スポーツバイクの可能性を追求した、稀代のシングルスポーツ「SRX600」【画像ギャラリー】

モト・ライダー誌の企画から生まれたロードボンバーは、オリジナルのダブルクレードルフレームにXT500のエンジンを搭載したロードスポーツ。レースにも参戦し、シングルエンジンスポーツバイクのポテンシャルの高さを証明した。写真提供：三栄 モーターファンBIKES

SR500/400は、フレームをオイルタンクとしたセミダブルクレードルフレームに、XT500系のエンジンを搭載。シングルエンジンの可能性を広げたロードスポーツだ。

1984年に登場したSRX250は、32PSを発生するDOHCエンジンを搭載。当時流行していた角形のヘッドライトを採用した、ヨーロピアンスタイルモデルだった。

フレームマウントのカウルを採用したSRX250Fは、そのスタイリッシュなデザインもあったヒットモデルとなる。

1985年に追加された丸型ライト仕様のSRX250。同年発売されたSRX600/400とデザインの統一化を意図したモデルと言える。

SRX600/400の初期モデルは前後18インチホイールを採用。各部のデザインや乗り味、質感などに徹底的にこだわり、唯一無二とも言えるシングルスポーツバイクに仕立てられた。

フロントに17インチホイールが与えられ、よりスポーツバイクとしての完成度が高められた後期型。スリムながら無骨で迫力を感じさせるデザインは、今見ても美しい。

1980年代のヤマハらしさが詰め込まれたデザインは、ベーシックなバイクらしさを失うことなく新しさも感じさせるものだった。

ハンドルが低めなので上半身は思ったよりも前傾姿勢となるが、ステップ位置も適切なのでキツさを感じさせるものではない。

車体がスリムなこともあり、足つき性は良好。身長171cm、体重65kgのライダーが跨ると、両足がかかとまてしっかり地面に着く。

シンプルな丸型ヘッドライトと、コンパクトなメーターで構成されるフロントフェイス。ウインカーは横長でスリムなデザインの物だ。

センターにホワイトパネルのスピードメーターを配置し、タコメーターを後付け風にしたレーサーライクなコックピットはデザインのこだわりを感じさせる。

ハンドルはトップブリッジ上に取り付けられるタイプのセパレートタイプ。スポーティなポジションを生み出している。

スリムなデザインのフューエルタンクだが、容量は15Lが確保されているので300km前後の航続距離を持つ。

シンプルなデザインのシートは前後の段差が少なく、無理なくタンデムできるデザイン。シートに設けられたキーホールが特徴的だ。

ギュッと後ろに向かって絞り込まれたテールカウルから、テールライトにつながるラインが個性的で美しリア周りのデザインを生み出している。

始動をキックスタートのみとした、XT600由来のSOHC4バルブエンジン。シングルらしいトルク感が生み出す走りはSRXのも力のひとつだ。

コンバクとなエンジンが、SRXのスリムさを生んでいる。ミッションは5速で、1987年からは5速の変速比が変更されている。

ミニマムなデザインのステップ周りは、シンプルさもコンセプトとしたSRXらしいデザイン。ヒールプレートを兼ねるタンデムステップのステーはアルミ製だ。

この車両はマフラーがヨシムラ製のサンパーに変更されている。独特の理論が生み出したエキゾーストパイプの途中に鋳物の膨張室設けたこの独特のマフラーは、多くのSRXユーザーに装着された。

SRX600には当初ダブルディスクが装着されていたが、後期型では大径デイスクローター+4ポットキャリパーに変更されている。

後期型からフロントホイールが17インチ化され、ホイールデザインもレーサーレプリカなどに採用されていた中空3本スポークタイプに変更された。

リアブレーキは2ポットキャリパー+ソリッドディスクローターの組み合わせ。ホイールデザインは新しくなっているが、サイズは18インチのままだ。

リアショックのリザーバタンクは通常後ろ側に来るのだが、SRXでは前側に来るようにセットされる。組み合わされるスイングアームは、シンプルな角型のスチール製となる。

フルモデルチェンジしたSRXはリアサスペンションをモノショック化し、スイングアームもアルミ製となる。そして、エンジンにはセルフスターターが装備された。

レアな絶版車両が並べられるショールーム。カラーバリエーションや年式なども、幅広く揃えている。