イタリア下院で2026年7月16日、自動車および二輪車のカスタム(個人仕様化)を法的に規制・公認する法案の発表会が開催された。この法案は、約148億ユーロ(うち約95億ユーロが二輪車部門)に上るカスタム産業を国家レベルで保護し、経済的・技術的な地位を確立することを目指すものである。モーターバイクエキスポの最高経営責任者であるフランチェスコ・アニョレット氏も登壇し、業界の健全化に向けた意義を強調した。

●出典:モーターバイクエキスポ

大きな経済基盤を成す、イタリアのカスタム産業

イタリアのローマにある下院のサラ・マッテオッティにおいて、ジャンドナート・ラ・サランドラ下院議員の発案による「自動車および二輪車のパーソナライズのための製造、改造、適合活動の規律」に関する法案の発表会が開催された。本法案は、これまで法的な位置づけが曖昧だったカスタム文化を、国家レベルで経済的、技術的、文化的に公認することを目指す歴史的な取り組みだ。

イタリアにおけるカスタム産業は、小規模な職人から部品メーカーまで多岐にわたり、市場規模は約148億ユーロに達する。そのうち二輪車部門だけで95億ユーロを占めており、メイド・イン・イタリーを支える重要な経済基盤となっているが、現行の規制は他国に比べて厳しく、不透明な状況が続いていた。

この課題を解決するため、法案では2つの柱が提示された。1つ目は、カスタム業界専用の産業分類コードであるアテコ(ATECO)コードを新設し、統計的および経済的な公式アイデンティティを与えることである。

2つ目は、メイド・イン・イタリー省に「カスタム企業国家登録簿」を設置することだ。登録された企業は、研修を受けた技術責任者の監督のもとで、実施したカスタム作業に対して法的価値のある証明書を発行できるようになる。これにより、公認部品の取り付け手続きが大幅に簡素化される見込みだ。

オートバイのカスタムをイタリアの戦略的分野に

発表会には、モーターバイクエキスポの最高経営責任者であるフランチェスコ・アニョレット氏が登壇。同氏は、30年以上にわたりカスタム文化を支えてきた立場から、法制化による品質基準の明確化がプロの保護と消費者の安心につながると訴えた。

「オートバイの改造やカスタマイズを規制するということは、何よりもまず明確な品質基準を確立することを意味します。国家登録制度、技術管理者の役割、そして作業認証は、プロ意識、訓練、責任感を持って作業を行う者と、いい加減なやり方をする者を区別するための具体的な手段です。これは消費者への保証、市場の保護、そして不確実な環境下で今日働く多くの献身的な専門家への評価につながります(アニョレット氏)」

アニョレット氏は、適切な技術とプロ意識に基づく改造は車両の危険性を高めるものではなく、むしろ性能や信頼性を向上させると指摘する。その上で、ドイツの技術検査協会であるテュフ(TÜV)のように、公認機関が改造を検査・承認する仕組みを導入することで、自由なイノベーションと厳格な安全管理が共存できると主張した。

この発表会には、イタリアモーターサイクル連盟(FMI)の副会長や他のカスタムイベントの創設者、国会議員らも出席し、活発な議論が行われた。発案者のラ・サランドラ議員は、カスタムをメイド・イン・イタリーの戦略的部門として位置づけ、雇用創出や国際的な魅力を高めたいと意欲を示している。

今後は下院での審議が進められる予定であり、長年曖昧だったカスタムバイクを取り巻く環境が、より安全で開かれたものへと変化することが期待される。

Motor Bike Expo:https://www.motorbikeexpo.it/en/

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    BIMOTAも元を辿れば、フレームのカスタム屋さんから始まり、カスタム車メーカーとなった。

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