
バイクに乗っていてつらいことの一つが「手のしびれ」。特にエンジンを高回転で長時間運転する高速道路では、ひどいときにはグリップを握っていられなくなるほどしびれる場合も! 特に小排気量のバイクやオフロードモデルにありがちな問題です。その原因はエンジンの振動による共振現象。鉄棒を叩いたときにビーンと響くあれ。ものすごいスピードでピストンやシャフトが駆動しているエンジンの振動は想像以上にすごいもので、車種によっては振動でボルトが勝手に外れたりウィンカーが折れたりといったこともあります。そんなもののハンドルを握っていれば、そりゃあしびれますわな。
しかしライダーとしては、振動が完全になくなってしまうのも味気ないというもの。適度なエンジンの鼓動を感じつつ、不快な振動は無くしたい! なんて都合のいい話ですが、そんな願いをかなえてくれるアイテムが実はあるんです!
その名は「ハンドルウエイト」。バーエンドキャップに交換するタイプや、ハンドルパイプに内蔵するタイプなどがあり、「ハンドルバーウエイト」や「インナーウエイト」「ハンドルバランサー」など様々な呼び名がありますが、要するに「ハンドルを重くして振動をなくしてしまえ!」というアイデアのカスタムパーツです。取り付けも簡単で効果は抜群。長距離ライダーの心強い味方! しかし冷静に考えてみると、オモリをハンドルにつければ同じ効果はあるはず。今回紹介する「MotoHack」では、そんなアイデアからこれを自作してしまったオーナーを紹介します!
「かつデルT」さんはカワサキのデュアルパーパスモデル「KLE250 アネーロ」を愛用。比較的振動の少ない並列2気筒エンジンを搭載するアネーロですが、250ccという排気量から高速道路では高回転を長時間維持する必要があります。そこでハンドルウエイトを取り付けだ! と考えても、1993年発売のアネーロはかなりのレア車。カスタムパーツも豊富とは言えず……そこであきらめないDIY精神が、「自作ハンドルウエイト」を生み出しました。
ハンドルパイプ振動低減 自作 バーエンドウェイト
作業工程1
アネーロは、(TT250に比べれば、2気筒だけあって)振動は少ないが、6速でも1000回転当たり12キロ/hだから、90+キロ/hのスピードで、名阪国道を走ると8000回転もずっと回るので、微振動で手が痺れる。
それで、ハンドルパイプ内にウェイトを入れようとしました。
が、グリップエンド(どこのか?でも見たことがあるので無名品ではないかな?)が6mm径のボルトになっていて、良いウェイトで合うものが無い。仕方ないので、自作してみました。
材料は、とりあえず買ったので、使わないのもありますが、用意した部品の写真を載せます。
・6mmのロングナットがステンレス製とスチールにメッキ製のを2つずつ(M6x30)
・6mmの90mm長ビス スチール製でユニクロメッキのを2本
・6mmの60mm長ビス ステンレス製のを2本
・6mmの65mmビビッドボルト ステンレス製2本 頭が6角ねじで+ねじのビスより良いか?と思い購入
・鉛板 裏に両面テープ付き(振動低減用でゴムマット、ウレタンスポンジ、などの売り場にある700円で5cm幅で1メートルくらい
・ゴム製のワッシャ、ハンドルパイプ内径に合わせて、ちょっと小さい13mm
この中で使うのは、ロングナット2つ(スチールを使用)と、ボルト2本 90mm +小袋の中のナットとワッシャ類と、ゴムワッシャでした。他は、また次回まで・・・・>こんなことばっかりしているので、余った部品、ボルト、ナット、他、もろもろ、抱え込むのでしょうが、性分です。

グリップエンドのキャップに合わせ、汎用部品でウエイト作成にチャレンジ。キャップの他のパーツはバイク用品ですらないものもあり、カスタムはアイデア次第というやつ。
作業工程2
・バイクのグリップエンドの部品が、青枠内。この中の赤丸で囲んだナットの替りに、赤四角内の長ナットを使い、その先にウェイトを付けます。
・写真の様に、ビスの頭に6x13ゴムワッシャを入れ、13より小径のワッシャとナットで固定する。ゴムが変形しない程度に締めるが、ゆるみ止めにロックタイトを使います。
・ビスの端にはナットと長ナットを取り付けます。でダブルナットで固定しますが、ついでにロックタイトも使ってください。
これが標準のナットの替わりに組みつきます。が、注意点として、長いビスがハンドルパイプ内に入るか(装着できるか)を確認すること。結構、ハンドルパイプがグリップの根本辺りから曲がっていますので、ご注意。入る限り、長いビスが良いです。
・以上、ナットの代わりのロング(ビス、長ナット、ゴムワッシャ、他)ナットが出来たら、ビスのねじ部等に、鉛板をしっかりと密着させて、巻き付けてください。で仕上がりです。

構造はいたって簡単だが、下敷きの作業台には緻密な計算の後が見える。テキトーな取り付けをしてしまった場合、走行中の脱落もあり得るために、取り付けはとても厳重だ。
作業工程3
出来上がりのウェイトを計ってみましたら、ほぼ200gで仕上がっていました。これをバイクに取り付けて完成です。
・外から完成状態を撮影しても、最初と変わりないので、掲載はしませんが、試走してみて、振動の減少を確認してください。
・ビスの長さ、鉛ウェイトの巻き付け量、先端のゴムワッシャの状態(外しても構わない、と思う)などで、微調整が出来ます。
ただし、出来具合は個人差とバイクの特性で変化しますので、お楽しみとして調整してください。

完成したハンドルウエイトがこちら!重量は200gと標準的なサイズながら、好みで微調整ができるという点は市販パーツでは得られないメリットだ!
今回の「MotoHack」では「かつデルT」さんの「ハンドルパイプ振動低減 自作 バーエンドウェイト」を紹介しました。貴重なアイデアをありがとうございます!
これからもこのコーナーでは、Webikeユーザーの皆さんの、ちょっと便利なアイデアをどんどん紹介していきます。次回もお楽しみに!
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