があります。
暖機前の場合
オイル交換後はしばらくエンジンをかけて(暖機運転)、オイル漏れが無いかの確認をします。
暖機運転を行う前のタイミングでは単に上からオイルを注いだだけの状態なので、エンジン内の様々なオイル通路にオイルが回っていない場合があります。
本来ならオイルで満たされているはずの通路が空洞なので、その通路の体積分だけオイルがオイルパンに余分にある状態になっています。
すると、オイルレベルを確認すると規定量を入れたはずなのに多く見えてしまいます。
その段階でオイル量が適正になるように減らすと、エンジン始動して空洞だったオイル通路にオイルが入った分だけ規定値よりも少なくなってしまいます。

エンジン内部には表からは見えない部分にオイル通路が隠れている事が多々あります。
暖機後の場合
エンジン内部のオイル通路にしっかりオイルを循環させ、オイルフィルター内もしっかりオイルで満たし、走行時と同じようにエンジンが熱くなるまで暖機運転して、その状態でオイル漏れが無いかを確認する慎重な方も居ます。
それは良いのですが、エンジン内を循環したオイルはエンジン内部の様々な部品の表面にまとわり付いてしまいます。
エンジン停止してもすぐにオイルパンまで落ちて来ないのです。
だから暖機後すぐにオイルレベルを確認すると規定量を入れたはずなのに少なく見えてしまいます。
その段階でオイル量が適正になるように増やすと、エンジン内の各部に残っていたオイルが落ちてきた時には規定値よりも多くなってしまいます。

暖機後は10分程度待たないとオイルが下まで落ち切らない。
メンテナンススタンドで整備中の場合
サイドスタンドだけではオイル交換しにくいので、メンテナンススタンド(レーシングスタンド)を使用してオイル交換整備を行う場合があります。
車体が安定しているのでメンテナンススタンドを使って整備するのはオススメです。
しかしメンテナンススタンドを掛けるとどうしても車体が後ろ上がりになります。
すると、エンジン内の油面が後ろ下がりになるので、車種によっては正しくオイルレベルが確認できない事があります。
(※大半の車両はそこまで気にしなくても大丈夫ですが、意外な盲点ではあります)
オイルレベル確認部がエンジン後部にある場合は規定値を入れても低く表示されるので、その段階でオイル量が適正になるようにするとスタンドを外した時には規定値よりも多くなってしまいます。
逆にオイルレベル確認部がエンジン前方にある場合は規定値を入れても高く表示されるので、その段階でオイル量が適正になるようにするとスタンドを外した時には規定値よりも少なくなってしまいます。

オイルの油面は地面と並行です。車体を地面に直立させておけばオイルレベル点検窓がエンジンの前でも後ろでも関係なく適正なオイルレベルが確認できます。

メンテナンススタンドなどを使用すると車体の後部が持ち上がります。車体(とエンジン)は傾きますが、オイルの油面は地面と並行なままなので、点検窓がエンジン前方にある場合は『多く入っている』ように見えてしまいます。点検窓がエンジン後部にある場合は逆に『オイル量が足りない』ように見えます。

車種とスタンドの組み合わせによっては車体後部がかなり持ち上がります。車体は前傾するけどオイルは水平のままなので要注意。
入れすぎかどうかの確認方法
上ではオイル交換時の確認注意点を列記しましたが、別にオイルレベルはオイル交換時にだけ確認するものではなく、普段から気にしておくべき項目です。
ありがたい事に普段の確認ではあまり難しい事はありません。
普段の確認はバイクに乗る前、つまりエンジン始動前に確認するのが最良です。
オイル交換直後に確認する場合は普段の確認と同じ状況にするため、下記の手順で行います。
- エンジンを掛けて軽く暖気した後にエンジンを止める
- エンジンオイルがオイルパンまで落ちるまで待つ(10分程度)
- 車体を直立させる
- オイルレベルが上限と下限の間にあるかを確認する
うーん、難しい事はないけどちょっとメンドクサイ。
特に車体を直立させたままオイルレベルを確認するのは車体の取り回しに自信の無い小柄な方では難しいと思います。
その場合は誰かに車体を直立してもらって2名掛かりで確認するのが安全で確実です。
なお、上で記したのは一般的な4ストロークエンジン車のオイルレベル確認方法であり、車種によって確認方法が微妙に異なります。
具体的な確認方法は愛車のサービスマニュアルで確認してください。
特にドライサンプ(オイルタンクを別体で持っているエンジン)では確認方法が全く異なるので要注意!

オイルキャップに目盛り付きの棒(ディップスティック)が付いている場合の例。棒に付着したオイルが上限と下限の間にあればOK。

オイルレベル点検窓があるエンジンの例。窓の横にある線が上限と下限を表しています。この線の間に収まっていればOK。
入れすぎた場合の症状
オイルが不足していたら潤滑が不足するのでエンジンが壊れそうなのは想像できますよね?(実際に壊れます)
でも、オイルを入れすぎても多いのなら大きな問題にはならないような気がしませんか?
オイル不足を気にする人は非常に多いですが、オイルが多すぎるのを気にする人はあまり居ないように感じます。
潤滑油なんだし多少多い方が良いだろうと考える人が多いからかもしれません。
残念ながらそんな事は無く、オイルを入れすぎると思いっきり悪影響が出ます。
症状1:エンジンかかかりにくくなる
典型的な症状がコレです。
かかりにくくなる理由はクランクシャフトがオイルに浸かって攪拌抵抗が増えるから……ではなく、オイルが増えた分だけエンジン内の空気容量が減ってしまい、ピストンの上下動で発生する圧力変化が大きくなるからです。
オイルに浸っている回転部品が増えるので回転抵抗増加も原因の一つですが、主因はエンジン内の空気容量減少。
ちょっとわかりにくいので理由を知っておく必要はありませんが、オイルを入れすぎると始動性が悪化する事は知っておいた方が良いです。

入れすぎるほど始動性悪化します。
症状2:エンジンの回り方が重い(回りにくくなる)
これも典型的な症状です。
理由は上と同じ。
ただ、普段からエンジンの回り方を気にしていない方は気付かないかもしれません。
ハイパワーな車体であればなおさら。

オイル交換後にエンジンの回り方が重ったるい感じになったら要注意。
症状3:アイドリングしない(あるいは不安定になる)
始動性が悪化すると同時にアイドリングもしにくくなります。
これも理由は同じ。
アイドリング回転数が下がったり、何度もエンストしたり、アイドリング回転数が上下したり……。
今にも止まりそうな、頼りない感触になります。

オイル交換後にアイドリングの感じが悪い方に変わったように感じたら要確認。
症状4:パワーダウンする
エンジンの回転が重くなっているという事は、せっかく発生したパワーを無駄にしているということ。
結果、エンジンがパワーダウンします。

高回転まで回す人ほどパワーダウンを実感しやすいはず。
症状5:エアクリーナーが汚れる、エアクリーナーBOXにオイルが溜まる
オイルが増えた分だけエンジン内の空気容量が減るのですが、そうなると空気部分に含まれるブローバイガスとオイルミスト(攪拌によってオイルが霧状になったもの)がブローバイホースを通ってエンジン外に出やすくなります。
すると、噴出したオイルがエアクリーナーボックスまで逆流してエアボックスにオイルが溜まってしまいます。
エアボックス内にオイルが溜まるだけでも良くないのですが、思いっきりエアクリーナーエレメントにオイルがかかってしまう事もあります。
エアクリーナーエレメントの吸入効率が悪化するのでパワーダウンに直結しますし、無駄にパワーダウンするので燃費も悪化します。

ブローバイホースからオイルミストが出てしまうのは多少であれば仕方ありませんが、オイル量が多いほどオイルの拭き返しが多くなる傾向になります。ひどい場合だと吹き返したオイルでエアクリーナーの濾紙がベットリ濡れてしまい、吸入効率が大幅に悪化してしまいます。
症状6(末期):白煙が出る、オイルが漏れる
猛烈にオイルを入れすぎると、最終的にはマフラーからオイルが燃えた匂いを伴って白煙が出るようになります。
増えすぎたオイルの圧力に耐えかねてオイルがピストンとシリンダーの隙間から燃焼室に入ってしまい、そのオイルが燃える事で白煙が出る仕組みです。
また、上昇したエンジン内圧の影響でオイルシールが吹き抜ける事もあります。
オイルシールが容易に抜けない構造だった場合はエンジンのヘッドカバーガスケットが吹き抜けます。
吹き抜けるまで行かない場合でも様々な部分に内側から圧力が加わるので、エンジン各部からとてもオイル漏れしやすくなります。

エアクリーナーボックスに繋がっているブローバイホース周辺からオイル漏れのような痕跡がある場合、オイル量が多すぎる可能性があります。

オイルを入れすぎる事でエンジン内の圧力が高まると、オイルシールが吹き抜ける事があります。

エンジン稼働中は常にエンジン内部から設計よりも大きな圧力が掛かる事になるので、様々な場所からオイル漏れしやすくなります。
最悪の場合
ものすごく入れすぎた場合、本当に最悪の状況ではエンジンが壊れます。
エンジンの内部は外気と通じていますが、その通路はとても細いので閉鎖空間と同じような状態です。
そこに大量のオイルが入ると空気の容量が減ってしまい、ピストン下降時の体積変化を吸収する余裕が無くなります。
本来であれば抵抗無く下降できるはずのピストンが想定外の下からの圧力に晒されるので、最悪割れます。
ピストン以外でもエンジン内部の圧力が高まるのでオイルシールが吹き飛んだり、ガスケットが吹き抜けたりします。
オイルシールもガスケットも吹き飛べばオイルが激しく漏れるので、後輪に掛かったりすれば転倒間違い無し。
垂れたオイルがエキパイ(排気管)に当たれば発火もします。
よくわからない場合はすぐにバイク屋さんに相談しましょう。

エンジン内部の圧力が高まってガスケットを吹き抜くと一気にオイルが漏れるので非常に危険。
どのくらいが入れすぎの許容範囲?
少し入れすぎてしまった気がするとか、規定量が3.9Lだけど面倒なので4.0L入れた……などがありがちな「入れすぎ」です。
大丈夫かどうかをネットで調べると、300ccなら大丈夫とか、500ccだとギリギリとか、1リットルだとヤバいとか、そういった内容の記事が出てきます。(主に4輪車関連ですが)
しかし、そもそも入れすぎに許容範囲など無く、入れすぎはダメです。
ましてや「量」でアウト/セーフを判断できるものではありません。
例えば小排気量車はもともと使用しているオイル量が少ないのでちょっと多めに入れただけでも影響が大きいですし、逆に大排気量エンジンでは使用量が多いので多少多く入れても影響しにくくなります。
しかしどちらにしても『どのくらいだったら多めに入れてもセーフ』などという基準など無いです。
入れすぎはダメ。
ただ、設計時に多少の誤差は見込んでいるはずなので、僅かでも入れすぎたら即エンジンブローという事は無いでしょう。
完全に私の憶測ですが、10%程度であればいきなりエンジンが壊れるような事は無く、猛烈に調子が悪くなるだけで済むのではないかと思います。
ただし、即アウトでなかったとしても入れすぎるとエンジンに良くないのは確実です。
面倒だからとか、ちょっとくらい大丈夫だろうとか、安全マージンを見込んで多少多めの方が良いのでは……なんて理由で「敢えて多めに入れる」のはダメです。

このエンジンでは1200ccが規定量、小排気量車やオフロード車ではオイル量が少なめになりがちなので、僅かな入れすぎでも影響大。
対処法
対処法は一つだけ!
入れすぎたオイルを抜く!、以上です!
でもどうやって抜けば良いのでしょう?
一番良いのはオイル交換し直す事ですが、交換したばかりのオイルを捨てるのはもったいないです。
ですので、オイルを入れた注入口からパイプやホースを入れて、ホースの先に注射器(シリンジ)を接続して吸い出すようにします。
スポイトで吸うという方法もありますが、スポイトでは容量が少なすぎするので、本当に細かい調整以外では時間が掛かってしまいます。
また、細くて長いスポイトはガラス製な事が多く、抜いている作業中にエンジン内で折れたら破片を洗い出すためにエンジン分解しなければならなくなります、オススメできません。
そこで!私がオススメしたいのはフォークオイルの油面調整ツールを活用する方法です。
特にオイルフィラーキャップにオイルレベルゲージが付いている車種は、つまりその位置までパイプが差し込めるという事になるので、そのままツールのパイプを差し込んでオイルを抜けばOK!
オイル窓で点検するタイプの場合はエンジン内に真っすぐパイプを差し込めない事が多いのですが、パイプの先にチューブを接続し、チューブをエンジン内に差し込むとエンジンオイルの抜き取りが可能です。
野蛮な方法に見えるかもしれませんが4輪車では一般的なオイル交換方法の一つであり(上抜きと呼ばれる方法で、ドレンボルトを緩めないで済むのが特徴です)、特に心配は要りません。
もともとオイルを吸い出すツールなので耐油性も大丈夫です。
本来の使い方であるフォークオイルの油面調整も出来るようになるので、購入しておくのをオススメします。
ツールを使わない方法ではドレンボルトを少し緩めてオイルを少しづつ抜き、規定量まで下がった時点でドレンボルトを締め直すという方法もありますが、正直このやり方はオススメできません。
理由はドレンボルトのガスケットを再利用する事になるからです。
昔ながらの銅ワッシャーやアルミワッシャーであれば何とか再利用可能な事もありますが(本当はよくないです)、中空のパイプが潰れるように変形してシールしている高性能ワッシャーは再利用は厳禁ですし、シール面に特殊コーティングが施されているような高性能ワッシャーも再利用はできません。
ドレンボルトからのオイル漏れはリヤタイヤにかかって転倒に直結するので、やはり私は注入口から抜くことをオススメします。
なお、フォークの油面調整ツールすら使わず、エンジン内に突っ込んだチューブを口に咥えて自分自身で吸うという漢らしい方法もありますが、少しタイミングを誤ると口の中がエンジンオイルまみれになるので(健康にも良くない)、本物の漢であると自負している方以外は止めた方が良いです。
経験済みなので言いますが、エンジンオイルを口の中に含んでしまうとその日はあらゆる気力がゼロになります。

オイル注入口からホースなどを入れて、注射器(シリンジ)で吸い出すのが最も簡単で確実です。フロントフォークの油面調整ツールは入れすぎたオイルを少し抜くのに最適なのでオススメ。
熱ダレ対策として敢えて多めに入れる?!
夏の熱い時期などにエンジンの熱ダレ対策として『敢えてオイル量をアップする』という話を聞いた事があります。
オイルの容量を増やして熱くなりにくくするのと、熱くなってオイルが劣化した際の影響を分散するのが狙いとの事でした。
たしかにオイル量を増やせばそういった効果も多少はあるでしょう。
しかし、その効果を遥かに上回る悪影響があります。
少し多めに入れるとエンジンに優しそうなイメージを持っている方は、その考えを捨て去ってください。
ホントに何も良い事は無いです。

入れすぎる事で得られるメリットは全くありません。熱ダレ対策や急加減速時のオイル偏り対策など、何らかの理由でオイル量を増やしたい場合でも上限ギリギリまでで留めておきましょう。
いつの間にか増えていたら要注意!
オイル交換時には適正だったのに、少し前に確認した時は適正だったのに、ある日確認したらオイル量が増えている事があります。
オイルは僅かづつ燃焼室内にも入ってしまうので、少しづつ減る事があるのは正常です。
しかし増えるとはどういう事??
実はこれは非常に良くない兆候で、エンジン内にオイル以外の液体が混入している事を意味しています。
結露程度ではオイル量が増えるには至らないので、かなり明確に何らかの液体が混じっています。
増えたオイルが白濁していたり乳化している場合は水分が混入しているので、冷却水が混入している可能性が非常に高いです。
自然治癒はしないので、混入の原因を特定して修理しないと間もなくエンジンブローします。
白濁していない場合はガソリンが混入している可能性が高くなります。
どこかから漏れたガソリンがクランクケース内に溜まっているので、これも修理しないとエンジン破損目前です。
最近はインジェクションが主流なのでガソリン混入のトラブルは減りましたが、キャブレター車ではオーバーフローしたガソリンが燃焼室を経由してエンジン内に溜まってしまうトラブルは「よくあるトラブル」でした。
今でもキャブレター車に乗っている方は、オイル量が増えていないかを走行毎に確認するのをオススメします。

オイルフィラーキャップの内側が結露していたら要注意。多少の水分混入は正常なのでしばらく乗っていれば蒸発しますが、オイル量が増えるほどだと冷却水混入の可能性大。オイルが乳化している場合は何らかの問題を抱えている証拠です。
おすすめのオイル量
オイルが少なすぎればエンジンが壊れるのは容易に想像できますが、入れすぎてオイル量が多すぎても様々な問題が発生するのがおわかりいただけたと思います。
では最適なオイル量はどのレベルなのでしょう?
一番おすすめなのは『中間』です。
中間なら何らかの原因で気付かないうちに多少オイルが減っていてもエンジンが壊れないで済む確率が上がりますし、何かのトラブルでオイル量が増す事になってもいきなり噴出しないで済みます。
増えても減ってもエンジントラブルなのですぐに修理しなければなりませんが、僅かでも安全マージンが確保できる中間位置に合わせるのは最も得策だと思います。
走行毎に必ずチェックするレース用途という条件付きであれば、『下限ギリギリ』もおすすめです。
ウソみたいな話ですが、オイル量を減らすとクランクケース内(エンジン内)の空気ボリュームが増えるのでエンジンが軽く回るようになります。
ただし、急加速や急減速でオイルが偏るとオイルポンプがエアを噛んでしまう事もあるので(エンジンブローに直結します)、油圧管理がしっかり出来ているのも条件です。
古い空冷エンジンなどでオイル消費が激しい場合は『中間より少し上』あたりもオススメです。
特に夏場のロングツーリングなど、途中でオイルが減りすぎるのは致命的なので、多少減っても大丈夫なようにしておくのは精神衛生上も好ましいでしょう。
ただ、上限いっぱいまで入れておかないと途中で下限を割り込むほどオイルが減るのはいかに古い空冷と言えども減り過ぎなので、オイル量云々の前にエンジンオーバーホールしましょう。
いずれにしても、上限ラインを超えるのと、下限ラインを下回るのは厳禁です!

このくらいの位置に合わせるのが一番おすすめです。
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結局のところ、どうすれば適正量を計ることができるんですか
書いてあるやん
サイフォンの原理でガソリン入れ替えやったことありますけど口の中に食べ物以外の物が入るとマジでゲッソリしますね…