メガネレンチやソケットでボルトやナットを回す際は両者の接点は6カ所となり、レンチに10の力を加えた場合に各接点に加わる力は1.6666……となる。
スパナの二面はボルトやナットにベタ当たりで面接触しているように思えるかもしれないが、両者には一定の隙間があるためスパナに力を加えると2点で接触する点当たりになってしまう。ここで10の力を加えると接点に加わる力は5ずつになるため、角部へのストレスが増えてなめるリスクが高くなる。
これは誇張した例だが、スパナで作業するとボルトやナットに斜めの力が加わりやすく、これもまた角部を傷める原因になる。他の部品に干渉して斜めになるなら、ソケットレンチを使用すべきだ。
ブレーキホースのフレアリングナットやバックミラーのロックナットなど、メガネレンチが使えない場所もあるので、スパナを全面的に使わないというわけにもいかない。その際にはナットを傷めないように注意して作業しよう。
アストロプロダクツのツイストソケットセットは収納ケース入りで、シャフトも付属する。開口部が六片の花びらのようなデザインでらせん状の刃が付くのは他メーカーの製品にも共通している。
この製品の場合、メガネレンチとラチェットハンドルが使えるよう根元は六角と四角凹を備えている。
ボルトやナットの傷み具合に応じて、ソケットを叩いて食い込ませるのもひとつの使い方だ。ハンマーを使うことでソケット内面の刃がタガネのように作用して空回りを回避できる。
あらかじめ叩き込んでおけば、メガネレンチやソケットレンチは回すことだけに専念できる。サビで固着した排気系のボルトやナットで使用する場合、ネジが折れてしまうこともあるので、潤滑スプレーを充分に浸透させてから作業すること。
外れたボルトやナットがソケットから抜けなくなったら、ソケットの根元から付属のシャフトを挿入してハンマーで叩いて取り外す。らせん状の刃はそれだけ強固に食い込むのだ。