CBの元祖にして伝説の始まり、ワークスマシンに勝利したベンリイCB92スーパースポーツ【画像ギャラリー】

1959年4月に発売されたベンリイCB92スーパースポーツ」。その名のとおりレース参戦を意識した車両で、4ストローク124ccSOHC空冷2気筒を搭載する。当時価格は15万5000円。大卒初任給が1万200円の時代だけに高級車だった。展示車は1963年モデルだ。 ※写真はホンダコレクションホール展示車両（以下同）

フレームはバックボーンタイプのプレスチャンネル製で、リヤフェンダーと一体型。まだ実用車的な装備が残っていた。

丸みを帯びたヘッドライトに小型スクリーンを採用。レース参戦向けに保安部品が外しやすい設計としている。Fサスはボトムリンク式。リヤショックは減衰力を3段階に切り換えできる。レース用のマフラーやタイヤ、ハンドルを設定。スプロケットは3種類販売され、ギヤレシオを変更できる。

「ドクロタンク」と呼ばれる新設計の燃料タンクは、グラマラスなデザインとニーグリップ用のラバーが特徴的。

360度クランクの4ストSOHC空冷パラツインは高圧縮比、高回転、高出力を狙い、リッターあたりの馬力は100PSを突破。フリクションロス低減のため、コネクティングロッドを軽量化し、細軸クランクピンも採用されている。

当時では珍しいセルスターターを導入。フラットなバーハンドルを採用する。

メーターは白い文字盤に140km/hまで表示。オプションでタコメーターも装着できた。

前後とも機械式ドラムブレーキ。制動性能を確保するため、フロントブレーキは200mmに大径化するとともにツーリーディング方式を採用した。

エンブレムは精巧なウイングマークと「Honda Benly125」の文字をあしらい、2本のビスで固定されている。

当時のカタログ。写真右がCB92スーパースポーツで、左は兄弟車として併売されたツーリング向けの「ベンリィC92」。