
70年代に登場したヤマハレジャーバイク3兄弟の末弟的な存在がヤマハボビィ。その80cc原2モデルを「ポチッ」と購入したことで、ヤマハレジャーバイクいじりを楽しむことになりました。あまりにもチカラ不足でノンパワフル!?トルク不足も気になる……。そこで、少しでも楽しい走りができないものか!?と、自作&流用「エキスパンションチャンバー」作りにチャレンジしてみた。
目次
リサイクルショップから出品され落札


走行距離は2万4000キロ強。ほぼ実走行のようだ。メンテナンス後は始動性といい、吹け上がりといい、悪い雰囲気はまったく無い。しかし、走らせると本当に遅い!!これはなんとかしたいものだ。ノーマルマフラーはハンディーバーナーでしっかり焼き、内部隔壁に詰まったカーボンは完全に焼き落してキレイになった。
ノーマルマフラーをいじっても変化なし


バッフルも抜いて内部に堆積していたカーボンは完全に焼き切った。冷えてからファイバースコープでマフラー内部を念のために確認してみたが、内部はきれいサッパリ。ディフューザーもしっかり焼き、気持ち良く吹けるのと排気音も乾いて良いのだが、とにかく走ると遅いバイク……。メーター読みで65km/hが限界だった。追い風で伏せても70km/hとちょっとしかスピードが出ない……。2スト旧車はバッフルを抜き取れる構造が多い。、直管だと大爆音で恥ずかしいほどだ。カーボンが詰まっているケースが多いので、2スト旧車のオーナーさんは、時々、カーボン除去(バーナー焼き)するのが良い。
市販のパッソル用チャンバーを流用


当然ながらボビー用スペシャルパーツなど皆無。そこで購入したのがパッソル用として販売されていたエキスパンションチャンバーだ。現代的アルミサイレンサー構造ではなく、ショットガンタイプの70年代風デザインが気に入って購入した。排気音はチャンバーらしいイイ音らしい。市販チャンバーのをエキパイ部分を切り取り、新たなエキパイとして、同一エンジンのボビィ50用純正パーツを利用することにした。
100V溶接機でも溶接一体化は可能



エキパイにはスペアパーツとして持っていたボビィ50用を使った。曲がりは同じ。しかし、80用の方が僅かに太いパイプを使っているようだ。このエキパイとパッソルチャンバーを合体させるのが今回のアイデアだ。市販のパッソルチャンバー用エキパイを溶接部分から切り落とし、ボビィ用エキパイの太さに合わせて差し込み部分をやや広げた。ムクの棒を万力に加えて固定し、鈑金ハンマーで叩けば簡単に広げることができる。太さ合わせを終えたら仮固定で点付け溶接して車体にセットしてイメージング。デザイン的にも悪くないのでスイングアームピボットから吊るブラケットを溶接。
ステー次第でチャピィにも取り付け可能


同僚の栗田が所有するチャピィに取り付けてみた。マフラーステーの穴位置、ブレーキペダルの干渉、すべて大丈夫なのようだ。このデザインなら、チャピィでもボビィでも、共用できそうな気がする。似合っていると思いませんか?このチャンバーを装着したことによってで「フルパワー化」できたとは思っていないが、ノーマルマフラーとの比較では高性能化に大成功!!ノーマルマフラーではメーター読みで70km/hに届かなかったが、チャンバー仕様にしたら、メーターフルスケールまで楽々振り切れるようになった!!プラグの焼け具合も大丈夫なようだ。
- ポイント1・マシンコンディションの向上はメンテナンスが基本
- ポイント2・2ストモデルはマフラー交換で走りが様変わり!!
- ポイント3・家庭用電源のAC100Vコンセントから広がる溶接の世界
車体を分解。パーツをバラバラにしてから磨き上げ、さらにワックス掛けを施した後に組み立て復元することで、薄汚かった中古車は、想像以上にキレイに仕上がった。購入時の薄汚さから様変わりした今は、かなりいい感じの印象。大切に乗り継がれてきたかのような2スト旧車に見えてしまう。
磨き仕上げが概ね完成したので、試運転に出掛けてみた。すると、そりゃもう遅い!!排気音は完全に湿っていて、マフラー内の排気通路が燃え残りのカーボンスラッジで詰まっている印象だった。取り外し可能なバッフルは、ハンディーバーナーで焼いてワイヤーブラシでゴシゴシ擦ってキレイにした。マフラー内部に堆積したカーボンスラッジは、外からガスバーナーでしっかり炙り、プラハンでマフラーを叩いて、振動を与えての繰り返し作業。数時間やったことで、マフラー内に堆積していたカーボンは、ほぼ除去することができた。 エンジン始動すると、排気音は明らかに乾いたものに変わっていた。しかし、パワフルさという言葉とはかけ離れた走りには、ほぼ変化は無かった。排気音は良くなったものの、エンジン性能には変化が現れなかったようだ。
そこで考えたのが「エキスパンションチャンバー」装着である。以前にカワサキAR80をチューニングして楽しんだ経験があったが、チャンバーの製作によって走りは冴えわたり、ビッグキャブの装着と相まって、驚くほどパワフルなエンジンに変貌した。このヤマハボビィで「2匹目のどじょう!?」を狙ってみることにした。
ネットオークションで購入したチャンバーは、70年代当時の改造車が好んだ「ショットガン」デザインのヤマハパッソル用。人気中古車のパッソルなら、現在でもチャンバーは入手しやすいようだ。その部品をベースに、ボビィ50の純正エキパイを溶接して、マフラーステーを取り付け、如何にもボビィ用のようなチャンバーを半自作。そのサウンドは、実に歯切れが良く、決して騒々しい印象ではない、個人的な印象ですが……。早速、試運転へ出掛けると、ポン付け状態でエンジンは良く回り、頭打ちの回転域が上昇。プラグの焼け方を見ると、こんがりキツネ色なので大丈夫と判断。気持ち良く全開走行している中でメーターを覗き込むと、フルスケールを完全に振り切った場所に針があった。「こりゃ速い!!」間違いなくパワーアップしていると確信したのでした。
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