以前はエンジン始動後から快調だったのに、しばらく乗らなかったことで、アイドリングが不安定になったり、始動性が悪くなったりすることがよくある。まずは「はじめの一歩」からメンテ実践するのが手順。最初から完全分解整備する必要性は無い。ここでは、キャブレターメンテナンスのケーススタディをお届けしよう。

キャブレター専用の高性能ケミカル





エンジン始動後に暖機運転。それからメンテナンスを始めよう。キャブレターを取り外したり、大きくバラしたりすること無くメンテナンスしてみよう。外部から内側へとスプレーケミカルを吹き付ける洗浄方法だ。まずは燃料チューブからガソリン代わりにケミカルを吹き付けよう。次に、エアークリーナーパイプやオアーフィルターを取り外し、キャブボディの吸い込み口付近にある複数の孔(スローエアーポートやメインエアーポート)に吹き付けよう。数分経過後にエンジン始動。するとキャブクリーナーが燃えてマフラーからは白い煙が噴き出す。明らかに吹けが良くない時には、エンジン始動&軽く空吹かししながらケミカルのノズルを患部に吹き付けてみても良い。

簡単に分解できるトップカバー周辺部品





スロットルバルブにはジェットニードルと呼ばれる針が組み込まれるが、この針の表面が汚れることでエンジンの吹けが著しく悪くなる。エアファンネル車は、気が付かないうちに湿気が吸い込まれ、ニードル針を腐食させてしまうことがある。スロットルバルブを抜き取ったら、ウエスで針の表面を拭ってみよう。ザラザラ感や汚れやサビなどの違和感があったたら、細かなボンスターなどで表面を磨いてみるのが良い。スロットルバルブを引き抜く段階で、バルブ外周がネチョネチョになっていたり、腐ったガソリン臭があるときには、症状が良くないと判断しよう。そんなときには潔くキャブは分解メンテナンスだ。

高い信頼「ヤマルーブの原液タイプ」



ヤマハは70年代から各種メンテナンスケミカルの販売に積極的。使いやすく良い商品が数多い。現在は「ヤマルーブ」ブランド商品としてワイズギアから発売されている。我々も絶対的な信頼を寄せているのが「スーパーキャブレタークリーナー【原液タイプ】」だ。

濃ければ良い!?というものではない





利用時は説明解説を熟読しよう。まずは密閉状態の缶をしっかり振ってケミカルを混ぜよう。次にメスシリンダーを用意して、フレッシュなガソリン7対原液タイプ3で洗浄液を作る。ガソリンが古かったり、ケミカル原液の比率を高めたりしても、洗浄力は低下する。洗浄後のケミカルinガソリンは容器に保存し、エンジンパーツなどの洗浄時に利用するのが良い。

粘った劣化ガソリンで汚れていたフロートチャンバー内も、スーパーキャブレタークリーナーを混ぜたガソリンに浸し置きすることでキレイに蘇る。汚れ方によっても異なるが時間的には2~3時間。酷い汚れは浸しながらブラッシングするとよく落ちる。洗浄時にゴム部品は取り外そう。フロートバルブ先端がゴム部品の時には、ウエスに洗浄液を浸して拭き取るのが良い。

POINT

  • ポイント1・手短なメンテでも快調になることは多々ある 
  • ポイント2・スプレーケミカルだけで好調になることもある
  • ポイント3・最後の手段が「分解洗浄」それが確実!!

キャブレター不調を感じたときには、いきなり全バラ=分解オーバーホールに取り掛かるのではなく、まずはキャブレターを「バラさない」でメンテナンスすることをお勧めしたい。日頃から走らせ続けているバイクの場合は、僅かな汚れが年月によって堆積を繰り返し、いつしか調子を落してしまうことが多い。そのような場合は、エンジン始動しながらキャブ本体の吸入ベンチュリやベンチュリ近所の孔や通路にケミカルを吹き付け、始動状態で汚れ取りを行なうこともできる。

調子が改善されないときには、にスロットルバルブを取り外し、燃料通路やベンチュリ内部のメイン通路、パイロット通路、吸入側のメインエアー&スローエアー通路にケミカルを直接吹き付け、しばらく放置した後に組み立て復元し、フレッシュがガソリンを流し込んでからエンジン始動してみよう。スプレー後にしばらく放置することで、堆積していたスラッジがケミカルのチカラで分解されて溶け、コンディション回復することが多い。 エンジン始動後はケミカルが燃えて白煙となり、マフラーから排出される。従ってエンジン始動時は換気の良い場所で作業し、エンジンがストールしない程度に回転数を保ちながら白煙が出なくなるまで回転保持しよう。

それらの作業後でもコンディションが改善されないときには、分解メンテナンスしか方法は無い。ワイズギア製のスーパーキャブレタークリーナー「原液タイプ」は本誌スタッフが愛用するまさにスーパーケミカルだ。ガソリンと混ぜて利用するのが大きな特徴。実は以前に原液のままで各種ジェット類を浸したことがあったが、黒々と汚れたメインジェットを3時間浸しても汚れは落ちなかった。説明書通りの希釈率でフレッシュなガソリンと混ぜたクリーナー液を利用すると、3時間程度の漬け込みでまっ黒だったメインジェットは真鍮特有の黄金色に復元。ジェット内部の通路汚れもしっかり落ちていた。その高性能さ振りは、まさしく折り紙付きである。

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