完全固着していたキャブレターを分解洗浄しようとしても、分解することすらなかなか難しいのが現実。「釜茹で」作戦で何とか分割&バラバラに分解できた4連キャブレター。ここでは、カワサキ空冷Z用純正キャブレター を、さらにしっかり洗浄しようと思う。そんな様子をリポートしよう。

各気筒をセパレートにして洗浄スタート



ピストンバルブが上下に作動することを確認できたところで4連キャブレターをバラバラに分解。まずはスロットルリンクの同期を取るスロットルシャフトを引き抜き、キャブ本体と4連プレートを固定する皿ビス8本を抜き取ることで4連だったキャブレターがそれぞれ単独になる。ここまでバラせれば、単気筒キャブのメンテナンスと一緒だ。

ひどい固着は焦らずに分解しよう









ピストンバルブが上下に作動することを確認できても、スムーズに作動しないところはここでもヒートガンでボディを温めつつスロットルバルブを引き抜く。火傷には要注意だ。抜き取ったスロットルバルブの外周全体にネチョネチョ、ネバネバのタール状ワニスが付着していた。このネバネバが冷えると再び接着剤の役割を果し固着してしまうようだ。ジェットニードルの針にもネバネバが付着していたので、組み合わせ相手になるニードルジェットの内側もワニスでネチョネチョになっているはず。完全分解することによって完全洗浄が可能になるわけだ。バイスターター機能のプランジャも固着していて抜けないことが多い。ここも無理に引っこ抜かず、ボディ周辺をヒートガンで温めてから抜き取る。プランジャコンディションも重要だ。ボディから抜き取ったスロットルバルブは、内側に締め付けられている2本のプラスビスを抜き取ることで、リンクとバルブがセパレートになる。慌てずに作業を進めていこう。

各気筒の管理&分解で洗浄開始



分解した各気筒のキャブレターパーツは、ひとつの容器でごちゃ混ぜに保管すると組み立て時の復元作業が難しくなってしまう。気筒毎に分けて管理するのがベストである。この後、各気筒を把握しながら洗浄を行なえばベストなのだが。

「茶こしネット」が使える!!







部品の洗浄作業は気筒毎に分けて行なえればベストだが、今回は混ぜてしまった。各気筒の小物パーツをセパレートで洗浄したいときには、ステンレス製の丸型茶こしネットの利用が間違いなく便利だ。このネットに入れてクリーニングすれば、小さなパーツも気筒毎に管理できる。キャブクリーンケミカルに浸してパーツ洗浄する際に、想像以上に便利なのがフタ付きタッパーだ。台所用品はキャブメンテ時に便利なものが多い。ヤマルーブのスーパーキャブレタークリーナー【原液タイプ】を利用する際には、3時間前後を浸す時間の目安にしよう。浸し過ぎはパーツにダメージを与えてしまう。フロートチャンバーの底周辺にはネチョネチョのワニス&タールが堆積していたが、実に美しく洗浄することができた。汚れが残っていると、それが呼び水になり、汚れ進行が早くなってしまうのだ。

「燃調キット」は心強い味方!!




旧車の純正キャブレターやCRスペシャル/FCRなどのケーヒン製スペシャルキャブのオーバーホール時に頼りになるのがキースター製燃調キットである。例えば、長年に渡る稼働によって、圧縮圧力が低下したエンジンコンディションなどに合わせたキャブセッティングも可能になる。それが燃調キットの特徴だ。何よりも嬉しいのが、各種ガスケットやOリングなどが同梱されている点だろう。

POINT

  • ポイント1・作業進行時の心得は「焦らず」「無理せず」に徹しよう 
  • ポイント2・分解パーツが気筒間で混ざらないように管理しよう
  • ポイント3・様々な容器をアイデア的に使いこなそう!!

放置期間数十年で固着が激しかった4連キャブレターは、不要になった寸胴鍋を使った丸洗い=釜茹でによって、メンテナンスしやすいコンディションへと「段取り」することができた。洗浄液を混ぜたお湯での丸洗いしたことで、その後の分解作業はたいへん容易になった。放置されていたキャブは、各種締め付けボルトやビスの頭をナメやすいもの。しかし、洗浄直後のキャブはボディが温かく、ボルト溝の奥まで洗浄液が染み込むため、極めてスムーズにボルトを緩めることもできた。バラバラになった部品は、気筒毎にパーツ管理し、洗浄時も気筒毎に作業するのがベストである。作業時は容器の数が足りなかったので、残念ながら一緒の容器で洗浄することになった。

本格洗浄で利用したケミカルは、ヤマルーブのスーパーキャブレタークリーナー【原液タイプ】。メーカー推奨の希釈率で、フレッシュなガソリンを使って割ることで(フレッシュなガソリンを使うのが肝心!!)、期待以上の洗浄能力を発揮してくれるケミカル。なかなか分解できなかったスロットルバルブ外周は、タール状のワニスが想像以上にしつこく付着し、パーツが温まっているときにはネバネバ状態なのに、パーツが冷えるとカチカチに固着する接着剤のようでもあった。

単品部品になったスロットルバルブやニードルは、このキャブクリーナーを使うことによって、キレイさっぱり分解洗浄することができた。細かな部品は紛失しないように茶こし用のボールネットを利用したが、この道具も使い勝手はかなり良い。100均ショップなどでは、ステンレス製のネットカゴなども販売されているので、キャブメンテナンス用として何個か準備しておくのが良いだろう。

キャブボディー本体は、キャブクリーナー液に浸して汚れを溶かした後に、超音波洗浄器+脱脂洗浄液にて、さらに強力に洗浄するのがベスト。超音波洗浄器の威力はさすがに大きく、ブラシで擦ってもなかなか落ちにくい細かな部分でも、汚れを落とすことができるのだ。サンメカ向けの小型で求めやすい超音波洗浄器の登場を願うばかりだ。

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