文/Webikeバイヤー:あきら

暖かい日も増え、春を感じる日も多くなってきました。
寒い冬の間はバイクに乗らなかったライダーも少なくないのではないでしょうか。

本格的にシーズンが始まる前に愛車のチェックは済んでいますか?
エンジンがかからずツーリングに出発できない!ツーリング先でトラブルが!とならないように、冬眠明けの点検を行いましょう。

点検って自分でもできる?

点検と聞くと、バイク屋さんで点検してもらうことを想像しますが、乗車前に毎回行うことが法律で定められています。
点検は誰でも行うことができるので、日頃から行いましょう。

今回の記事を読んで、問題点があればバイクショップに持ち込むことをおススメします。

ブタと燃料?

ブタと燃料というフレーズを聞いたことはありますか?
日常点検の中でも最低限の点検事項を合言葉とされているのです。

  • ブ・・・ブレーキ
  • タ・・・タイヤ
  • と・・・灯火類
  • 燃料・・・ガソリン

これらの項目が最低限の点検事項です。

『ネン ・ オ ・ シャ ・ チ ・ エ ・ ブ ・ ク ・トウ ・ バ ・シメ』??

日常点検で義務図けられている項目の頭文字です。

  • ネン・・・燃料
  • オ・・・オイル
  • シャ・・・車輪(タイヤ)
  • チ・・・チェーン
  • エ・・・エンジン
  • ブ・・・ブレーキ
  • ク・・・クラッチ
  • トウ・・・灯火類
  • バ・・・バッテリー、ハンドル、バックミラー
  • シメ・・・各部締め付け

これらの項目が使用者が1日1回行うべき日常点検になります。

どこを、どのようにチェックしていいかわからない!
という方に向けて使いやすいアイテムと共にご紹介していきます。

参照:JAF[Q]バイクに乗る前に確認したい点検箇所とは?

さて点検を始めましょう!

燃料編


バイクのエンジンを動かすのに無くてはならない「燃料」
保存期間や、保存環境によってはガソリンが「腐って(劣化)」しまうのです。

燃料の点検方法は簡単です。
「嗅ぐ」ことです。
燃料タンクを開けて、普段とは違う鼻を刺すような刺激臭がしたら燃料が「腐って(劣化)」いることが予想されます。
エンジンは掛けずに、タンクを外して燃料を排出して新鮮な燃料と入れ替えましょう。

当然、川や水路、土壌等に破棄することがないよう廃燃料を処分してください。
エンジンオイルと比較し、危険で取り扱いが難しいことを忘れずに処分が難しいと判断した場合はバイク屋さんに相談してみてください。

燃料が劣化した状態でエンジンを始動すると、エンジンの始動性が悪いだけでなく燃料ライン(燃料ポンプ、インジェクション、キャブレター)などに劣化した燃料が回ってしまうため、修理に手間がかかります。
燃料タンク内も劣化したガソリンの影響で錆が進行してしまっている場合があるので、始動前には燃料のチェックが重要になってきます。

錆びや、ガソリンの劣化についての記事は既に多くのライターが記事を作成しているので、そちらも参考にしてみてください。

バッテリー


燃料が正常だとしても、バッテリーが弱っていたらセルは回らず、エンジンはかかりません。

バッテリーは電圧が下がりすぎると元の性能まで回復しないことがあります。
元の性能を発揮できないと、すぐにバッテリー上がりの原因に繋がるため、早めのバッテリー交換をお勧めします。

そうならないためにもこまめな電圧チェック、充電が必要となります。
充電の手間を軽減してくれる充電器はデイトナ製のディスプレイバッテリーチャージャーがおススメです。


従来のバッテリー充電のイメージは、バッテリーが見えるところまでカウルやシートを外して端子にワニ口クリップを接続していました。
デイトナ製の充電器は、あらかじめ端子にアダプターを取り付けておくことによって、カプラーオンだけで充電をすることができるためシートやカウル脱着の手間を省くことができるため手軽で簡単です。

キジマのバッテリーチェッカーを取り付けることによってスマートフォンのアプリ上でバッテリー電圧を把握することができます。
バッテリーにダメージの大きい電圧低下を未然に防ぐことができるのでおススメです。

体感ですが、バッテリーは2~3年で劣化してしまうように感じます。
もちろん使用頻度や状況にもよりますが、バッテリーも消耗品に該当するので交換が必要となります。
フレッシュなバッテリーでトラブル回避しましょう。
リチウムイオンバッテリーを実際に取り付けた様子は下記から!

灯火類

ヘッドライトのハイビーム、ロービーム、各ウインカーがきちんと点灯するか確認をしましょう。

ウインカーの球が切れると抵抗値が変わり、ハイフラッシャー現象(通称:ハイフラ)となるので走行中にも気が付くことが可能です。
LEDタイプのウインカーに変更した場合にも抵抗値が変わり、ハイフラとなることがあるので、対策用のリレーや抵抗を使用する必要があります。

エンジンオイル

以前、バイクの冬眠準備でご紹介したオイル交換ですが、交換時期や走行距離があやふやにならないようそのままのオイルで冬眠を推奨しました。
そのため、乗り出す前にはエンジンオイルの交換を行いましょう。

エンジンを始動する前に、必ずオイルが入っているか確認してください。
乗り出しの暖気はじっくりと行いますが、オイル油面低下によるオイルランプの点灯などに注意しながら暖気を行いましょう。
オイルが入っていない状態でエンジンをかけてしまうと、エンジンに深刻なダメージを与えてしまいます。

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洗車

保管状況にもよりますが、保管によって埃や砂などが堆積しているため、乗車前に洗車をお勧めします。
洗車にはこだわりを持っている人が多いとは思いますが、Webikeスタッフおススメの洗車アイテムをご紹介します。

スーパーレジンポリッシュで有名なオートグリム製の洗車用品がおススメです。
コーティングと洗車を両立することのできるシャンプーコンディショナーと、濡れたままワックスができるラピッド・アクア・ワックスが便利で使いやすいです。

こちらのセット商品だとスーパーレジンポリッシュとシャンプー、洗車に便利な用品が全て入っているので、これがあればすぐに洗車ができます。

この2セットがあればヌルテカな高級仕上がりになります。

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ブレーキ/クラッチ(フルード・ケーブル)


ブレーキやクラッチに使用されるワイヤーは劣化していませんか?
ワイヤーが破損すると、ブレーキをかけることやクラッチが切れなくなってしまうので点検しましょう。

油圧のブレーキ、クラッチに関しても、エア噛みでクラッチが切り切れなかったり、フルードの劣化で熱に耐える許容値が低下し、べーパーロック現象を促進してしまう事もあります。

油圧ブレーキ、フルードに関する記事はこちらが参考になります。

ワイヤーメンテの詳細はこちらの記事が参考になります!

タイヤ


タイヤの交換時期は製造年月日から3~5年……というわけではありません。
製造年月日では判断できませんが、スリップサインの状況や、タイヤの劣化状況から判断する事が重要です。


溝の深さはもちろん、ひび割れのレベルによって交換が必要となります。

ひび割れ等の劣化を防ぐには、バイクカバーをかけてタイヤに紫外線が当たらないようケアすること。
ゴム攻撃性の高いケミカルを使用しての洗車をしないよう気を付けましょう。タイヤに溶剤かかってしまった場合は水でしっかり洗い流すことをお勧めします。

タイヤの空気圧は自然に少しずつ低下していくため、乗る期間が空いてしまっている場合はチェックが必要です。
タイヤの空気圧を手軽にできる、キジマのスマートエアポンプを持っているととても便利です!
実際に使用した様子はこちら!

参照:BRIDGESTONE二輪車用タイヤの基礎知識 タイヤの交換時期と日常点検

チェーン


錆びに悩まされる事の多いチェーン。
注油して保管していても錆が発生してしまう事もあります。
錆びたままのチェーンだと、スムーズにコマが動かなくなり異音の原因や劣化を促進します。

純正チェーンは錆びやすいものが多い印象ですが、錆びにくい表面加工がされたチェーンに交換してしまうことをおススメします。

錆びだけでなく、チェーンの弛みの調整も必要となります。
チェーン調整が難しいと感じる方はお近くのバイクショップにお声がけしてみてください。

トルクチェック

カスタム途中で弄った記憶があるなら、走行前に全て締め付けを確認しましょう
思わぬパーツが脱落することもあり、とても危険です。

締め付けの確認は、再度規定トルクで締める方もいらっしゃいますが、締め付けトルクが規定値より上がるため推奨しないという考え方もあります。
工具を当てるだけでも緩みの確認ができるので、入念にチェックしてみてください。
30Nm以上の手締めではわからないトルクが設定されている箇所や、キャリパーボルト等などはトルクレンチを使用して再確認しましょう。

元メカニックの筆者がおすすめしたいトルクレンチをまとめてみました。
ドレンボルトをはじめ、一番よく使用するのはトルク範囲(10Nm-50Nm)付近のものを厳選しました。

ライダーの身体


バイクの準備ができても、身体が付いてこなければケガや転倒に繋がります。
想像以上に疲労が溜まることもありますので、無理のないツーリングプランを計画しましょう。
いきなりの長距離ツーリングやスピードレンジの高いエリアなどではなく、近所をゆっくり走ることをおススメします。

乗る前、降りた後で準備体操、整理体操、日々のストレッチに努めましょう。
まだ朝晩と昼間の気温差が大きいので、調整できる防寒具をお忘れなく!

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