エンジンの下にオイルが数的垂れているのを見て、見て見ぬフリをするのか!?積極的にメンテナンス=修理するのか!?そこに愛車家と呼ばれるか否かの分かれ目がある。ここでは、オイル漏れを発見したマニュアルクラッチ付きダックスホンダの「オイルシール交換にチャレンジ」してみよう。

組み込まれたオイルシールは引き抜けるの!?

10数キロ程度の試運転を終えてガレージへ帰還。その数日後、ダックスのエンジン下にはエンジンオイルが数的……。クラッチカバーガスケット!?と思って調べてみたら、クラッチレリーズのオイルシールにダメージを発見した。

クランクエンドシールが不良なのか!?





メッキカバーを外してレリーズピボットに差し込んである抜け止めピンをラジオペンチで抜き取る。以前にカバーを外したまま走っていて、このピンを紛失してしまったとのお話を聞いたことも……。アームピボットのビス2本を外すとオイルシールが見える。レリーズ室内に溜まっていたエンジンオイルが漏れて流れている様子を確認できた。これを交換すればオイル漏れは止まるはず。

オイルシールプーラーを応用しよう



カバーを外してオイルシール交換するのが面倒なときは、オイルシールリムーバーを使えるか否か、シール周辺の構造を確認してみよう。交換するオイルシールを購入すれば、形状確認することができる。ちなみに各コンストラクターからはガスケットセットやオイルシールセットが販売されている横型エンジンだが、オイルシールセットに残念ながら含まれていないのが、ノーマルクラッチ用のレリーズシールである。外側から抜けそうなのでレリーズシャフトにキズを付けないようにフック先端をクルッと引っ掛ける。入りにくいときにはフック先端をヤスリで削って調整すれば良いだろう。ここで使ったオイルシールプーラーはストレート製。スペース的に工具のハンドルを使えない時には引っ掛けピースをプライヤーでつまんで直に引き抜こう。

ディープソケットでオイルシール圧入

旧オイルシールを抜き取ったらウエスにパーツクリーナーを染み込ませ、オイルシールホルダー部分をしっかり拭き取り脱脂洗浄する。その後、各部を確認しながら新シールを押し込む。この際には、オイルシールの内輪=リップ側にはラバーシールを塗布し、オイルシール外周にはシリコン系液状ガスケットを薄く塗ることでスムーズに押し込むことができる。内輪が小さなときには爪楊枝を使ってラバーグリスを塗布するのが良い。ここで使った押し込み工具は、ドンピシャ寸法だったディープソケット。

POINT

  • ポイント1・交換作業前に部品購入しておこう 
  • ポイント2・新品オイルシールは圧入前に脱脂洗浄の徹底
  • ポイント3・組付け時は滑り乾燥後は固まる液状ガスケットを併用

3度のメシよりもバイクいじりが好きなサンデーメカニックは数多い。大切な愛車をカスタマイズし、気持ち良く仕上げたつもりでも、走り出すとやっぱり気になる部分が出てしまうもの……。「あそこが」「ここは」と、やりたいことが次から次へと……。

さて、このダックスは、シリンダー&ピストンにボアアップキットをチョイスし排気量は黄色ナンバーの88cc仕様にボアアップ。後の12V系50cc横型エンジンと比べ、旧6V系エンジンモデルは、間違い無くパワフル仕様だと言われている。その理由のひとつに、吸排気バルブのサイズがある。12V時代へ移行してからのエンジンは、燃焼効率が良いフラットトップピストンの採用と同時に、小さな吸排気バルブサイズを採用していた。燃焼効率を良くして排気ガスがクリーンになった12V系エンジンだが、パワフルさという意味では、旧6V時代のエンジンに軍配は挙がる。そんな旧6V時代のシリンダーヘッド+6V対応のピストンキットを組み込み、通称「ハチハチ」=88cc仕様にモディファイしているため、その走りは、後の12Vエンジンベースのハチハ仕様と比べて、パワフルさはさらに違った印象となった。

そんな横型4ミニエンジンチューニングを楽しんでいたダックスだが、クラッチレリーズカバーからエンジンオイルが漏れてきた。カバーを外して内部確認すると、クラッチリフターの軸受けオイルシールが痛んでいて、オイル漏れを発生。そこで、オイルシールを交換したが、その作業手順がここでのリポートである。

キックシャフトやチェンジシャフト、ドライブスプロケット裏のドライブシャフトやクランクシャフトのエンド部分には、オイルシールが組み込まれている。そのオイルシール形状が一般的な筒型でフランジが無ければ、エンジンを分解することなくオイルシールは外部から交換することができる。オイルシールをエンジン内側から組み込むフランジ付シールの場合は、このような作業手順で部品交換は無理=不可能だが、「外側へ引き抜くことができるオイルシール形状」なら、周辺部品へダメージを与えないように注意しながらオイルシール交換は可能である。

オイル漏れやシールリップ痛みからのオイル滲みを発見した際には、エンジン外部からオイルシール交換できるか否か!?まずは現物部品=交換部品を購入して、その部品形状を確認してみるのが良いだろう。

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