
過去に実践経験がある修理場面に遭遇したときに「あのときは何とかなったから、今回も何とかなるだろう!!」などなど、段取りもせずに作業に取り掛かってしまい、あらららら……どうしたものか!?などなど、困ってしまったこと、ありませんか?決して高額な工具や道具ではないからこそ、所有しておきたいものって、ありますよね?そんな工具のひとつにエアーバルブプーラーがある。
目次
メインスタンド付きの原付クラスなら
パンク修理の際に、前後ホイールを浮かせることができると、作業性は圧倒的に良くなる。以前、ツーリング先でCB400FOURの前輪がバンクしたことがあった。メインスタンド付きだったので、仲間の一人をタンデムシートに座らせたまま作業進行したが、前輪が浮きっぱなしだったので、作業性はすこぶる良かったことを思い出す。原付クラスでタイヤが浮いていれば、その状態でタイヤレバーを利用し、タイヤチューブを抜き取ることができる。
タイヤレバーいろいろ
バイク用タイヤレバーにはまず無いが、自転車用タイヤレバーには、タイヤビードを上げた状態を保持できるスポーク引っ掛け型のレバーがある。原付クラスならタイヤが柔らかいので、一般レバーでビードを上げた後、自転車用に引っ掛け直して、ビード上げを保持することができる。こうすると作業性が圧倒的に良くなる。
バルブ固定ナットもポジションいろいろ
タイヤビードを上げるときやチューブを入れてタイヤを組み込む際には、レバー先端でチューブを引っ掛けたり潰してしまい、それが原因で無駄にパンクさせてしまうことは、DIYメンテナンスにおけるあるあるだ。また、エアーバルブの固定ナットも、エアーを抜いた段階でギリギリまで緩めておくことで、ビードを上げる際にチューブが追従し、レバー先端で押し付けてしまうことが少ないようだ。
バケツよりも洗面器が便利!!
パンク修理の際には、チューブが筒状になる程度までエアーを入れ、水を張った洗面器にチューブを押し付けてパンクした箇所を明確にしよう。踏んだクギや鉄片がタイヤに残っていると再びパンクしてしまう原因になるので、タイヤの内側を吹くようにウエスを滑らせ、引っ掛かりがあったらその原因を必ず除去しよう。
伝家の宝刀!?エアーバルブプーラー登場!!
この工具があると、どれだけ楽にチューブタイヤを組み込むことができるか!!一度でも使えば、その素晴らしさは誰もが理解できるはずだ。何とか作業をし終えたけどね指先が痛くて……なんてことにもならない。
商品名は各社様々
エアーバルブガイドツールとかエアーバルブプーラーとか、その名称は様々だが、決して高値な工具ではないので、サンメカなら是非とも所有していたいものだ。ガイドを引き上げるときにチカラが入りにくいときには、ハンドルにワイヤーを巻き付けて引き上げると良いだろう。
- ポイント1・何とかなってしまうものだから、使わずにやってしまうことが多いが、一度使うとやめられないのがこの工具
- ポイント2・パンク時にはタイヤとリムエッジに合いマークを入れて作業進行することで、パンク位置を「タイヤ裏側から詳細確認」することができる
中型モデル以上、大型モデルならほぼ当然に、チューブレスタイヤの装備が当たり前の現代。ファミリークラスの四輪車に至っては、もはやスペアタイヤ(オレンジ色ホイールのテンプラリータイヤ含む)すら搭載しない時代だ。ちなみに国内市場がメインの軽自動車に関しては、スペアタイヤの搭載が今尚当たり前。そんな事実を考えると、輸出がメインのファミリーカークラスは、世界的にもはや「スペアタイヤを標準装備しない時代」なのだろう。そんなスペアタイヤに変わって装備が義務付けられているのが「チューブレスタイヤのパンク修理キット」だ。先日、レンタカーを利用したら、運転席のシート下にパンク修理キットが搭載されていた。自動車メーカーによって違いはあるのだろうが、修理材そのものは、どのメーカーでもほぼ同じ内容だと思うが、レンタカーのそれはシガーライター電源を利用する電動ポンプを搭載していた。時代は大きく変わってますね……。
そんな現代でも、スポークホイールモデルの多くは、チューブタイヤを採用している。特殊形状のアルミリムを組み込んだ大型ツアラーモデルのスポーク車は、チューブレスタイヤが当然の装備。オフロードバイクの中には、スポーク仕様でも、後輪だけはチューブレスタイヤを採用している例もある(リムも特殊形状。例えばヤマハセローなど)。原付2種クラス以下や旧車のスポークホイールモデルの場合は、昔ながらのチューブタイヤを装備している。
パンク修理やタイヤ交換を実践する際に注意したいのが、リムバンド(ベテランライダーの多くはフンドシとも呼ぶ)のコンディション確認である。この部品の役割は、スポークを締め付け調整しているニップルや、ニップルから先端が飛び出す可能性もあるスポークから、チューブを守る「プロテクターの役割」を果たしている。リムバンドの位置が左右にズレてしまうと、ニップルやスポークとチューブが直に擦れてパンクを誘発してしまう。タイヤの内側でリムに押さえられながら膨らむタイヤチューブは、反発力を維持するため、想像以上の膨張力だが、そんな際に突起があると、チューブと擦れて摩耗し、結果的にパンクしてしまうのだ。スポークホイールからタイヤを取り外した際には、そんな理由からリムバンドのコンディションも必ず確認しよう。特に、エアーバルブを差し込む穴は、リムバンドの劣化で切れてしまいがちなので、タイヤ交換2回に1回は、リムバンドの交換も行うように心掛けよう。
そんなスポークホイールにチューブを組み込む際には、リムのエアーバルブ穴にチューブのエアーバルブを通す作業から始めるもの。針の穴に糸を通すかの如く、その作業がなかなか大変で、指先だけでは少々難しいケースもある。そんなときにあると便利なのが、チューブ用エアーバルブガイドツールだ。ガイドをリムの穴へ差し込み、ワイヤーで導き引っ張り出すアイデア工具である。その使い方は、
1.チューブのエアーバルブ内に組み込まれるムシを外す。
2.スポーク側からガイドを差し込み、タイヤビードの隙間からガイドを引き出す。
3.ムシが締め付けてあったネジ山にガイドを仮締めする。
4.タイヤ側面の軽点マークをエアーバルブ穴に合わせ、タイヤレバーでビードを返して保持し、ハンドルを引き上げてワイヤーを引っ張り、エアーバルブを通過させる。
このような手順でアイデア工具を利用することで、指先が痛くならずにタイヤチューブを仮組することができるのだ。スーパーカブや17インチサイズ以上のリムサイズなら作業性はまだ良いが、16インチ以下の小径リムサイズ、特に、14インチサイズともなると作業性が相当に良くないので、このアイデアツールを利用することで、その素晴らしさ、使い易さには感銘すら覚えるはずだ。
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