水冷エンジンのバイクは、最低でも2年に一度は冷却水=LLC(ロングライフクーラント)を交換入れ換えしないといけない。特に、緊急時に水道水を入れてしまったまま忘れてしまい、気が付いた時には冷却水が真っ赤なサビで……といったことも実は多い。ここでは、冷却水の交換手順をおさらいしておこう。

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しばらく走っていなかった車両は要注意

冬眠していたり、しばらく走っていなかった車両が水冷エンジンの際には要注意。エンジン始動うんぬん以前に、ラジエターキャップを外して冷却水のコンディションを確認しておこう。外見から冷却水通路を目で追い、フィッティング部分に冷却水が漏れていた痕跡は無いか? バンド締め付け部分に亀裂やヒビが入っていないか? すべてのゴムホースを目視点検しよう。

冷却水抜きは専用ドレンボルトから





ウォーターポンプハウジングやカバーには冷却水排出用のドレン(M6程度の細いボルトが多い)が設けられているので、垂れ流しではなくバケツや受けバットを用意して、ドレンボルトを抜き取ろう。その際にはガスケットの有無にも要注意。次に、ラジエターキャップを取り外してエアー開放し、冷却水が勢い良く排出するように促そう。このカワサキは完全に真っ赤な冷却水だった。後々判明したのが、水路途中のメッキパイプの裏側が完全にサビていて、冷却水が真っ赤になっていた。それが赤色の原因だった。

水道ホースを突っ込んでザーッ!



汚れていた時でも、キレイだったように感じた時でも、冷却水を抜き取ったら水道水のホースをラジエターキャップへ差し込み、先をつまんで勢い良く水道水をラジエター内に吹き付けよう。フレッシュな水を強制的に送り込むことで、冷却水路内はリフレッシュできる。あまりに内部が汚れていそうなときには、ラジエター洗浄剤やラジエターのフラッシング洗剤を用意して、説明書に従い作業進行しておこう。突っ込んだ水はドレンから勢い良く吹き出る。

リザーブタンクを洗浄すると真っ赤っか



エンジン暖機後に冷却水が減るとリザーブタンクからラジエターへ向けて冷却水が補充され、ラジエター内の冷却水量が多いと(熱膨張で容積が増える)、リザーブタンクへ多い分の冷却水を送り出す働きがふる。驚いたことにリザーブタンク内の冷却水もサビ水だった。

LLC以外にもある「高性能」ケミカル





冷却水を注入するときには、水道水ではなくLLC/ロングライフクーランドを必ず利用しよう。LLCには緑色、赤色、青色などがある。このLLCが劣化すると液色が濁り始め、そのうち色が薄れていく傾向のようだ。特に、純正品にこだわって使用することはないと思うが、継ぎ足しで異なる色のLLCを混ぜるのは良くない。水路内の汚れが目立つときには、洗浄ケミカルを利用しよう。

POINT

  • ポイント1・冷却水の入れ換え準備をするときには現状ホースのコンディションを確認しよう
  • ポイント2・冷却水を抜いたら水路内部は水道ホースでしっかり洗浄&洗い流し
  • ポイント3・汚れに気が付いて入れ換えする時には、抜き取り前にラジエター洗浄液で内部洗浄しよう

水冷エンジン車の冷却水は、2年に一度の車検時に交換するのが、中大型モデルとしては一般的だ。ブレーキフルードの交換と同時に、交換実践するように心掛けると忘れずに良いだろう。しかし、なかには「ラジエターキャップを開けたら口切りまでいっぱい入っていたから、まだ大丈夫です……」といった返答を聞くことがある。しかし、見えない部分でダメージは進むものなので、量がしっかり入っていたとしても、エンジン始動と同時に常に循環しているのが冷却水なので、想像以上に汚れてしまうものなのだ。

特に、低年式中古車で何度かオーナーが変わったモデルとなると「んっ、入っているから……」と、交換されること無く何年も経過している例がある。また、何年も冬眠させていたバイクを復活させたところ、冷却水が真っ赤なサビ水になっていた…… といったこともある。以前に見た実例だが、ウォーターポンプのインペラ(鉄の鈑金部品が多い)にサビが発生し、グルグル回っているうちに朽ち果て、気が付いた時には冷却水が循環せずにオーバーヒート! 冷却水を抜き取ったら真っ赤で、させにウォーターポンプハウジングを取り外したら、インペラ(プロペラのような部品)がサビで朽ちつつ、半分程度の長さしか残っていないった! といった実話は、決してレアケースではないことも知っておきたい。

そうなった場合は、エンジン内冷却通路の壁はサビで真っ赤に汚れている(サビ垢がこびりついている)ため、新品部品のインペラに交換するだけではなく、冷却通路内のフラッシング洗浄やラジエター洗浄剤を投入しての洗浄を行わなくてはいけない。汚れが酷い場合は、数日間低速走行でフラッシングしてから、再度、新しいLLCへ入れ換えることをお勧めしたい。

また、LLCには原液でそのまま使うタイプと、使用状況(気候的な走行環境)に応じて水道水で希釈して使うタイプがあるので、説明書を理解してから作業進行しよう。しばらく冬眠予定のバイクなら、ガソリンタンクやキャブ内からガソリンを抜いておくだけではなく、冷却水も抜き取り、しっかりエアーブロー(ドレンを外したままラジエターキャップからエアーガンで吹き付ける)しておこう。特に、レーシングマシンの場合は、レギュレーションで水道水利用の限定になっている場合もあるため、乗らない時には冷却水を排出し、メーターレンズにはマスキングテープを貼り「ガス無し/水無し」などと忘れないように明記しておくことをお勧めしたい。

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