長年に渡る脱着の繰り返しで、プラスチック部品は、多かれ少なかれ疲労劣化を起こしていることが多い。例えば、サイドカバーの脱着時に、固定部付近が割れてしまったとか「クラックが入ってしまい残念……」といったお話はよく聞くことができる。ここでは、そんな樹脂部品の補修再生時に威力を発揮するプラスチックリペアキットに注目。亀裂部分を再生してみよう。

自動車の樹脂バンパー修理でも使われる

割れてしまった樹脂部品は「金属の骨!?」を埋め込み強度アップ補修!!

割れてしまった樹脂部品は「金属の骨!?」を埋め込み強度アップ補修!!

工具ショップのストレートで取り扱っているプラスチックリペアキット。自動車鈑金修理の世界では、樹脂バンパーの亀裂修理などで以前から使われ定評のある修理機器。その技術をバイク用樹脂部品やカウルなどの外装パーツ修理用に応用している。形状が異なる溶着埋め込みピンがあり、アイデアと応用次第で様々な使い方ができる。ピンの足部分を曲げて角度を変更することで、狭い隙間での作業時にも対応できる。このような修理機器があることも知っておきたい。

取材協力:ストレート

欠落紛失前に要修理がポイント

割れてしまった樹脂部品は「金属の骨!?」を埋め込み強度アップ補修!!

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サイドカバーの固定凸突起部分の補修はもちろん、クラックが入ってしまった薄い部分の補修にも優れている。接着剤補修以上の強度を期待できるのが大きな特徴だ。コテ本体の先端には2本の円筒端子がある。そこに溶着ピンを差し込んでスイッチオン。時間を待たずして、即溶着作業に入れるスピーディーな工具でもある。患部に軽く押し付けながらスイッチを押す。ものの数秒で熱くなった溶着ピンが樹脂部品に溶け込んでいく。押し付け過ぎず、板厚の半分程度で止めれば、外観的にも目立たなく補修できる。

欠落紛失しなければ何とかなる!?

割れてしまった樹脂部品は「金属の骨!?」を埋め込み強度アップ補修!!

旧型スーパーカプのライトケースマウントが完全に欠落していた。欠落部品を紛失しなかったのはラッキーとしか言いようがない。チカラが加わるマウント部分の接着修理は、一般的な接着剤や充填剤ではなく、補強用の「骨」を埋め込むプラスチックリペアを利用することで強度回復。その威力を知ることができる。

仕上げ方次第で患部は目立たなくなる

割れてしまった樹脂部品は「金属の骨!?」を埋め込み強度アップ補修!!

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樹脂部品の修理「はじめの一歩」は、早速作業に取り掛かるのではなく、修理患部である接合面はもちろん、その周辺をしっかり洗浄することだ。汚れが酷いときにはシンナーやアセトンなどの溶剤を使うのが効果的だが、通常の脱脂洗浄なら家庭用洗剤や中性洗剤の利用で良い。修理患部の仕上がりをイメージして溶着埋め込みピンをチョイスして、機器へセット。欠損部分をセットして固定し、ピンを押し当てながら機器のスイッチをON。するとピンが熱せられて樹脂に溶け込んでいく。後々わかったが、埋め込み直後の樹脂が柔らかいときにピンを埋め込んだ押し込み部分を金属ヘラなどで押し付けることで患部を平たんに成形することができる。患部が冷えたらピンの不要部をニッパでカットして、さらにベルトサンダーなどでピンのトゲ部分を研磨すれば見た目をさらに良く仕上げることができる。

POINT

  • ポイント1・接着剤や充填剤だけよりも確実に強度アップできるリペア方法 
  • ポイント2・ 作業前には結合部分を脱脂洗浄しよう
  • ポイント3・ 仕上げ方次第で見た目も美しく平滑にできる

バイクには樹脂部品が各所に使われているが、走行中の振動や紫外線によるオゾンクラック、単純な劣化などによって多かれ少なかれ、ダメージを受けている部品は多い。大型車の場合は、脱着する機会が多いサイドカバー周辺などでこの症状が現れやすい。樹脂部品をオーバートルク=締め付けトルク過多で固定てしまうのも、大きな原因のひとつで良くないことだ。ゴムグロメットに押し込み固定するサイドカバーなどでは、グロメットの劣化でゴムに弾力性が無くなり(最悪でプラスチック化してしまう)、なかなか抜けないのにチカラ一杯引っ張り、次の瞬間には「バリッ!!」となってしまうことが多い。樹脂部品に単純なヒビ割れが入ってしまっただけでも残念なのに、グロメットに刺さる「突起部が折れてしった……」となっては最悪だ。

残念なことに、ここで修理実践したサイドカバーにも固定ピンがあり、このような凸ピンの根元が割れやすいことで知られている。例にもれずこのサイドカバー固定ピンの近所にも亀裂が入り、このまま使い続けると、おそらく部品は知らないうちに欠落するのではないかと思われた。そこでストレート製の「プラスチックリペアキット」を利用し補修したが、割れた部分は完全に結合され、強度的には割れていないサイドカバーに勝るとも劣らないレベルに復活させることができた。

ボルトでマウント固定する樹脂部品も、長年の利用でマウント座周辺が割れてしまうことがある。樹脂素材の劣化で割れてしまうのは明らかだが、走行振動による影響が大きいことも知っておこう。状況によっては、ゴム板やゴムワッシャーなどのダンパー部品を締め付け部分に挟み込んでも良い。今回は、欠落部品を紛失しなかったので、このような患部補修が可能になった。

もはや旧車絶オーナーにとって「樹脂パーツの再生」は鬼門でとも呼ぶことができる。このようなリペアキットがあれば、様々な樹脂パーツを補修再生することができる。機会がある時にはこのような修理機器があることを思い出していただければと思う。

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