チーム対抗・電動バイクレース FIM E-EXPLORER WORLD CUP 万博記念公園大会レポート！【画像ギャラリー】

2020年に「シティトライアルジャパン」が開催された大阪万博記念公園の会場には、土と木材によるセクションが展開されていた

木材で作られているジャンプやフープスなどのセクションは土と異なり形状変化はないものの、時に滑りやすくミスも誘発。金曜日にはマシンのパワーに負けて破損してしまい、一部急遽補強を入れる対策が施された

2020年に「シティトライアルジャパン」が開催された大阪万博記念公園の会場には、土と木材によるセクションが展開されていた

大阪万博（EXPO2025）開催を来年に控えている大阪府の吉村府知事も来場。バイクが大好きで、いまでも時折ツーリングしているという。全身FASTHOUSEのウエアに身を包んだ姿は、オフロードレーサーそのもの！

通算13度の全日本トライアルIASチャンピオンを獲得している小川友幸選手と、電動トライアルマシンで全日本選手権に参戦中の黒山健一選手もかけつけ、レース中の解説で盛り上げてくれた

2024ダカールラリーで存在感を見せながらも負傷リタイアに終わったトーシャ・シャレイナ選手（HRC）。男性トップのホルヘ・ザラゴサ選手とはスペインの同郷だ

オーストラリアを代表する女性エンデューロライダーのジェシカ・ガーディナー選手も来場。決勝は3ヒート共にDNFという残念な結果だったが、またいつか勇姿を見せて欲しい！

レースの方も白熱のバトルが展開され徐々に盛り上がりを見せていく。男子レース1はロビーマディソンレーシングのホルヘ・ザラゴサ選手（STARK）が優勝。

MXGPに参戦するスペイン人モトクロスライダーのホルヘ・ザラゴサ選手

MXGPに参戦するスペイン人モトクロスライダーのホルヘ・ザラゴサ選手は、STARKを駆り、頭一つ抜きん出た速さで、男性クラスを圧勝した

スタートはモトクロスと同様にスターティングゲートから横一線に発進。エンジン音のない不思議な世界だが、トラクションのかかり方はエンジン搭載車以上

女性同士の戦いでもあり、チーム戦でもある。HRCの重圧を背負いノチェラ選手が激走した

女性同士の戦いでもあり、チーム戦でもある。HRCの重圧を背負いノチェラ選手が激走した

昨年度チャンピオンのインデレーシング、ゴメス選手は女性クラスで優勝した。バイクはKTMだ

インドからの大応援団が、「サンドラ！サンドラ！」と、ゴメス選手を熱烈応援。ゴメス選手が1台抜くたびに大いに盛り上がった

最後のレースとなった女子レース3。レース1で4位と出遅れたノチェラ選手がヒート2に続きこのレースも果敢にトップを目指した。パッシングするたびに、会場も盛り上がる

女子レース3のノチェラ選手の優勝により、HRCがロビーマディソンレーシングを逆転。

僅か1ポイント差で総合優勝を獲得した喜びの瞬間

レース前日の木曜日に2時間ほどカオフェンで試走しただけの保坂選手と菅原選手だが、本番では全レース完走をしてみせた。

いつもと異なるレースをエンジョイ！

日頃は全日本エンデューロ選手権（JEC）に参戦するIAライダーの保坂修一選手。 「すべてが初めての経験でとても楽しかったですし、学ぶことも多かったです。根本的にエンジン搭載車とは挙動もパワーの出方、路面の荒れ方などが異なっていました。ヤマハTY-Eはアイドリング機能があるので別格だと思うのですが、基本的にモーターなのでジャイロ効果がなく、想像以上に車体を寝かせにくいんです。アクセルオンオフのメリハリも強くて、ジャンプ着地点に轍ができたり、轍そのもののでき方もまるで違います。モトクロッサーで例えるとHRCやSTARKは450ccで、カオフェンは85ccくらいのパワー差なので勝負は厳しいですが、それでも初めてでもすんなりと乗れましたし、性能の良さを体感することができました」とコメントしてくれた

元全日本モトクロス選手権レディースライダーで、現在はWEX（クロスカントリーレースシリーズ）に参戦中の菅原悠花選手はヒート1で5位と健闘。ヒート2、3はマシン破損のため全力で攻めることができなかったが、完走を果たした。「日頃250ccに乗っているのでパワーはさほど感じませんが、車体が軽くて動かしやすいですね。スピードを落とさずに走るためには轍やギャップを避けないと飛べないジャンプがあったり、パワーの出方なども、いつもとはちょっと違いました。また機会があれば参加してみたいです」

日本人ライダーの奮闘を鼓舞する応援団。旗を振るのはラリーストでもあるビバーク大阪の杉村晋吾代表と娘さん。そして欧州風にホーンを鳴らしていたのはISDE参戦経験の豊富なエンデューロライダー滑川勝之選手

電動バイクレースならではの注意点もブリーフィングで説明された。転倒車にマーシャルが触れることはできず、火災などが発生した際もスペインから来日した専任の消防士に一任された

急遽インデレーシングのメカを担当することになった肥後守メカと遭遇。肥後氏は全日本モトクロストップライダーのベテランメカとして活躍している

会場内では電動バイク「GOWOW」「TORROT」を扱うモータリスト

「Surron」を取り扱うコハクジャパンもブースを展開していた

本大会に公式スポンサーとして協賛した（大阪大会のみ）DUNLOPスタッフの姿も見られた

トロフィーは、おなじみ「太陽の塔」を模したデザイン！

男子レース優勝はホルヘ・ザラゴサ選手（ロビーマディソンレーシング）、2位トーシャ・シャレイナ選手（HRC）、3位ディラン・ウッドコック選手（ボンネル）

女子レース総合優勝はサンドラ・ゴメス選手（インデレーシング）、2位フランチェスカ・ノチェラ選手（HRC）、3位ターニャ・シュロッサー選手（グラビティ）

総合優勝に輝いたのはHRC。今季よりワークスとしての参戦となるだけに、幸先の良い一勝をあげた

日本側のプロモーター「株式会社MIDORI（森脇緑）」からレースグループのプロデューサーを一任された小島庸平氏。