
タンク内部のサビも気になるが、バイクはやっぱり「見た目」が大切!!できるだけ美しくかつキレイでありたいものである。外装系のクロームメッキ部品は、サビやすいパーツの筆頭だが、ここではその保守法、輝きを長続きさせるテクニックを考えてみよう。
メッキの保護で輝きが持続!!
スプレー式のクロームメッキ保護サビ防止ケミカルとして登場し、高評価をえているのが、デイトナから発売されているその名もズバリ「クロームメッキ保護・サビ防止剤」だ。金属部品に施されたクロームメッキパーツの汚れやサビを落としてキレイに拭き上げた後に、このスプレーを全体に軽く吹き付ける。何もしないで放置したクロームメッキ部品(画像下左)とケミカル処理を施した部品(画像下右)の比較では、ひと目でその違いを判断できる仕上がりになった。
施工は簡単!!気つけて拭き上げるだけ
吹き付けたまま放置すると、防錆剤が乾燥して、白い膜を張ったようになる。長期間に渡ってバイクを保管するような際には、この状態のままでも良いようだ。通常の作業時は、薄っすらと吹き付けたら、きれいなマイクロファイバーウエスなどでしっかり全体を磨き上げる。防錆剤の効果によって、クロームメッキの輝きに深みが出る印象になった。
ピンポイント処理も可能なタイプ
サビ取り後の金属パーツ表面は再びサビやすい傾向にあるが、そんなパーツへの処理が有効なメタルコーティングワックス。耐熱効果があるケミカルだが、高温になるエキパイへは利用できない。マフラー本体の温度域なら使うことができる。耐熱温度は100℃となっている。マフラーなどの場合は、見える部分への施工以上に、錆び易いマフラー内側や下側への施工をお勧めしたい。
驚き!!「EZブラスト」のもの凄い実力!!
重曹由来のメディアをウエットブラストのように直接サビへ噴射することで、クロームメッキ部品の表面に発生した赤サビなら驚くほどキレイに除去してくれる。それがEZ(イージー)ブラストだ。画像は一般商品=スターターキットとは仕様が異なる、以前に限定発売されたEZブラストのPROシリーズ。この商品は赤系迷彩柄のタンクカバーを纏っているが、スターターキットはカバー無し仕様。リアショックスプリングのように、サビを磨き落としにくい部品でも、ご覧の通り素晴らしい仕上がりを得られる。このようなサビ取り処理後に、上記のようなケミカルを併用することで、輝きを長持ちさせることができる。
磨きにくい部品こそ様変わり
鋳鉄鋳物の部品にクロームメッキを施したエキパイフランジ。空冷エンジン時代は、このような部品デザインが数多くのモデルに採用されていた。ブラシで擦ってもなかなかキレイにならないが、EZブラストなら驚きの洗浄力だ。
- ポイント1・サビてからでは遅い!!輝いているうちに保護しよう
- ポイント2・通常のワックス掛けとは違うメッキの保護
- ポイント3・クロームメッキのサビ除去、最強手段はEZブラスト
ピカピカに輝くクロームメッキ面には、肉眼では見えない微細な孔があり、その孔に水分が浸透してサビを発生してしまう。これがまさにサビ発生のメカニズムである。クロームメッキの輝きを保護ケミカルは、この微細な孔を封じる=封孔するのが特徴で、長期に渡って防錆効果を発揮するのが特徴となっている。一般的には、洗車後に外装パーツと一緒にワックス掛けすることが多かったクロームメッキパーツだが、ワックスやコーティング以上に高い防錆効果を発揮するのが専用ケミカルだ。塗装面や樹脂メッキ(真空蒸着メッキ)には適さず、逆に悪影響を及ぼすケースもあるので、使う箇所は金属パーツのクロームメッキに限定するのが良い。デイトナから発売されているスプレー式は、その使い勝手の良さが特筆ものだ。
サビを除去した後の金属表面は、再びサビやすい特徴がある。そんな金属むき出し部品に塗布することで、表面に酸素を遮断し、特殊皮膜を作り出すことで防錆効果を高めるのが、手塗りタイプのメタルコーティングワックスだ。鉄、ステンレス、アルミなどなど、あらゆる金属面に有効なのも頼もしい。薄く延ばして塗布した後の「拭き取りがいらない」のが商品のウリでもあるが、乾燥後に乾いたウエスで軽く慣らし磨きすると、塗ったままよりも見た目が落ち着く。ムラ状に塗布するとシミになる可能性もあるため、目立つクロームメッキの面は塗布後にしっかり拭き取りを行おう。ウエスに少量染み込ませ、洗車後のスポーク&鉄リムなどに塗布することで、後々錆び難くなるため、旧車には使い勝手が良いケミカルでもある。塗り過ぎたときには、パーツクリーナーや脱脂洗浄剤で除去することができる。
クロームメッキ部品のサビ処理や、ブラストメディアを部品に残したくないキャブレターの洗浄処理などでは、特に素晴らしい威力を発揮するのがEZブラストの特徴だ。一般家庭のおそうじ洗剤としても知られる重曹をベースにもつ「マジックパウダー」と呼ばれるブラストメディアは、高い洗浄能力を持ちながら、お湯に触れると溶けてガス化するという大きな特徴を持っている。分解したエンジンの燃焼室にこびり付いたカーボン汚れや、吸排気バルブの傘に堆積したカーボン汚れをEZブラストで直接洗浄し、好結果を得てきた実績もある。
砂やガラスなどの固形メディアは、施工後の部品表面にメディアが突き刺さって残留してしまうことがあるため、どんなにエアーブローしても、メディアを落としきることができない。その証拠に、超音波洗浄機を使って洗浄処理すると、驚くほどの量のメディアが、洗浄層の底に沈殿していることに気が付く。ところが、重曹由来のメディアなら、処理後の部品内に滞留したとしても、お湯を流したり、部品を鍋のお湯に浸すことで、メディアは溶けてガス化してしまうので安心だ。
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