
専用ペイントブース、使いたいときに使えたらいいですよね。DIYペイント=自家製ペイントが大好きなサンデーメカニックにとっては、夢の夢、そのまた夢!!のようなペイントブース。スペースさえあれば「トラックコンテナを置いて大改造!!」なんて考えてしまいますが、そうは問屋が卸さないので、ここでは暫定的な空間の仕切りを提案しよう。
ブルーシートは眼がチラつくので要注意
雨天時の使い勝手と夏場の直射日光避けで大活躍しているのがガレージ入口の軒先に取り付けたオーニング。このオーニングを「最前傾ポジション」にしてからブルーシートを掛けてみたら、何となく「ペイントブースになりそうな……」印象だった。ブルーシートを張ったうえに、ガレージ出入り口のガラス扉を上手に利用してみた。さらにブース内で扇風機を最弱で使うと、ペイント噴霧の流れをコントロールでき、ミストをコロナマスカーへ吸着(静電気作用)することができた。お手軽な即席ペイントブース!?だったが、ブルーシートが気になり、目がチラチラしてしまって作業性は最悪!!
「半透明作業シート」が絶対的に使いやすい
一般的なブルーシートやは緑色のシートではなく、何か無いものかと探してみたら、最適な商品がありました!!その名は「半透明作業シート」。これなら色付き空間で作業することなく、目にやさしいのが良い。半透明シートはS字金具で引っ張り固定するのがベスト。後々の撤収を考えたら、簡易的に設営できるのが良い。ハトメがS字金具の固定には最適なので、不足している部分にはハトメ金具を追加することにした。サビにくいステンレスタイプもあったのでそれを購入。確か、工具箱に標準サイズのハトメ用カシメ金具が入っていたので、それを使ってステンレスハトメをカシメようとしたが、所有していたカシメ工具は真鍮もしくはアルミ製ハトメ用なので、ステンレスハトメは硬くてカシメられなかった。仕方ないのでカシメ工具を万力で挟んで利用することにした。
ハトメをカシメて引っ掛けよう
半透明作業シートを張ったことで、明り取りにもなって作業性は抜群!!間仕切り隙間にはペイント養生用マスキングテープを使えば良さそうだ。実質的作業環境は縦1.5m×横2m×高さ1.8mを確保できた。ガレージ出入り口のガラスとびらを併用利用することで、空気の流れをコントロールすることもできる。強風の日にはもちろん作業できません。雨の日には濡らしたくないバイクの置き場にも最適なことが判明。ハトメ部分にS字金具を取り付けて、オーニングに作業用シートを張り込んでみた。オーニングの内側全体がビニールシートのため、ペイントを吹き付けると噴霧はビニールシートにも静電気で付着するようだ。
コロナマスカーで周辺を仕切ろう
ペイント養生用のマスキングテープで知られるコロナマスカー。実は、このヒラヒラビニール部分には、ペイント噴霧が「静電気で吸着しやすい性質」がある。こんな特性を上手に使うことで、作業環境を維持しつつ後片付けも容易になるようだ。
脚元のホコリ立ちは水チョロチョロ
ブース内で砂ボコリや舞わないように、塩ビパイプの水道管に水を通して散水できるシステムにしてみた。パイプの太さは、一般的な水道ホースに差し込める太さ。塩ビパイプは金ノコで簡単にカットできる。パイプが転がらないように、デザイン的にはL字にしてみた。想像通りの効果を得ることができた。50mm置きに3mmのキリで穴あけを行なった。塩ビパイプは加工性が良く、ペイントブースの作業台作りにもお勧めだ。イレクターパイプで作業台を作るよりも低コストなのがうれしい。先端のキャップ部とL字の継ぎ手部分は瞬間接着剤で固定したが、飲料用水道パイプで利用する、塩ビパイプ専用のヒシボンドなどを利用するのがベストだ。イイ感じに地面へ散水できそうだ!!
- ポイント1・ 空間スペースの有効活用で仕上がりは確実に向上する
- ポイント2・ 即現状復帰できる簡易スペースで仕上がりの向上を目指す
- ポイント3・コロナマスカーは静電気で塗料ミストを吸い寄せるので塗料カブリが少なくなる
部品磨きにサンドブラスト、そして、ペイントインフラの充実を目的にした様々なアイデア……。そんなアイデアを現実化することで、バイクいじりの効率化や仕上がりの良さは確実に向上する。普通のバイク情報誌やバイクWebでは、このようなことに注目することはまず無いが、我々編集部はいつもこんなことを考え、バイクいじりを楽しんでいる。旧MM誌時代から、モトメカニック誌スタッフが取り組んでいる、これもひとつのテーマである。過去に缶スプレーを利用して、ヘルメットやガソリンタンクをペイントしたことがあるサンデーメカニックは数多いと思いますが、その時、作業環境はどんな感じでしたか?おそらく、数多くのサンメカが、いわゆる「野吹き」だったと思います。
可能な限り良い環境でペイント作業したいとは、誰もが考えるもの。ガソリンタンクやフレームなどをDIYペイントする際には、ビニールシートのパイプ式組み立て車庫を利用したこともあった。当初は軽自動車用を購入。その後、ママチャリ3台が入るパイプ車庫へと移行した。スペース的には狭くはなったが、常設車庫ではないため、組み立て分解が以前と比べて容易になった。突発的に小物部品を塗りたくなってしまうことはよくある。各種ブラケットやサイドスタンドを黒塗りしたくなることはよくある。
ここでは、そんなDIYペイント時にトライしてみたペイントブースをご覧いただこう。ご覧の通り、可動式の日除け=オーニングと呼ばれる日除けを改造したペイントブースをイメージしてみた。あくまで参考的なトライであって、これがベストだとは決して思っていないが、参考になるものだとは思う。オーニングの代わりに洗濯物干しスタンドを利用しても良いだろう。
もっともお勧めできる具体例としては、クイック式のタープテント(簡単折りたたみテント)の回りにコロナマスカー=養生用マスキングテープを貼って外周を囲う。その内部でスプレー作業、ペイント作業することで、空中に舞ったペイントミストネタがヒラヒラコロナマスカーシート部に吸着し(静電気で)、ものすごく使い勝手が良いことも判明。唯一の難点は、強風時には使えないこと。そこは我慢して、天気が良く無風の日に作業進行することをお勧めします。
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