絶版車は絶版車らしく、今どきのパーツは付けない方がカッコイイという意見もあるが、スマホのナビは止められないというライダーも多い。そうなると、必然的にUSB電源が必要で、車体配線から電気を取り出さなくてはならない。
上のカワサキKZ900LTDの純正ヒューズはZ1の1系統より進化しているものの、わずか3系統。青配線のヘッドライド、赤/青配線のテールランプが10Aなのに対して、メインの白配線は20Aとヒューズ容量が大きい。だがこれを過信して消費電力の大きな電気パーツを追加したり、追加したパーツの配線がショートしてヒューズが切断すれば、イグニッション系の電源が落ちてエンジンが止まってしまう。
デイトナのアクセサリー電源ユニットD-UNITは、バッテリー端子から直接得た電気を4系統に出力できる電気系部品。ただバイパスするだけだと常時電源になってしまうが、バイクのメインキーONで通電する回路にアクセサリー電源ハーネスを接続することで、キー連動タイプの電源として機能する。
出力できる電源は、先端にギボシが付いた3組の赤黒配線と、ケース内部のナット締め付け1組の合計4系統。各系統のヒューズは7.5A×1、5A×2、2A×1で、合計20Aとなる。通常、リレーを使ったバッテリー直結回路を作る場合、1回路につき1個のリレーを使用するが、D-UNITは基板を用いることで1個のリレーで4系統をまかない、コンパクトにまとまっているのが特長。
D-UNITの電源コードをバッテリーターミナルに直結する。車種にもよるが、シート下に空きがある絶版車なら取り付け場所も簡単に見つかる。また、余計なスペースがない現行モデル向けには防水ケース仕様のD-UNITもある。
D-UNITの電源コードと一緒にあるアクセサリー電源ハーネスを、メインキーONで通電する車体配線に接続する。ここではウインカーリレーにつながるプラスの端子を二股にして、リレーとD-UNITに接続した。このハーネスはD-UNITのリレーを作動させる電源となり、大電流が流れるわけではないので、車体配線に大きな負荷が掛かることはない。
冬場のライディングの助けになるホットグリップ ヘビーデューティー ビルトイン4Sn。フィルムヒーターの採用でスリムなグリップの根元にスイッチを内蔵(左)することで、すっきりとした見た目を実現。4段階の温度調節ができ、スイッチ横のLEDランプで温度レベルを確認できる。
純正グリップとはデザインが異なるが、大きな違和感はない。グリップヒーターで指先を温めると血流が促進され、冬場のライディングがとても楽になる。
ホットグリップのハーネスをシート下に取り付けたD-UNITまで引き込み、ギボシ端子で接続する。プラスとマイナスのどちらも端子で接続できるので、バッテリーのマイナスターミナルに丸型端子やクワ型端子が積み重なってしまうことがないのもD-UNITを使用するメリットだ。ドライブレコーダーやスマートモニターの電源も簡単に接続できる。
熱を発生するホットグリップは電気パーツの中でも消費電力が大きい部類に入る。既存の車体配線から分岐すると、バッテリーからキーシリンダー、ハーネスやコネクターに通常より大きな電流が流れるため過熱の要因となる。D-UNITを使うことでバッテリー直結で電気が流れるため、車体配線への負荷なく電気パーツを使用できる。