Webike Plus読者から力作カスタムの写真とレポートが送られてきた。red_oneさんの手がけた2004年型VFR(RC46)は、V4好きならたまらない、往年のRC30カラーにペイント。ここではその制作記やこだわりポイントをご本人にレポートしてもらおう!

なぜRC46後期型なのか?

初めましてred_oneです。自分は学生のころから不人気な車をDIYカスタムして楽しんで来たのですが、バイクのカスタムはほぼ初心者です。ですので、今回ご紹介する作業も半分は自分の整備/カスタムのスキルアップのためにやっておりますので、いろいろと至らないところは温かい目で見ていただけますとありがたいです。

まず、なぜHONDA VFR800 RC46後期型をVFR750 RC30カラーにしたのか?ということなのですが、そもそもの前提として自分はプロの世界ではありえない以下のコンセプトを重視しています。

1)世間の評判やスペックより自分の好きを優先
2)元がしっかりとした車体なら、現状車の見た目や治せる不具合は気にしない
3)作業すること自体を楽しむので時間をコストだと思わない

RC30、車名はVFR750R

この3つのポイントを考えた結果、
・伝説のRC30の後継車でV4 VTEC搭載車なのに安価
・FIなのでキャブの調整が不要で維持管理が楽(だろう…)
・廃番部品が(今のところ)少ない
・個性的なデザインは自分なりに変えられる(だろう…)

という理由でナンバー付きのRC46後期型を、ネットオークションを通じて市価の半値程度で入手しました。

購入直後のRC46

現状渡しの車両なので、結果的にはスロットルをオフした際にエンジンが止まるという問題があったのですが、RC46ではよくある不具合らしく、ステーターコイルとレギュレータを交換することで治りました。走行距離は8万キロ越えでしたが、メンテナンスはされていたらしく、機関部分は好調。一応整備マニュアルを入手、消耗品等は純正部品や互換部品を取り寄せてリフレッシュし、各部を洗浄。ユーザー車検を通して乗れる状態にしてからカスタムに入りました。

高圧洗浄中

リア周り整備中

DIYで手軽に全塗装

もとは銀色の外装にラッカー系塗料の艶消し白を電動スプレーガンを使って直接塗っています。プライマーもサフェイサーも塗装後のクリアも吹いていません。このほうが作業工程が短くて済みますし塗料の価格も安価だからです。ラッカー系の場合、塗り重ねの問題もなく、後日気軽に塗り替えられます。ラッカー系は臭いもあり、ぶつけたら簡単に剥げますし、耐候性も低いのでプロでは使わない塗料だと思うのですが、自分の車で何回か試していてDIYレベルでは問題ない…と思っていたので迷わず選択しました。あくまで個人の感覚ですので、気になる方は最後に2液ウレタン缶スプレーのクリアを吹いて研ぐとよいかもしれません。ちなみに、剥げにくくするコツは下地の足付けを荒めにして複数回に分けて塗装し、塗膜を厚くすることです。艶消しなので多少の凹凸のアラはわからなくなります。

車の塗装

電動スプレーガン環境

電動スプレーガンはコンプレッサーがなくても任意の塗料のスプレーが可能で、広い面積を厚めの被膜で塗ることに向いたツールなので、車やバイクのカウルを塗る際には結構使えます。難点は塗料の粒度の調整が難しいことと、塗りたいもの以外にも塗料が飛びやすい(=塗料の消費が激しい)ことです。駐車場などでも作業できますが周辺の養生はしっかりしたほうが良いです(ツールの素材の関係で2液ウレタン系塗料を使うと洗浄ができなくなります)。

白塗装中

白をしっかりと塗った後は、赤、藤色、紺色、金ストライプを重ねることになります。自分はRC30の全色をラッカー系塗料でラインアップしている塗料メーカーさんを見つけられずタカラ塗料さんに調色を依頼しました。そのため色見本が必要となりましたのでRC30が展示されているお店にお邪魔して、御了解のもと様々な色サンプルを並べて選びました。あくまで自分の感覚で一番近いと感じたトーヨーケムの屋外用フィルム、ダイナカル DCシリーズ DC4028ファイヤーレッド/DC7078レントブルー/DC7156M スイートブルーを見本として提出することにしました。とはいえ3色すべてを調色すると値段が結構高くなってしまうため、カウルの凹凸、曲面が少ないところに配色される紺色はそのままフィルムを貼ることにしました。バイクのサイズだとフィルム加工はとても安く済みます。金色のストライプはマットゴールドの152cm幅のフィルムを30cmだけ買って8mm毎にカットして使っています。

店頭でカラー確認

カラーサンプル

調色済ペイント

赤塗装中

藤色塗装中

紺色貼り込み中

カウルではありませんが外部から見えるクラッチケース、クランクケース、ハンドルのトップブリッジ(黒)フロント側のエンジンヘッド(赤)は、一旦外して傷などを補修、研磨したのち、結晶塗料(ちぢみ塗料)を使用して塗装、クール宅急便の段ボールとヒートガンを使って80度で焼き付けています。この塗料は脱脂をしっかりしないと弾いてしまうので注意が必要です。

クランクケース塗装中

ヘッド塗装中

こだわりのポイント

色の切り替えのラインと比率をオリジナルにできるだけ近づけています。RC30の側面画像にRC46(実車)の透けた側面画像をPCの画像編集ツール上で重ね、似たような比率、角度になるような線を引き画像を保存、その画像を見ながら実車にテープを貼って切り替えラインを決定しました。

カラーリングシミュレーション

また、顔があまりにも個性的なので、ハイビームをフェンダーに移設(カット付きLEDプロジェクター化)して自分好みのデザインに変更しています。フェイスパネルをカットした発砲塩ビ(アクリサンデー社のフォーレックス)をヒートガンで曲面加工したのちカウル類と一緒に塗装、両面テープで貼り付け。ウインドシールドの一部に白いフィルム、ヘッドライト周辺にも黒いカーボン柄フィルムを貼ってデザインを調整しています。

フロントカウル加工中

因みにタンクの黄色いウイングのステッカーはRC30時代のデザインのもの、タンクパッドはCB1100用のもの(いずれも純正品)です。

タンクステッカー

ツアラーをSSっぽく見せる

入手段階で走行距離8万キロ越えの車体なので、これまでの整備状態にかかわらず、ほとんどの消耗品とブッシュ類を交換、点検整備しています。そのうえで一部の部品を社外品に交換したり、電装系の装備を追加したポイントをご紹介します。RC46はそもそもがツーリング向きの車体で、自分が購入した車体もバーハンドル化されていました。ほかにもRC30カラーにするとちぐはぐな見た目になるかな?というところを中心に社外品部品に交換しています。

・ハンドル:社外セパレートハンドル、ゲル入りグリップ、ウェイト付グリップエンド
・レバー類:Fブレーキ、クラッチともにRCB製 鍛造ラジアルマスター化
・ステップ:FXCNCレーシング CBR929RR用バックステップを加工装着
・シート:PVCにて表皮張替え、純正シングルシートカウル(カウルと同色に塗装)装着
・クーラントホース:ノーブランド RC46用シリコンホース 赤

ブレーキレバーからシート

重心を下げる

RC46はV型エンジンの上に大容量ガソリンタンク、アップマフラー、鉄製シートフレーム…等々の関係で重心が非常に高く、立ちゴケをしやすいことで有名です。大型初心者の自分でも扱えるよう重心を下げるため一部の部品を交換しました。
・リアサスローダウンキット:TECNIUM Lowering Kit Setting 9
・サイドスタンド:ノーブランド 長さ調節可能汎用サイドスタンド
・マフラー:DELKEVIC ステンレスマフラー、DAYTONA インナーバッフル装着
・フェンダーレスキット:YZF-R1 04-08用フェンダーレスキット取付基部加工

テール

電装品などを近代化

水温計、電圧計、スマホナビやシフトインジケーター、ドラレコを個別に取り付けていくとハンドル周りが煩雑になってしまうので、サイズを考えたプレートを作ってまとめて取り付け、すっきり見えるようしています。ほかにもETCやUSB電源等をシート下に設置している関係で追加機器用のアクセサリー電源はバッテリー直のリレー動作にしてあります。消費電力を下げる意味でもヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプ、ナンバープレート灯はすべてLED化しています。

ハンドル回り

終わりに

ここ数年で純正部品もWebike経由で入手できるようになり、YouTubeには様々な整備に関するノウハウ動画が存在していますので、整備マニュアルを入手して、しっかりポイントを押さえれば自己責任でバイクのフルレストアもできます。DIY好きの自分としても今後サンドブラスト、焼き付け塗装、溶接などといった加工をできるようにしていきたいのですが、逆に今回のような素人環境で、くたびれたバイクを目いっぱい楽しみながら可愛くしていく…というのもこれからのバイクライフのスタイルとしてありなんじゃないかな?と思っています。

フェイスカバーとフィルムでフロント周りのデザインを変更

カウル以外の部品も徹底的にリフレッシュ

ステンレスマフラーとフェンダーレス化でリア周りを軽量化

とある動画で聞いた「バイクは“自由”ですから…」という言葉を胸に、今後も安全第一でバイクライフを楽しんでいきたいと思います。

red_one

この記事にいいねする


コメント一覧
  1. v4hero より:

    スゴイですね!
    私もVFR(RC24)ですけど、自力でやっちゃうのがスゴイです!

コメントをもっと見る
コメントを残す

ホンダ VFR800の価格情報

ホンダ VFR800

ホンダ VFR800

新車 0

価格種別

中古車 1

本体

価格帯 ―万円

万円

諸費用

価格帯 ―万円

万円

本体価格

諸費用

本体

76万円

価格帯 76万円

諸費用

9.8万円

価格帯 9.8万円


乗り出し価格

価格帯 ―万円

万円

新車を探す

乗り出し価格


乗り出し価格

85.8万円

価格帯 85.8万円

中古車を探す

!価格は全国平均値(税込)です。

新車・中古車を探す