モンキー125やCT125ハンターカブなど、マニュアルミッションのホンダ原付二種のみを扱う「Cub HOUSE(カブ ハウス)」の日本第1号店が4月25日、埼玉県戸田市にオープンした。車両販売や整備はもちろん、違法でなければどんなカスタムも相談に応じてくれるというから驚く。今までのホンダ正規ディーラー(ホンダ二輪車正規取扱店)にはない、新たなコンセプトのショップが誕生する。
⚫︎写真:編集部/ホンダ
ホンダ正規ディーラーでフルカスタムも可能!
「カブハウス」はホンダの原付二種マニュアルミッション車のみを扱う新コンセプトショップで、具体的にはモンキー125/CT125ハンターカブ/ダックス125/スーパーカブC125/クロスカブ110/スーパーカブ110/スーパーカブ110プロ/グロム/CB125Rという9機種の専門店となる。店といっても250cc以下のホンダ車を扱う正規ディーラー「ホンダ コミューター」の店内で、専門コーナーのような形を基本として展開される予定だ。
その特徴は「カスタム」を前面に押し出していること。新車販売やその整備、純正オプションやアクセサリーの装着はもちろん、カブハウスが企画した、GクラフトやSP武川など著名メーカーとのコラボパーツも数多く用意される予定。特筆すべきは安全性が担保された合法の範囲なら、ボアアップキットなどのエンジンチューンなども相談に乗ってもらえる点だろう。ユーザーが望めばフレーム以外のパーツを全交換するような、100万円規模のオーダーメイドフルカスタムにも対応するというから「本当にホンダ正規ディーラー?!」と訝ってしまいそうな話ですらある。
少し前を考えると隔世の感だが、これはカブハウスの目指しているものに理由がある。ユーザーこだわりのバイクライフに寄り添い、多くの人にもっと長く、バイクのある生活を楽しんでもらいたい。その手段としてモンキーやハンターカブといった通称アイコニックシリーズのカスタムを手がけることで、ユーザーがバイクを手放さず、長い時間に渡ってバイクライフを楽しみ、かつショップとも長くつきあってくれる。そんな関係性を構築する狙いがあるのだ。
見ての通り、店外/店内ともにデザインには非常にこだわっており、「カスタムしたいけど、専門ショップにいきなり行くのはちょっと…」というユーザーも門を叩きやすいはず。バイク人口が減り続け、厳しい状況が続く日本の二輪市場への、ホンダとしての打開策のひとつと捉えていいだろう。
このカブハウス、本格展開は2026年秋以降を見込んでおり、最終的には日本全国で約200拠点を想定している。これが実現すればホンダドリーム店の規模(約170店)を上回るが、数を追うのではなく、カブハウスというブランドを理解し、ユーザーにその価値を提供できる店舗かどうかを見極めながら拡大していくという。
ちなみにカブハウスの「Cub」は、CULTURE/UNIQUE/BIKESの頭文字を取ったもの。スーパーカブに引っ掛けているのは言わずもがなだが、前述の9機種ならカブ以外でも取り扱うのでご安心を。

カブハウスのプロジェクトリーダーを務めるホンダモーターサイクルジャパンの徳原昌敏さん。「我々が企画するカブハウス専売品を販売する一方、それ以外のパーツを使って販売店様が独自の提案をできる。それもカブハウスの魅力と考えています」
戸田美女木店は「カブハウス・ジャパン(仮)」の発起人?
今回オープンした1号店「カブハウス戸田美女木」はホンダドリーム戸田美女木に隣接しており、運営も同店を運営する株式会社ホンダ二輪・美女木が行う。ただしドリーム店とは同居できない決まり(コミューター店ならOK)があるため、敷地内で独立した建屋とされているのが特徴だ。
先述のように店内の1コーナーがカブハウスの基本形態となるため、独立店舗型の戸田美女木店はカブハウスのトライアル1号店といった位置付け。今後、日本のカブハウスのひな形となり、そのイメージを牽引していく先導役と言ってもいいだろう。
カブハウスはもともとは2018年にタイでスタートしており、カスタムを主軸としてコンプリート車の制作まで行うほか、店内にはカフェも併設するなどバイクライフ全般を楽しませる仕掛けを盛り込んだコンセプトショップ。ホンダ二輪・美女木の社長を務める田村充宏さんは7年前に現地を視察し、いたく感激したのだという。
「当時はコロナの少し前で、日本の二輪業界は下降線だった時期です。なのにタイではバイク文化が発展/成熟していて、楽しみ方や付き合い方が日本とは全然違った。バイクが生活やファッションの一部として受け入れられている姿に衝撃を受けまして“これを持って来れれば、日本のバイク市場も変わるのではないか?”と、ホンダモーターサイクルジャパンさん(ホンダの国内二輪販売会社。通称HMJ)に交渉したのが、今考えてみれば当社が日本1号店になるきっかけだったかもしれません」
当然すぐにOKが出たわけではないが、HMJサイドとは継続して話し合いを続け、正式にGOとなったのは昨年のモーターサイクルショー。そこから1年間かけて店舗の準備を進めていき、今回のオープンにこぎつけたという。
それだけに店舗の内外には、田村さんのこだわりが存分に注がれる。頑強な棚を作って立体展示された旧世代モンキーや、コンクリート打ちっぱなしのような柱や床など、タイのカブハウスらしい雰囲気が各所で再現されているのだ。
先述のようにカブハウスはホンダ流の日本市場打開策であり、その展開はHMJの正式施策として進められてきたわけだが、話をお聞きしていると、田村さんの行動はそのきっかけとなったようにも感じる。
「いや、さすがにそれはないと思いますが、でも本来ならこうした新しい施策は、まずはHMJさんの直営店が手がけるものです。それを弊社が担当させてもらえたことは普通ではないかもしれません。すごく嬉しいですし、逆に責任も感じますね(田村さん)」
様々な文化が存在する日本の原付一種/二種クラス。それらのいい部分を取り入れつつ、日本らしいカブハウスを提供していきたいという田村さん。取り扱う9機種をいかに長く、安全に乗ってもらえるかに全力を注ぎたいと語る。
「我々はドリーム店も一緒に運営していますが、少し高齢になるとお客様は小さめのバイクに流れていきます。そんな方々に最後までバイクとお付き合いしていただく提案もしていきたいですし、そうした場としてもカブハウスは最適と考えています(田村さん)」
オープン前日にはHMJの室岡克博社長も訪れ、壁面に「日本のCub HOUSE、ここからスタート!」と揮毫を残していったカブハウス戸田美女木。今後の施策や展開を楽しみにしたい。
カブハウス戸田美女木<店舗概要>
・所在地:〒335-0031 埼玉県戸田市美女木3丁目20-11
・営業時間:10:00~18:30
・定休日:毎週水曜日、第2・4火曜日
・TEL.:048-424-7022
・カブハウス公式サイト:https://www.honda.co.jp/CubHOUSE/
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