
輝いていることで、バイクの美しさは際立つもの。また、輝いていることで、バイクに対するオーナーの愛情も感じられる。そんな輝く部品のひとつに各種ボルト類がある。バイクの組み立て時や部品同士の締結に必要不可欠なのが各種ボルト類だが、数の多さでユニクロメッキのボルト&ナットや部品は、ある意味、目立つ部品ということができる。ここでは、輝きを失ったユニクロメッキ部品の「再ユニクロメッキ」にチャレンジした実例をご覧いただこう。インターネット検索で再メッキ業者は探すことができる。
使われている数が一番多い部品
バイクの部品に数多く採用されている表面処理に各種メッキがあるが、ここでは、一般的なボルトやナットへの採用例が多いユニクロメッキに注目しよう。メッキの施工前には、必ず酸洗いでボルトや部品表面のサビ落とし段取りが行われるが、依頼者ユーザー自身がワイヤーバフなどで磨き込みを行うことで、その仕上がりは間違いなく、ひとクラスもふたクラスも上になる。サビたままでは輝きを取り戻すことはできない。メッキ業者さんによっても異なるため、依頼前には確認しなくてはいけないが、再ユニクロメッキを依頼する前には、部品の油汚れやドロ汚れの洗浄はもちろん、表面をサクッと磨くくらいの段取りは行いたい。
段取り磨き次第で「輝き」が様変わり!!
このリポートは、DIY好きのディープなサンメカ向けであることをご理解ください。サビ部品を洗浄脱脂しただけで、サビたままで作業依頼すると、このような美しい輝き&や仕上がりには決してならない。ひと手間かけて、ある程度磨き込むことで、その仕上がりには大きな違いが出る。ボール盤に軸付のワイヤーブラシをチャッキングして、回転するブラシにボルトを押し付けてことで表面の汚れやサビを磨くことができる。金属地肌が出る程度まで磨きたい。磨き作業時には安全メガネやグローブなどの保護具は必ず着用しよう。ベンチタイプの双頭グラインダーにワイヤーバフを取り付けると作業効率が圧倒的に良くなる。ユニクロメッキを取り扱う業者によっても異なるが、白メッキのユニクロ以外に黒クロメート処理や黄色クロメート処理を行なっている業者もある。分解したスポークニップルをワイヤーバフで磨き、黄色クロメート処理を施したのが右側だ。小さな部品は磨き時にふっ飛ばして危険なので、スポークにセットして磨くと作業性が良い。作業時には保護具を必ず着用しよう!!
アクスルシャフトはテーピング保護
アクスルシャフトのようにベアリングに直接触れるシャフト類は、シャフト部分にビニールテープをしっかり巻き付け(3周巻いた)、メッキが載らないようにしっかり配慮しよう。金属地肌の露出部分にメッキが載ってしまうと、外径が太ってしまいベアリングに差し込めなくなってしまうのだ。
目立つ部品こそ再ユニクロでピカッ!!
ドライブチェーンアジャスターやテンション調整ボルトは、意外と目立つ部品なので、再メッキによって美しさが際立つ結果を得られる。ディスクローター締め付けボルトなどの場合は、ネジ山に塗布されたネジロック剤が付着残留していることが多いため、磨き時には必ず除去しよう。そんな場面でもワイヤーバフや回転ブラシは使い勝手が良い。
- ポイント1・汚れ取り洗浄後にワイヤーバフでサビ取り磨き
- ポイント2・精密シャフトなどはビニールテープでマスキング
- ポイント3・インターネット検索でメッキ業者は探すことができる。
部品同士を締め付け固定するボルトが薄汚れていたり、サビで艶が無くなっているのは残念なもの。各種ボルトやナット、ブラケット類などで、想像以上に数多く使われているのがユニクロメッキ部品である。鏡のような映り込みで仕上がるクロームメッキ処理とは異なり、金属地肌のままだとサビが発生してしまうボルトやネジやブラケット類の防錆を目的に施されるのがユニクロメッキ処理だ。
厳密には、亜鉛メッキ処理されたものに着色するのが有色系クロメート処理で、これを総称してユニクロメッキ処理と呼んでいる。実は、亜鉛メッキ表面のままでは様々な要因によって変色反応が起こりやすい。つまり耐食性に劣るのだ。そこで、亜鉛メッキ処理後の追加処理として「有色クロメート処理」が行なわれているのだ。旧車の部品に多い、やや青味がかった銀色光沢の仕上がりになるのが一般的にユニクロ(白色)仕上げと呼ばれる。80年代初頭のモデルに多い黒色の艶ありボルトは黒色クロメートと呼ばれ、ヤマハ車に多いオリーブ色のボルトは、緑色クロメートとも呼ばれている。電装部品のブラケットなどに採用例が多い黄色い仕上がりは、黄色クロメート処理と呼ばれている。
鏡のように輝く装飾系のクロームメッキ処理と同様に、ユニクロメッキも再処理によって輝きを取り戻すことができる。90年代以前は業者数が多かったが、近年は廃業される例が数多く、再ユニクロメッキのハードルも年毎に高くなっているのが現状のようだ。それでもインターネットの普及によって、我々サンメカのような少量依頼でも、請け負ってくださる業者さんもあるもあるので、プライベートでレストアを楽しむ我々サンメカは、今後もお気に入りの仕上がりを積極的に追求していこう。
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