ボアアップキットを組み込んだり、ビッグキャブを組み込んだりすると、スロットル操作に対する追従性が低下し「乗りにくい、扱いにくいバイク」になってしまうことがあるが、その原因のひとつにキャブセッティングがある。そんなキャブセッティングやキャブメンテナンス時に欠かせないパーツのひとつにキースターブランドの燃調キットがある。

PC型キャブへ交換時は燃料コックも要検討



軽やかな吹けの軽さと、素晴らしい伸びの良さはチューンド横型エンジンならではのフィーリング。仮に、体重が70kg未満のライダーなら、相当な速さと力強さを兼ね備えることができたチューンドダックス号。キャブレターを取り付けるマニホールドには様々なタイプを試してみたが、結果的には、シフトアップ製可変首振りマニホールドのケーヒンPCキャブ対応品がドンピシャだった。理想的には、ポート径がもう少し細い商品がラインナップされれば、ぼくのエンジン仕様や好みにはベストマッチなのかも!? ケーヒンPC20キャブに交換するということは、キャブボディーには燃料コックが無くなる。そこでアフターパーツの3ウェイコックを、純正エアクリボックスの締め付け座にボルトオン。エアークリーナーケースの代わりとして、K&N製エアーフィルターを取り付けることにした。

燃調キットは頼もしい存在!!



ネットオークションでポチッとやって落札したTL125バイアルス用のホンダ純正PC20キャブレター。何よりもキャブのオーバーホールを先行するために、キースターブランドの燃調キットを購入。オーバーホール用のリペア部品とTL125用燃調セッティングパーツが同梱されている。仮に、これらのパーツをバラで購入したら、燃調キット1ボディ分に対して2倍を超える価格になってしまうことも。

キャブ分解時にはガスケット交換が効く!!!!





全バラになったキャブパーツを、ヤマルーブのスーパーキャブレタークリーナー原液タイプに浸して漬け置き洗浄する。飲み終わったPETボトルをカッターで切って、洗浄容器にするのが何よりも使い勝手が良好だ。この原液タイプのケミカルは、その名の通り洗浄液の「原液」なので、ガソリンで希釈して漬け込み洗浄するのが基本作業。驚くほどキレイかつ美しく仕上がる!!トップカバーガスケットが潰れて二次空気を吸うとスロー調整時にアタリが出ず、今ひとつの結果になってしまうこともある。このトップカバーガスケットも燃調キットに含まれているので、ユーザーにとつては嬉しいところだろう。キャブレターメンテナンスでは、基本中の基本とも言えるのが、フロートチャンバーガスケットの交換作業。この潰れた部分からガス滲みが発生するケースが多々見受けられる。ガスケット交換時には、Oリングをセットする溝をしっかり掃除してから新品を組み込もう。

油面データ通りに油面高さを調整してみた

順序良くキャブレター部品を組み立て進行したら、静的な油面調整を行おう。フロートレベル確認用として販売されているフロートレベルゲージを利用するのが間違いない。測定時の注意点は、メインジェットの延長上かつフロートチャンバーガスケット面に対して直角にケージをセットして、フロートバルブピンの突起にフロートの舌が当たり、スプリング張力で反発している状態で測定するのが正解である。ケーヒンPC20キャブの場合は、取り付け機種に関係なく21mm±0.5mmの範囲で調整すれば良さそうだ。

回転のつながりを決めるジェットニードル

ジェットニードルはスタンダード仕様をベースに、クリップ段数の調整のみで、ほぼセッティングを出すことができた。仮にだが、アイドリングはするものの、スロットルをあけた時に「ポ~ッ……」と空気が多くストールしてしまう症状の時には、ジェットニードルのストレート径を細いものに交換。パッと(通常操作で)開くとゴボ付いて、ジワジワとゆつくりスロットルを開いた時にだけ回転上昇する際には、ガス濃い症状なので、ストレート径が太いジェットニードルに交換し試してみよう。違和感があるものの走るようになったら、ジェットニードルのクリップ段数で微調整しよう。どちらに振ったら良いのか判断できないときは、ストレート径もクリップ段数も、正反対方向で振ってみるとその違いを体感しやすくなる。

いゃ~、気持ちイイ加速!!

ボアアップキットとストロークアップクランクを組み込んだことで、パワーもトルクも段違いになったダックス号。そのエンジンポテンシャルをさらに引き出すには、より大口径キャブや高性能キャブを装着するのが手っ取り早いが、低中速域の緻密な扱いやすさを求めるのにはPC20で十分に楽しむことができる。ドカーンと加速する圧倒的なパワーは高性能キャブに軍配があがるが、トータルパフォーマンス重視なら、決して侮れないのがPC20の良いところだ。

POINT

  • ポイント1・ ベンチュリ口径が大きければ、よりハイパフォーマンス!?では決して無い
  • ポイント2・ キャブレター交換時にはベースコンディション作りから始めよう
  • ポイント3・ 最終的な乗りやすさはジェットニードルのセッティングで決定する

ボアアップやビッグキャブの装着、キャブ仕様の変更などによって、走りの質がまるで変わってしまうことがある。以前と比べて軽々とエンジンが吹け、メーター読みの最高速度も当然ながら元気満点!! エンジンチューニングが如何にエンジン特性に大きな影響を与えているかを実感することができる瞬間でもある。大柄なライダーでも、その違いを明確に感じられるのだから、ライトウエイトなライダーが乗れば、それはそれは、楽しい乗り物に変貌することがあるのが、エンジンチューニングのまさに醍醐味でもある。

以前は一貫してケーヒンPBキャブ(タイカブ系純正タイプのキャブ)を取り付けていたダックス号だが、理由は単純、フロートチャンバーと一体になった「燃料コック」が使いやすかったから。しかし、ボアアップしたエンジンにはアンマッチな雰囲気で、いまひとつパワー感が無く、スロットル操作に対する追従性も今ひとつ。どうやら燃料消費が追いつかず、全力全開加速のギヤチェンジ時に息つきすることもあり、何度かセッティングを試みてみたものの、セッティングだけではどうにもならないことがわかった。フロートチャンバーの容積が小さい=そもそも高燃費エンジン用キャブであることも原因のひとつではないかと思う。

そこで、横型チューニングでは定番ともいえる、ケーヒン製PC20キャブの中古品を購入。その昔、ダックスいじりではTL125バイアルス用のホンダ純正PC20キャブを取り付け、もの凄く良い印象だったことを思い出したので、再現しようと思ったのだ。今回は、中古購入したキャプをベースに、キースターの燃調キットでオーバーホールしつつ、セッティングを試みることにした。適合機種とは基本セッティングが合わない可能性もあるが、中古キャブ(TL125用を購入)なので、まずはオーバーホール要素としてガスケットやパッキン類を確保したいと思い、1パッケージになっているキースターブランドの燃調キットを利用することにしたのだ。

全バラにしたキャブレターはキャブクリーナーに浸して洗浄し(ヤマルーブの業務用でもあるスーパーキャブレタークリーナー原液タイプがお勧め)、まずはキャブボディ本体通路を徹底的に洗浄。パーツクリーナーを通路に吹き付けることで、通路の通気確認と同時に徹底的にエアーブロー。完全洗浄とエアーブローを終えたら組み立て、TL125の標準仕様で組み立ててエンジン始動。低速域はほぼ大丈夫でアイドリングは良好。スロットル操作に対する追従性が今ひとつなので、ジェットニードルのクリップ段数やストレート径の太さ変更を繰り返したら、いい感じに吹けるようになった。最終的にはメインジェットも僅かに調整したが、仮に、燃調キットの範囲外なら、チューニングパーツメーカーから発売されているキャブボディ対応のメインジェットキットがあるので、それらでセッティングを詰めればよいだろう。

ケーヒン製PC20キャブへ変更したことで、フル加速時のギヤチェンジ時につながりが悪くなったり、引っ掛かるような症状が出ることなく、ギヤチェンジと同時に車体を押し出されるような感覚は、まさにボアアップ&ビッグキャブを装着したチューンド4ミニの走りだった。純正キャブを流用したチューニングとキャブ交換後のセッティング、その重要性を改めて知ることができた。

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