ミニバイク用としてだったら十分に大型サイズのオイルクーラーを装備しているKZ550GP。しかし、ここ数年の酷暑が相手となると、現状のオイルクーラー本体サイズでは容量不足は否めない。そこで、同系列エンジンを搭載したゼファー400用オイルクーラーキットを装着してみようと思ったが、そうは簡単ではなかった………。ここでは大型オイルクーラーを装備するためのアイデア具現化をリポートしよう。

大型サイズのオイルクーラーが魅力的!!





空冷マルチエンジン用オイルクーラーとしては、ほぼ最大サイズの9インチ13段仕様のポッシュフェイス製ゼファー用オイルクーラーキットをとりつけたいと思ってチャレンジ開始。オイルホースサイズに4番の細めをチョイスしたので6番→4番へサイズダウンするアダプターを取り付けた。モンキー用カスタムパーツのオイルクーラーを取り付けていたKZ550GP。初代カワサキミドルシリーズの中でもGPだけには純正オイルクーラーが装備されていた。しかし、純正の小型クーラー本体と比べれば2倍近くの大きさのモンキー用。チューニングエンジンにはさらなる大型オイルクーラーが必要なのだ。

ステアリングのオフセットがネックに……

リーディングアクスル式ボトムケースを採用する初代ミドルシリーズ。トレール量調整のために三つ又のオフセットが小さいのが特徴。そのため、大型オイルクーラーの装着が物理的不可能なのが初代ミドルシリーズの特徴でもある。

自作ステアリングストッパーを考案!?





薄い段ボール紙とハサミとサークルカッターを用意して、ハンドルストッパーの型紙作りを開始。ブレーキラインのジャンクションと共締めにするデザインを狙ってみた。おおよそのカタチを切り出してから三つ又に当て、干渉箇所の確認や曲げる箇所などの詳細を決定していく。1個失敗作を作れば2個目は必ず成功する!?何度もチャレンジすれば精度が高まる。型紙ができたら材料を用意して型紙をベースにしてマーキング。その形状通りにコンターマシン(バンドソー)で5mmのアルミ板を切り出した。ブレーキラインの2ウェイジャンクションを締め付ける2本のM6ボルトと共締めにする追加ハンドルストッパー。

目立たないようにブラックペイント



型紙形状に合わせて5ミリ厚のアルミ板から切り出し、穴加工、曲げ加工を施し出来上がったストッパーブラケッ、耐熱ペイントの半艶ブラックを吹き付け、カーベック製CVジュニアで加熱乾燥。こんな自家製ペイント仕上げでも耐溶剤性が良くなります。

犠牲を払って夢の実現に成功!!



純正オイルクーラーステーの締め付け座にポッシュフェイス製オイルクーラーキットのステーを締め付けた。下側ステーのみでクーラー本体をマウント。グラグラすることなくラバーダンパーも効いていて良い感じに仕上がった。クーラー本体のレイアウトを終えてハンドルを切ると、インナーチューブがクーラー本体に干渉せず良い雰囲気だ。

POINT

  • ポイント1・ 夏場のエンジンコンディションはオイル温度がカギを握る
  • ポイント2・適正オイル温度を知ることも重要
  • ポイント3・油温計の装備でオイル温度はモニタリングできる!!

ボアアップキットを組み込んだことで全体的にトルクが増し、各ギヤの守備範囲が広がったカワサキKZ550。そんなパワーアップメニューを実践する前にやっておきたかったのが、エンジンの冷却系向上だ。ノーマルのKZ550GPと比較すれば、すでに2倍近く大きなオイルクーラーを装備し、エンジン腰上にガンコートペイントを施したことで、ノーマル仕様と比べて冷却性は確実に向上している。しかし、近年の夏は、地球温暖化による影響なのか、酷暑が酷い。そんな環境を考えると、さらに冷却性能を高めておいた方が、後々のエンジンチューニングプランをも楽しめるのではないかと考えた。

大型オイルクーラーを装着したい。しかし、初代カワサキミドル4気筒シリーズ(Z400FXやKZ550GPなどの初代ミドルシリーズなど)にとって、大型オイルクーラーの取り付けは「大きな鬼門」となっている。初代シリーズは三つ又のオフセットが少ないため、左右いっぱいまでハンドルを切ると、インナーチューブとフレームが急接近!!つまり大型オイルクーラーを装備すると、クーラー本体とインナーチューブがドーンと当ってしまうのである。

そんな鬼門を払拭したいがために、犠牲を払いつつも大型オイルクーラーを取り付けてみようと考えた。それがここでリポートするハンドルストッパーの追加である。犠牲とは「ハンドルの切れ角」のこと。切れ角が減ると街中でUターンしたり、押し歩きの際に面倒になってしまうことがある。

ストッパー代わりに曲げた鉄板をガムテープでしっかり固定し、ステアリングの切れ角減少をイメージしたところ、十分に我慢できる範囲だと確認できた。そこで、ゼファー400用に開発された大型オイルクーラーを取り付けることにした。ちなみに、4ストエンジンの場合は、常温からのエンジン始動で暖機運転を開始。ある程度、温まったら走り始め、さらに温まるのを待ってから、気持ちよくエンジンを回すように心掛けよう。エンジンオイルが温まっていないのに、無理にエンジンを回してしまうとエンジン内部の各摺動部にダメージを与えてしまうことになる。そんなことにならないためにも、エンジンオイル温度をモニタリングできる油温計を装備していると何かと便利だ。

一般的に適正油温は100度以上125度以下と考えられるが、夏場の渋滞では楽々130度を超えてしまうことが多い。空冷エンジンモデルは夏場が辛いというのは、そんな部分からも理解できる。走行風が大切なのだ。

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