12ボルトバッテリー搭載車には、レギュレーター(現代のバイクはレギュレーターレクチファイア=整流器一体式レギュレーター)を標準装備しているがモデルが多いが(旧車の中にはレギュレーターを持たない仕様もある)、6ボルトバッテリー車の多くはレギュレーターを装備することなく、バッテリー本体が電圧をバランスさせる役目を担っている。そのため、バッテリーコンディションが低下すると、様々な電装トラブルが起きてしまうことがあるのだ。ここでは「6ボルト車用レギュレーターレクチファイア」に注目してみよう。

現状把握から始めよう

バッテリーコンディションは、ウインカーが点灯する、とか、ホーンが鳴る!!とかではなく、バッテリー端子の「電圧」を電気テスターで測定してみよう、エンジン停止時の端子電圧は、エンジン始動後のアイドリング電圧は? 6.82ボルトを示した端子電圧は、アイドリング時のデータだ。

エンジン回転を高めて測定



エンジン停止時、アイドリング時のバッテリー端子電圧をテスターで測定したら、エンジン回転を徐々に高めながらその経過を測定しよう。ゆっくりエンジン回転を高め、5~6000rpmに達したときに(ここでは体感的に)、バッテリー端子電圧は9.16ボルトを示した。6ボルト管理を考えるとこのデータは高過ぎる!!

「電流」は簡易クランプテスターで測定可能

最近はリーズナブルな価格で電流値を簡易計測できるクランプテスターも普及している。電気の流れとクランプ部分の極性を確認して+リードにクランプ。アイドリング時はほぼゼロだった電流が、エンジン回転を5~6000rpmに保つと、2アンペア程度充電していた。バッテリーサイズが2Ah=2アンペアなので電流的には十分だか電圧が高過ぎる。

単純整流から整流+電圧制御仕様へ



純正部品はヒートシンク付きのダイオードだが、ミニモトの6ボルト用レギュレーターレクチファイアは、その名の通り交流管理回路の電圧を6ボルト制御する商品。つまりある程度以上の電圧(7ボルト台後半、バッテリーコンディションで数値は微妙に変化)に達すると、余剰電圧はカットし、過充電を抑える仕組みだ。

ボルトオンにするためカラーを準備

シートロックの締め付けボルトを利用して、レギャレーターレクチファイアを共締めにするためのカラーを準備。締め付けをスタッドボルト化して、ナットを何個か締め付け手高さを稼ぎ、ナットでレギュレーターレクチファイアを締め付け固定することもできる。

配線を接続するが……





エンジンから立ち上がるカプラには、シリコンダイオードへつながる白色立ち上がり線があるが、キットパーツの赤色線と白色線はダイオードにつながる配線と入れ換える。この年式のダックスは丸ギボシの単線なので、2極カプラの線は丸ギボシへ交換して差し込んだ。ヘッドライトやテールランプなどは交流回路で制御され、それが黄色線となっている。キットパーツの黄色線は、エンジンから立ち上がる4極カプラの車体側黄色線へ割り込ませる。キットでは割り込みコネクターを使っているが、ここでは配線被覆を部分的に剥がし、そこへ黄色線を割り込ますようにスプライス端子で固定。その後、テーピングで周辺を保護した。交流レギュレーター機能を割り込ませることで、交流電流回路も電圧制御されて過剰分をカットする仕組みだ。

レギュレーターと共締めでアース線を固定



キットパーツのアース線は黒色線+M6丸端子付きだったが、ここでは敢えて純正と同じ緑色へ変更し、車体ハーネスの緑へ接続した。キットパーツベースでお話すると、アース用丸端子とレギュレーターレクチファイア本体をボルトで共締めするのが良いだろう。

キットパーツ取り付け後は最大7.75ボルト



6ボルト用レギュレーターレクチファイアを取り付けたことで、エンジン回転を高めた時の最大バッテリー端子電圧は7.75ボルトを表示。測定時のバッテリーコンディションによってデータ詳細は変わるが、おおよそ7.5~7.8ボルトで制御される。

POINT

  • ポイント1・6ボルトバッテリー車で灯火バルブが飛んでしまう原因はバッテリーコンディションにある
  • ポイント2・6ボルト回路用のレギュレーターレクチファイアを追加装備することでバッテリーコンディションは安定する
  • ポイント3・電気回路と理屈を理解すれば6ボルト他車にもこのキットパーツは流用可能

6ボルトモデルの多くはレギュレーターを持たないシンプルな電装回路を採用していた。しかし、充電、放電の繰り返しによってバッテリー液面が下がり、それにともないバッテリーコンディションが低下。気が付いた時には、バッテリーが干上がってしまい「バッテリー液が空っぽだった!!」なんて経験をしたことがある者も、なかにはいるはずだ。バッテリートラブルに至るには様々な原因があるが、そんなコンディション低下によって起こるのが、ヘッドライトバルブの切れである。症状が進むと、さらにはテールランプやブレーキランプが切れ、ウインカーバルブも切れ、メーター照明も切れるなどなど、様々な電球バルブが飛んでしまう……。これは、バッテリーに充電されるはずの電気がバッテリーに溜まらず、各種バルブに直接高電圧で流れてしまうために起こるトラブルだ。

このようなバッテリートラブル=バッテリー液の干上がりを回避するために有効なのが、6ボルトバッテリー用のレギュレーターレクチファイアである。レギュレーターとは電圧を制御する機能で、レクチファイアとは交流を直流へ変換する整流機能である。6ボルト車の多くは、後者の整流器のみ搭載しているモデルが多かったが、80年代に入ると各メーカーのモデルに「レギュレーターが搭載」されるようになった。中でも、ホンダスーパーカブや同系横型エンジン搭載モデルの中には(ジャズなど)、レギュレーターレクチファイアを標準装備するモデルも登場。ホンダの場合は、電装制御のハーネス色が統一されているため、スーパーカブの6ボルト車用レギュレーターレクチファイアをその他のモデルへ流用しやすいことでも知られている。余談だが、他メーカーの6ボルト原付車にも流用することはできるが、配線色が異なるため、機能や回路を理解しないで流用すると、逆にトラブル原因になるので要注意である。

ここでは整流器=ダイオードしか搭載されていなかった年式のダックスホンダへ、6ボルト仕様のレギュレーターレクチファイアを搭載した作業実践の様子である。ホンダ4ミニカスタムで知られるミニモトでは、6ボルト時代のモンキーやダックス用としてレギュレーターレクチファイアキットを発売。その商品をこのダックス(1972年モデル)へ取り付けてみた。装着完了後、テスターで測定すると、ノーマル回路の時にエンジン回転を高め、バッテリー端子電圧を測定すると、9ボルトを軽く越える数値だったが(バッテリー液の干上がり原因)、キットパーツを装着した後は、現状のバッテリーコンディションで7.75ボルト以上は上がることが無かった。これで間違いなく、バッテリーコンディションは今まで以上に維持できるはずだ。

取材協力:ミニモト
Phone:0266-79-7600
ホームページ:http://minimoto.jp

この記事にいいねする

今回紹介した製品はこちら

コメントを残す

今回紹介したブランドはこちら

ホンダ ダックスの価格情報

ホンダ ダックス

ホンダ ダックス

新車 0

価格種別

中古車 7

本体

価格帯 ―万円

万円

諸費用

価格帯 ―万円

万円

本体価格

諸費用

本体

39.71万円

価格帯 28~58万円

諸費用

2.71万円

価格帯 2~3万円


乗り出し価格

価格帯 ―万円

万円

新車を探す

乗り出し価格


乗り出し価格

42.43万円

価格帯 30~61万円

中古車を探す

!価格は全国平均値(税込)です。

新車・中古車を探す