
夏が暑いのは仕方ないけれど、暑すぎると愛車のオーバーヒートが心配……。
水冷エンジンなら電動ファンで強制冷却出来ますが、激しすぎるオーバーヒートでは電動ファンの冷却では追い付かなくてエンジンに後遺症が残ってしまう事もあります。
でも、オーバーヒートの原因はラジエターが正しく機能しておらず、本来なら問題無いはずの冷却が上手く出来ていないから!
ラジエターが正しく機能していれば炎天下の渋滞でも(極一部の過激な車種を除いて)オーバーヒートしないように設計されているのが普通ですから、オーバーヒートするという事は冷却系に何か問題を抱えているという事。
冷却系に問題がある時、多くの場合は真冬に電動ファンが回ったりする前兆がありますが、回ってるはずの電動ファンが回っていなかったなど、予想の斜め上を行くとんでもない原因が潜んでいる事もあります。
大切な愛車のエンジンを守るためにも本格的な夏の前に冷却系のメンテナンスをしておく事は大事!
そうは言ってもやり方もチェック方法もわからないし……という大多数の方のために、ラジエター系のメンテナンス記事をまとめました。
全部自分で作業するのは無理でも、簡単な部分ならサクッと自分で出来る事も多いですよ!
症状は思い当たるけど自分では対処出来そうになければ、すぐにバイク屋さんに相談しましょう。
目次
オーバーヒートの前兆
もちろん水温が上昇するのですが、水温計や水温センサーが故障していて正常値を指したままという恐ろしい故障をしてる場合もあります。
そこまで暑くない日でも水温計の針が危険域付近を示している、エンジン周りのどこかから水蒸気が出ているような気がする、エンジン周辺に何かの液体が流れた形跡がある、これらが一般的な前兆です。
クーラントが水蒸気になると甘い匂いがするので、信号待ちなどで甘い匂いがしたら要注意。
応急処置
もしオーバーヒートしてしまったら、すぐに路肩に停めてエンジンを切るのが原則です。
「急に止めるとエンジンに良くない、冷却水を循環させるためにもエンジンを止めずに冷えるのを待つ」という解説もありますが、それは坂道で急加速を繰り返すなどの高負荷を掛けていた場合、しかも冷却系が正常な場合です。
何かが壊れて問題を抱えている冷却系では待っていても冷えず、水温は上昇し続けて症状は悪化するばかり。
特に渋滞中にオーバーヒートした場合は電動ファンに何らかのトラブルを抱えている可能性が大きいので、すぐにエンジンを止める事で被害の拡大を防げます。
抜本的な解決方法は冷却系のメンテナンス!
エンジンは機械なので勝手に直ったりしません。
例え症状が消えたとしてもそれは単なる偶然、一時的に消えたというだけで直ったわけではないです。
冷却水が無くなるほどの本格的なオーバーヒートではシリンダーヘッドが歪んでオイル漏れ、シリンダーとピストン損傷でオイル上がり、油温上昇でコンロッドメタル破損など、再起不能の大ダメージが及んでしまう可能性があります。
そうなる前に!どこかどうなって何がどうマズイのか、解る範囲だけでも知っておきましょう。
自分でメンテナンスまで出来れば最高ですし、自信が無いけど症状に思い当たるフシがあるならバイク屋さんに相談してみてください!
サーモスタット関連
見落とされがちなサーモスタット。
寒い時期は閉じてラジエターで冷やされた水がエンジン内に進入するのを防ぎ、暑い時期は開いてできるだけ冷たい冷却水をエンジン内に流れるように調整する重要な部品なのですが……。
サーモスタットは内部に封入してあるロウが低温で凝固、高温で液状化する事を利用して動作する驚くほど原始的な構造なので簡単にチェックできます。
『鍋で煮て動作するか確認する』という驚くべきチェック方法をぜひ読んでみてください。
クーラント関連
クーラントとは冷却水として使用する不凍液の事です。
そんなの当たり前というなかれ、最後にクーランントを交換したのはいつですか?
かつては2年ごとの交換が推奨されていましたが、今では5年ごとの交換指定も珍しくありません。
でもそれは最新型の新車の話で、中古車や低年式車は今でも2年間隔で交換するのが基本です。
簡単な交換方法の話からヘビーで高度な話までありますが、クーラント交換時に水道ホースを突っ込んで勢い良く洗い流す話は必読です。
緑色のクーラントと一緒に堆積した汚れが噴出して驚く事がありますよ!
でもまずは今入っているクーラントの状態を確認してみる事をオススメします!
電動ファン関連
灼熱の渋滞でもオーバーヒートを起こさずに済むのは電動ファンで強制的に冷却しているからです。
でも、もしも電動ファンが動かなかったら??
電動ファンそのものが壊れている事もあるし、電動ファンを作動させるセンサーが壊れている事もあります。
最もありがちなのは水温センサーに繋がっているコネクターの接点がサビて導通しなくなってしまい、電動ファンが作動しなくなる症状でしょうか……。
いずれにしても水冷エンジンがオーバーヒートしないための最後の砦です、正しく動く事をたまには確認しておきましょう!
最悪パターンも見ておきましょう……
スゴイ画像ですが、これはクーラントを使用せずに水道水を入れていた車両に訪れた悲劇です。
クーラントはそうならないように防錆材が含まれていますが、水道水だけだと当然ながらエンジン内部がサビてしまうのです。
愛車のラジエターには確実にクーラントが入っていると言い切れますか?
中古車の場合、前オーナーが水道水を使っていてそのままになっているかもしれませんよ?
最悪の事例を反面教師として、愛車の冷却水が水道水でない事を確認しておきましょう!
日頃から水温に気を使っておき、少しでも異常を感じたらチェック!
誰だって暑い夏の日に出掛けた先でオーバーヒートを起こして移動不可能になったり、そのままエンジンが壊れたりするのは避けたいものです。
防止策は日頃から愛車の状態を観察しておく事が一番。
少しでもオーバーヒートっぽいと感じたら、今回のまとめを参考にチェックしてみてください。
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