決して抜群のコンディションではないが、製造年式を考えれば、程度が良い部類に入るカワサキ空冷Z。将来的には、ビシッと仕上げて走らせたいとは思うが、現状コンディションの把握と目先のメンテナンスは重要なので、ドライブ系コンディションを確認してみた。想像していた通り、カバーの裏側は真っ黒けだった。こんなときには分解ついでに部品洗浄を行い、間違いなく現状コンディションを知っておこう。

中古車仕上げの基本は外装&マフラー外し

現状中古車を購入した際には、まずは「磨き込み」を行い、不具合か所を洗い出したいものだ。油汚れの車体のままでは、決してキレイに見えないのと、その油汚れの下にトラブルが潜んでいる可能性もある。ぼくの場合は、外装関連パーツ、マフラーなどなど、大物部品を取り外して、クリーニングから始めることにしている。

カバー類の裏側は汚れ油脂で真っ黒





インナーフェンダーを取り外すことで、リア周りの油汚れやこびりついたドロを洗い流すことができる。このインナーフェンダーの奥も想像していた以上に汚れていたので取り外してしっかり洗浄。ドライブスプロケットカバーを取り外してみると、その内部は想像通りの油、油、油。ドライブチェーンルブを定期的に吹き付けていた証拠でもある!?こんな汚れは、同じ油汚れでも嬉しい部類である。汚れ落としのために、いきなりパーツクリーナーを吹き付けるのはNG!!まずは現状のまま、堆積している油汚れの塊をスクレパーなどでこそぎ取ろう。パーツクリーナーをいきなりブシューッとスプレーしても、大量の空き缶ゴミが出てしまうだけになります。スクレパーでこそぎ取った油汚れの塊は、古新聞などの上で落すのが一番良い。そのままゴミ処理することができる。このときにウエスを利用するのもNG!!ウエスの無駄使いになってしまうからだ。

効果絶大「灯油」の霧吹き



こんな油汚れ落としで威力を発揮するのが灯油だ。油汚れをスクレパーでこそぎ落としても、まだまだ油汚れが酷くパーツクリーナーを使う気分にはなれない。灯油をスプレーすることで、油分は簡単に分解することができるのだ。ハンドポンプに灯油入れてスプレーしながらブラシで擦って汚れを分解する。この作業時には、エンジンの下に古新聞を敷き詰めておくのが良い。灯油で油汚れを分解したら、いよいよパーツクリーナーの出番になる。サーッと吹き付けるだけでこの通り。

灯油容器で油汚れをサッパリ洗浄!!



灯油スプレーで大半の分解洗浄ができるので、パーツクリーナーの消費量はごく僅か。ドライブチェーンケースの裏側にこびりついた油汚れ(チェーングリス汚れ)も、まずはスクレパーでこそぎ落してから灯油洗浄するのがベスト。ドライブスプロケットカバーなどは、灯油を入れたコンテナ(漬物用コンテナが使いやすい。サイズも豊富)に部品を浸して、ブラシでゴシゴシ洗浄しよう。中古車仕上げは汚れ落としとの闘いでもある。

要所にグリスアップ実践

灯油コンテナに浸してしつこい油汚れを分解洗浄したら、パーツクリーナースプレーでしっかり仕上げ洗浄&脱脂を行う。クラッチレリーズも汚れをしっかり落としたら、高性能グリスを塗布して作動性を確保しよう。

POINT

  • ポイント1・走りを楽しむのはバイク好き、サンメカならまずはいじりから始めよう!!
  • ポイント2・汚れの下にトラブル原因が潜んでいる
  • ポイント3・汚れの原因が何なのかを突き止めよう!!

旧車ファンの多くは現実的に中古車購入になってしまうが、購入直後に徹底した洗車&洗浄を実践することで、購入当時以上にバイクはグーンと美しくなる。ぼくの場合、ナンバー登録すると決めた車両に関しては、ほぼ「丸裸」にして、各パートで洗浄&磨き込み&ワックス掛けを行ない、そんな作業の完了後に組み立て復元している。

こうすることで、例えばヤレ感を残したまま、キレイなバイクに仕上げることができる。また、バラしたときに気が付いた各部をメンテナンスすることで、組みあがったバイクを気持ち良く走らせることもできるようになる。小型バイクなら、最初からエンジンを降ろして、灯油でエンジン丸ごと洗浄となるのだが、さすがにミドルクラス以上になると、全バラにするのが大変だ。そんなときには、可能な限り外装パーツを取り外し、各パートの汚れ取り、洗浄&磨き込みを行うようにしている。

このように各パートで部品をバラし、確認&洗浄すことで、例えば、サイドカバーのグロメットが弱っているとか、ダンパーラバーがツブレ切って機能していないなどなど、バイク各部の詳細をより深く理解できるようになるのだ。バイクを押し歩きできる範囲で車体関連部品をできる限り取り外すことで、磨き実践を効率良く行えるようになるのだ。

この記事にいいねする

今回紹介した製品はこちら

コメントを残す

今回紹介したブランドはこちら