
キャストホイールが普及した70年代後半から80年代にかけては、数多くのモデルがキャストホイール仕様になった。しかし、ユーザーの間でスポークホイールに対する需要は根強く、キャストホイール仕様からスポークホイール仕様へ返り咲いたといったモデルもあった。ここでは、スポークホイールの維持やクリーンナップ方法を再確認しておこう。
金属ブラシなら真鍮ブラシがおすすめ
真っ赤なサビではないものの、輝きがほぼ無くサビが発生しているような時には、ステンレスワイヤーのような硬い金属ブラシではなく、あたりが柔らかい真鍮ブラシでスポークを磨くのが良い。ブラシで磨く際には、後々、さび止めペイントの塗布を前提に作業進行しよう。
スチールウールも効果的
やや曇りがかったスポークやクロームメッキリムを磨く際には、スチールウールを利用しよう。防錆スプレーを吹き付けてから、部品の表面を滑らすように磨くのが良い。磨き終えたら乾いたウエスでしっかり拭き取ろう。スチールウール片が残っているとサビの原因になるので要注意。作業後のエアーブローもみ効果的だ。
花咲かGワックスでも防錆できる
クロームメッキリムのくすみや陰りは花咲かGワックスを利用することで、汚れ取りとワックス掛けを同時に行うことができる。エアーや電動ポリッシャーを持っているときには、ポリッシャー+花咲かGワックスで磨くとさらに効果的だ。
赤サビが進行中なら防錆ペイント
ここで使っているのはローバルから発売されている亜鉛メッキスプレーと呼ばれる商品。ユニクロメッキやクロメートメッキのような亜鉛メッキではなく、亜鉛メッキ成分を含有したサビに強いスプレー塗料だ。新聞紙で大雑把にマスキングして吹き付けるのが良い。細部は筆や刷毛で仕上げよう。
ユニクロメッキのように決して輝いていないが、これ以上、サビが侵攻しないと思えば効果は大だろう。作業前のスポークホイールと比べれば、スポークもリムもそれなりに輝き、見栄えも良くなった。
- ポイント1・ 走行振動や衝撃で折れてしまうこともあるのがスポーク
- ポイント2・ ホイールの歪みはスポークの張り調整で修正可能
- ポイント3・ 現状以上にサビ侵攻させたくないならペイント処理
中古車購入時にスポークのサビが気になること、ありますよね?特に、転倒などによる歪みが無くても、真っ赤なサビは気になってしまうもの。逆に、ユニクロメッキがピカピカに輝いていても、ホイールを回すと左右に振れがある……というのも気になってしまいますよね。スポークの張り込み調整だけでは直らないケースもあるが(リムが局所的に歪んでいるとリム交換しない限り直らないケースが多い)、単純な転倒などでスポークホイールが歪んでしまうこともある。中古車購入時や転倒後などは、前後ホイールを地切りして、ホイールをフリー回転させてみるのが良いだろう。
サビサビスポークだと、ニップルの締め込み調整ができないケースが多いが、調整可能な場合は、実践してみるのも悪くない。芯出し振れ取りには独特のノウハウがあるため簡単に事は進まないが、明らかに歪みがある場合は、バイクショップやメンテナンスに詳しいバイク仲間へ相談するのも良い。
スポークホイールに歪みや振れが無い場合でも、コンディション次第では、ケアが必要なこともある。全体的にサビや汚れが気になるときには、ワイヤーブラシやスチールウールでサビ取りや汚れ取りを実践すると良いだろう。ワイヤーブラシを利用する時には、硬いステンレスワイヤーではなく柔らかい真鍮ブラシがお勧めだ。硬すぎるとユニクロメッキを痛めてしまう恐れがあるため、柔らかいブラシの方が金属肌にダメージを与えなくて済む。すでに金属地肌に影響がある赤サビが発生している場合は、金属ブラシで擦った後に、サビ取りケミカルで金属表面を保護し、最終的には新聞紙などでマスキングをしつつ、防錆ペイントで仕上げるのが良いだろう。
クロームメッキの鉄リムをクリーニングしたい時には、鉄リムに防錆スプレーを吹き付けて(WD40やCRC556)、ボンスターなどのスチールウールで細部にわたって磨き込むのが良い。サビ部分を除去したらウエスで吹き上げ、クロームメッキの磨きにも効果的な花咲かGワックスなどを使って、ウエスでさらにしっかり磨き込むことで、現状最善の輝きを得られるはずだ。
スポークが赤サビに浸食されてしまったときには、サビの除去とケミカルを使って再発を防止し、新聞紙で大雑把なマスキングを施してからスプレー処理。ブレーキハブ(引っ掛け部)周辺は、空き容器をカットして(PETボトルなど)容器内にスプレーを吹き付け、刷毛を使ってスポークを塗り分けることで、意外と美しく仕上げることができる。
ちなみに60~70年代のヨーロッパ車の中には、鉄の生生地スポークにシルバーペイントを施し、ホイールを組み立てた後に追加ペイントでニップル周辺を仕上げるといった例もあったほどなのだ。
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