
知らず知らずのうちに、愛車の各所は劣化損傷しているもの……。ツーリング途中でガソリン給油したので、トリップメーターを「ゼロ戻し」しようと思ったら、トリップボタンのゴムが千切れてしまった……といったのがこのメーター。パーツカタログを確認すると、何と、千切れてしまったゴム部品だけ設定されている!?ならば発注したら、まだ販売中止ではなく部品購入することができた。ここではそんなトリップメーターノブの修理実践をリポートしよう。
偶然に見つけた「純正補修部品」の設定
カワサキ純正パーツカタログのメーターカテゴリーを見ると、レンズの近所に
同部品らしいイラストが明記。見出し番号に従い純正部番を拾い出して部品注文してみたら、メーカー在庫がありました。このバイクのメンテナンスをしていた当時の価格で700円くらい。決してお安い部品ではありませんが、新品部品があるのは嬉しいですよね。
一体メーターは分解可能が多い!?
レンズリムをカシメ固定された単体メーターの場合は、バラ部品が設定される例はまずない。しかし、スピード&タコメーターのコンビネーション=一体型メーターの場合は、各メーターがメーターケースに組み込まれた構造が多い。このGPX250の場合は、スピードメーター+タコメーター+水温計+インジケータパネルを一体型メーターケース内に収める仕様。メーターケースをバラシてスピードメーターユニット取り外すと、トリップメーターのリセットボタンがやや重く感じられたので、金属摺動部に適量のグリスを塗布。綿棒を利用することで必要最小限のグリスを塗布することができる。
肝心のゴム部品を交換&接着固定
透明クリアのアクリル製メーターカバーに接着固定されている、トリップカウンターリセットボタン用のゴムカバー。アクリルレンズにキズを付けないように接着部分を剥がして残りのゴム部品を除去。レンズをクリーニングしたら新品ゴム部品をセットして、セメダインのスーパーXクリアでノブを固定した。完全接着を待ってから組み立て復元に入ろうと思う。
レンズ内側をクリーニング&曇り防止処理
透明クリアのアクリルレンズ内側が汚れていることが多いので、乾燥したマイクロファイバークロスで拭き取り、クリア度を高めてから締め付け固定。この際に、ガラスやメガネの曇り止めスプレーケミカルを併用してレンズを磨くことで、後々、曇りずらくなることを知っておこう。また、湿気が多い日に作業するとメーター内部の湿気が影響してレンズを曇らせることもあるので、環境が良い乾燥した場所で作業進行するのが良い。
- ポイント1・ 一体ボディ型メーターはレンズを分解脱着できるケースが多い
- ポイント2・ 似たような部品が他機種であるときには流用可能か調べてみよう
- ポイント3・ 組み立て復元時には各部をクリーンナップしよう
大切な愛車に欠品部品があったり、欠損部品を見つけてしまうと、何とか部品交換して、コンディションを整えたくなるもの。それが常に「目線の延長上」にある部品だと、尚更だろう。80年代後半に活躍したカワサキGPX250。通勤用として購入した際に、スピードメーターのトリップノブをリセットしようと思い、ゴムカバー付きのプッシュボタンを押してみた。すると、カチカチに劣化硬化していたゴムボタンの頭がポロッと千切れてしまった……。不可抗力なので仕方ないが、このトリップゴムが無いと、一体ボディのレンズ内部に雨水が滴り落ち、メーターレンズが曇ってしまったり、最悪で、メーターが湿気でサビてしまうと考えられる。
何とか修理できないものか?似たような部品を探してみたが、良いものが無かった。そんな折、メーカー純正パーツカタログを閲覧していたら、何と、このゴム部品だけの設定があり、部品番号が明記されていた。このモデル専用部品ではなく、他のモデルでも使われていたのだろう。見つけた純正部番でパーツオーダーしたところ、なんとズバリ、メーカー純正ゴム部品が納品された(このメンテナンスタイミングでメーカー在庫があった)。パーツカタログやパーツリストを見ていて「えっ!?」なんて思うことがあるが、まさにこの部品もそのひとつだった。
例えば、国内モデル用のパーツカタログを見る限り、ASSY(アッセンブリー)やCOMP(コンプリート)でしか販売されない部品が、輸出仕様のパーツリストやパーツカタログを見ると、バラ部品(ショートパーツ)で設定がある=単品部品販売されている例がある。今回のトリップメーター用リセットボタンのゴムカバーは、国内外仕様に関係なく、部品設定されていたのでラッキー!!アッシー&コンプリート部品に惑わされないように、パーツカタログやパーツリストで部品構成を見る場合は、輸出仕様のカタログも確認しておこう(インターネットで輸出仕様車の部品カタログも閲覧可能)。
例えば、ホンダ4ミニの国内パーツリストでは、クランクシャフトは「ASSY販売」しか無いが、輸出仕様のパーツリストだと、コンロッドセットやジャーナルベアリング単品、タイミングギヤまでもショートパーツとして設定がある。修理文化先進国の海外では、ショートパーツを購入できて当たり前なのだ。部品番号さえ明確になれば、国内でもオーダー可能なケースが多い。
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不死身のGPX250