チェーンアジャスターは左右均等に調整する

チェーンのたわみ量を調整する場合、リアタイヤのアクスルナットを緩めた状態でアジャスター(チェーンプーラー)を動かします。
スイングアーム内部にアジャスターを内蔵する写真のバイクの場合、アジャストナットを時計方向に回すとたわみ量が減少し、半時計方向に回すと増大します。
この調整機構を採用するモデルの中には、緩み防止を目的にナットを二段重ねにした「ダブルナット」を使用している物もあるので、その場合は2丁のスパナを使って、下のナットを押さえながら上のナットを緩めます。

▲アジャストナットを緩める時は、下のナットを固定した状態で、上のロックナットを先に緩めます。ナットを締める時はその逆で、下のナットを締めてから上のナットを締めます。ダブルナットによって、振動などによるアジャストナットの緩みを防止します。

▲二段重ねのダブルナットの上段、ロックナットを緩めて調整している状態。アジャストナットを1/4回転回すだけでも、チェーンのたわみ量は顕著に変化するので、一回で大きく回さないようにしましょう。
アクスルナットを緩めてあれば、アジャストナットの回転によってチェーンのたわみ量の増減を確認できるはずです。
この時、スイングアームの左右でアジャスターの調整量が同じになるように、目盛りの位置を合わせることが重要です。
目盛りにもさまざまな仕様がありますが、このバイクはスイングアームの長穴の後端と、アジャスター本体に刻まれた線の位置関係で判断するタイプです。
さて、センタースタンドやメンテナンススタンドを使わず、リアタイヤが接地した状態で、たわみ量を調整すると、たわみ量を増やしたいときにリアタイヤがスムーズに前に移動しないことがしばしばあります。
アジャスターの刻み線は左右で揃っているのに、アジャストナット部分ではグラグラする。
このように調整部分に遊びがある状態でアクスルナットを締めると、走行中にアクスルシャフトがズレてしまう可能性があるので、たわみ量を調整した後には、アジャストナットを緩まないように締めつけることが重要です。
・チェーンアジャスターの調整量は左右で目盛り位置を合わせる
・たわみ量を調整した後はアジャストナットが緩まないように締め付ける
軽く詰め物をして、アジャスター部分のガタを排除

チェーンアジャスターのナットを緩めた後に、アジャスター自体の位置を適正化するには、ドリブンスプロケットとチェーンの間にウエスやドライバーの軸をわざと食い込ませて、ゆっくりとタイヤを前進方向に回します。
後輪が浮いていなければ、バイク自体を、わずかに前進させてチェーンとスプロケットに食い込ませます。
食い込んだ時点でリアタイヤが回らなくなり、その反作用でアクスルシャフトが前進してアジャスターの遊びが取れるのです。
この時、左右のアジャスターは同時に前進するので、刻み線の位置が左右同一になっているかを、あらためて確認します。
この状態でチェーンのたわみ量を確認して、必要があれば再度調整を行います。
チェーンとスプロケットに手を近づける場合、チェーンに巻き込まれないよう細心の注意を払うことが大事です。
またアジャスターの遊びを取るだけにとどまらず、さらに大きな力でタイヤを回すと、チェーンやエンジンにダメージを与えるのでこの作業を行う際はくれぐれも用心して実施しましょう。
・リアスプロケットとチェーンの間にウェスなどを食い込ませて前進方向に回すとアジャスタの遊びが適正になる
・アジャスタの遊びを調整した後は、改めて位置が左右同一かチェック
・作業時はチェーンに手を巻き込まれないように細心の注意を払う
・大きな力でタイヤを回すと車両にダメージを与えるので丁寧に実施する
スムーズな走行とチェーンの寿命を延ばすためにドライブチェーンには適度なたわみが必要です。
たわみ量が多ければスイングアームやチェーンスライダーを傷つけ、少なければリアサスペンションの動きを阻害するなど、単純なようでいて奥が深いのがドライブチェーンのたわみ量調整です。
ただなんとなく、ではなく、たわみが必要な理由を理解することで、日常的なメンテナンスの重要性も理解できるはずです。
好調さを持続するためにも、自分でできるメンテナンスは自分でやってみましょう。
・チェーンの張り調整のコツは「適度なたわみ」
・チェーンアジャスターの調整量は左右で目盛り位置を合わせる
・作業時はチェーンに手を巻き込まれないように細心の注意を払う
・適度なチェーン張りで快適なバイクライフを!
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