2026年4月15日、筑波サーキットに隣接するオートレース選手養成所(茨城県下妻市)において、第40期選手候補生の入所式が執り行われた。受験者総数397名、競争率は20.9倍という厳しい入所試験を勝ち抜いた19名の候補生たちは、これから始まる過酷な訓練に向けて決意を新たにした。また故阿部典史さんの長男である阿部 真生騎候補生をはじめとするロードレース経験者も名前を連ねている。

売上好調なオートレースの未来を担う新星たち

近年のオートレース業界は、インターネット投票の普及を背景に売上を大きく伸ばしている。2025年には9年連続で売上増を記録し、売上額は約1,296億円に達した。
こうした追い風を受けるオートレース界にとって、次代を担う選手の育成はますます重要性を増している。式で訓示を述べた公益財団法人JKAの木戸寛会長は、「みなさんもしっかりと訓練を積んでいただき、卒業した後は、お客様に期待される魅力あふれる選手となれるように頑張ってください」と候補生たちを激励した。
また、候補生を代表して𠮷岡里奈候補生が宣誓を行い、「強い覚悟と感謝の心を胸に刻み、日々鍛錬に励み、互いに切磋琢磨してまいります」と力強く述べた。
入所式を終えた候補生たちは、ここから全寮制の厳しい環境下で約9ヶ月間の養成期間を過ごす。体力作りの基礎から始まり、オートレースの最大の特徴である「エンジンの分解・整備」の習得、さらに独特なオーバルコースでの走行訓練などに取り組んでいく。

宣誓を行なった𠮷岡里奈候補生

ノリックジュニアがオートレースに転向

ロードレース世界選手権(WGP)で通算3勝を挙げ、日本のモータースポーツ史に大きな足跡を残した「ノリック」こと阿部典史氏(享年32)。その長男・阿部真生騎選手も、第40期選手候補生として入所式に参加。新たにオートレースの世界へ挑むことが明らかになった。

ノリックの長男である阿部真生騎選手

真生騎候補生は13歳でバイクに乗り始め、4年後の2021年から全日本ロードレース選手権ST600クラスに参戦。その後はスーパースポーツ世界選手権やイタリア選手権など、海外にも活躍の場を広げ、世界を相手にレース活動を続けてきた。
しかし、2024年末をもってロードレースでの活動を休止。今回、舞台をオートレースへと移し、新たな一歩を踏み出すこととなった。

2023年はスーパーバイク世界選手権SSP600を戦った

転身を決意した大きな理由は、イタリアでのレース活動にあったという。
単身でイタリアに渡り、現地で生活しながらレースに挑んでいた真生騎候補生。しかし、シーズン終盤の3〜4戦で立て続けにマシントラブルに見舞われ、レース途中でバイクが止まってしまう悔しさを味わった。
この経験を機に、「自分の手でマシンを整備し、己の力のみで走る」というオートレースの競技性に強く惹かれ、自らの意思で転身を決意したという。
前述の通り、父は日本を代表するロードレーサーである一方、祖父の阿部光雄氏は元オートレース選手。オートレースへの挑戦について光雄氏からも「頑張れ」とシンプルなエールをもらったそうだ。
ロードレースへの未練は、すでにないという。整備面でのミスをなくし、最高峰のSGレースでしっかりと勝てるオートレース選手になりたいと力強く語った。
このほか、第40期選手候補生には、中村修一郎候補生や加藤愛基候補生といったロードレース経験者に加え、トライアル経験者の濵邉伶候補生も名を連ねている。
第40期選手候補生たちは、それぞれ異なる経歴や思いを胸に、オートレース選手を目指す新たな一歩を踏み出した。これから待ち受ける厳しい訓練の日々を経て、どのような選手へと成長していくのか。オートレースの未来を担う若き候補生たちの挑戦に注目したい。

施設名:公益財団法人JKA オートレース選手養成所
住所:〒304-0824 茨城県下妻市村岡乙159 筑波サーキット内
公式HP:https://autorace-jia.jp/

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    まあロードレースよりよっぽど稼げるうえに、世界選手権のしょうもない政治的な問題もない。

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