高年式モデル、低年式モデルを問わず、乗りっ放なしでメンテナンスを怠っていたり、放置的に駐車パーキング状況が続くと、ブレーキフルードが吸湿によって劣化し、ブレーキ関連パーツにダメージが及んでしまうのは周知の事実。ブレーキパーツのオーバーホールや分解メンテナンスを実践する際には、リフレッシュも念頭に置くことで、パーツをより美しく仕上げることができる

新品部品が買えるなら交換or確保したい



ブレーキパーツの主要部品には、プレーキマスターシリンダーやブレーキキャリパー&キャリパーブラケット。ダブルディスクモデルの場合は、ブレーキホースの中間に組み込まれるジャンクションなどなどがある。DOT3やDOT4などのグリコール系ブレーキフルードには「吸湿性」といった特徴があり、そんな特性に起因して、ブレーキ関連パーツがダメージを受けることが多い。湿気=水分によってサビが発生し、主要アルミ部品を腐食してしまうのだ。ブレーキパーツの分解メンテナンスを実践するときには、部品を単品レベルまで分解するのが鉄則。そして、要交換なゴム関連部品、各種シール類は新品部品に交換しよう。アルミ部品が腐食すると防錆ペイントが剥がれてしまうため、部品を完全分解したなら、このタイミングでリペイントするのも一考だ。

マスターシリンダーの取り外しは専用工具で!!



ブレーキマスターシリンダーの内部に組み込まれたマスターピストンやカップシールを取り出すにはコツが必要だ。ブレーキレバーが押し込むピストンエンドをドライバーや棒などで押し込み、スナップリング(サークリップ)へ掛かるチカラを逃がしてからL字型に曲がったスナップリングプライヤーを利用すると分解しやすい。アルミパイプから削り出した自作工具は、ピストンを組み立て復元する際に、穴用のL字型プライヤーでスナップリングを収縮しつつ、ピストンをグイッと押し込む自作工具。スプリングでピストンが戻されるチカラをU字薄肉パイプの側面で押し込めば良いと考えた。市販品にこのような工具が無いので、マスターピストンサイズに合わせた専用工具があると便利だと思うのだが……。こんな工具が販売されると、作業性が間違いなく高まると思う。

キャリパーピストンは磨き込み&確認



ダストシールやダストブーツが破れてしまったことでブレーキピストンシール摺動面に雨水が侵入し、ピストン外周が点サビで虫食い状況になってしまうことがある。そんなピストンは要交換だ。虫食いには至らなくても、表面が薄っすらサビてしまっている例は数多いので、細かなスチールウール(ボンスター)で汚れ落としとサビ取りを行おう。

ピストンシール溝はクリーニング

外気や雨水とピストン機能を遮断する大きな役割を果たしているのが、四角断面のブレーキキャリパーピストンシールである。キャリパー本体内にはピストンシールを収める溝があるが、クリーニングツールを使って溝内に堆積したカルキのような汚れをコリコリ削り落とそう。先が鋭過ぎる工具を使うと、シール溝にダメージを与えてしまうため、決して先端が鋭くない工具を利用し、滑らせるように擦って汚れを除去しよう。ここではアルミ製の黒部品はすべてリペイントで美しく仕上げる。

ガンコートで焼き付けペイント



ペイント後の完全乾燥によって耐ガソリン性はもちろん、ブレーキフルードや各種溶剤や薬品に対しても圧倒的に高い耐候性を誇るのがガンコートペイント。ここでは半艶ブラックのサテンブラックを利用してペイント実践。ペイント前の腐食パーツはねサンドブラストで旧ペイントの汚れや腐食を完全除去した後に、高温乾燥機を使って完全乾燥させた後にペイント。薄くムラなく何度も重ね塗りするのが美しく仕上げるコツだ。
取材協力:カーベック https://www.carvek.jp/

小型卓上高温乾燥機でチンッ♪



ガンコートペイントを製造するKG社の国内輸入総発売元のカーベックでは、ガンコートペイントの普及を目的に廉価で小型な卓上高温乾燥機を開発販売している。カーベック製CV-JUNIOR(ジュニア)がそれだ。ガンコートペイントは一液仕様で歩留まりが良く塗りやすいのが特徴で、170~180度に乾燥機温度が高まってから1時間の乾燥で素晴らしい耐候性を発揮。いつも1時間半~2時間は焼き付け乾燥させているが、ブレーキフルードへの耐候性は極めて高い。

ブレーキホースはスウェッジライン仕様に



ブレーキホースは黒被覆がシックで膨張しにくい高性能なスウェッジラインを組み込んだ。ブレーキキャリパーとマスターシリンダーにパンジョーフィッティングを仮組し、前輪を持ち上げてフロントフォークを伸ばした状態でブレーキラインの取り回しを決定。取り回しをイメージするのに便利なのがアルミ製のやや太い針金やアルミの溶接棒だ。

エアー抜き完了後はブレーキレバーロック!!

ブレーキラインを取り付けてブレーキフルードを流し込み、噛み込みエアーを抜き取ったら、仕上げ作業で行いたいのが「ブレーキレバーのロック保持」だ。ハンドルを左末切りにしてサイドスタンドで車体を傾け、ブレーキレバーを握ったままで一晩放置すると、エアー抜き状況がより一層良くなる。作業後は、ブレーキレバーがパンパンになりダイレクト感が強まる。今回は古チューブの輪切りを利用してレバーを絞り維持した。

POINT

  • ポイント1・純正部品が無くなる前に愛車用補修パーツはストックしておこう
  • ポイント2・ペイント時には「ペイント材料の特性」を理解した上で利用しよう
  • ポイント3・汎用ブレーキホース購入時の「長さ確認方法」は針金が使い易い

高年式バイクと低年式バイクの境界線がどのあたりの年代にあるのか!?それはバイクファン個人個人の思い入れで異なると思うが、年式に関わりなく、コンディション良くメンテナンスしていないと、気持ち良く走ることができないのが足周り部品。なかでも、ズバリ「制動力」の良し悪しを決定づけるのがブレーキパーツであるため、バイクの新旧は抜きに、常にコンディション良くありたいのが各種ブレーキパーツだろう。

例えば、ブレーキレバーを握って制動力をチェックしたときに、十分な制動力がありバイクをギュッと停止できたとしても、そのレバーフィリングによっては、今ひとつ印象が悪くなることもある。具体的には、ブレーキ性能ではなく、ブレーキレバーの作動性に印象を左右されてしまうこともある。レバーピボットの締め付け不良でガタが多かったり、レバーの動きが渋かったり……。また、ブレーキレバーがブレーキマスターピストンを押し込む部分のコンディションが悪く、摩耗していたり摺動抵抗が多かったりすると、レバーの作動に対しマスターピストンの追従性が悪く、急ブレーキなどでレバーを強く握ったときには気が付かなくても、ブレーキパッドやシューを引き擦るようなコントロールをしたいときに、妙に追従性が悪く「違和感を得る」こともある。

ブレーキキャリパーに関しては、コントロール領域で作動性が悪いと、やはり体感としてイマイチな印象を強く受けてしまう。キャリパーピストンは、キャリパーシール周辺のコンディションに大きく作動性を左右されてしまうため、このピストンシール周辺のコンディションを維持を心掛けないと、ブレーキの効きが悪いだけではなく、押し歩き時にブレーキパッドが引き擦ってしまい、移動するたびに「キ~ッ」とイヤな音を発してしまうことになるのだ。ブレーキピストンの「もみ出しクリーニング」という言葉を御存じだろうか?が例えば、大手部品量販店へ買い物へ行くと、店内アナウンスで「ブレーキキャリパーのコンディションは、いかがですか~?この時間でしたら、サービス部門で「もみ出しメンテナンス」を待ち時間なしで、承ることができます~♪」といったご案内を聞くことができる。作業内容は、ブレーキパッドを外してキャリパーピストンを押し出した状態を維持し、ピストン周辺をクリーニングするといったもの。
さらにメタルラバーなどのケミカルを吹き付け、磨き上げてい上げると言った内容だ。部品交換無しでも、プレーキレバーの作動タッチが大きく改善するメンテナンステクニックでもあるのだ。

ここでは、明らかに美しくない(汚い)、純正ペイントが剥がれつつあったブレーキマスターとブレーキキャリパーを完全分解後にクリーンナップ。さらに耐ブレーキフルード性能、耐溶剤&薬品性に優れたガンコートペイントを施し、美しく仕上げた様子をリポートした。ブレーキコンディションは、的確なメンテナンスに比例して様変わりするので、気になるときには後回しにせず、積極的に実践してみよう。

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