本日(1月2日)の箱根駅伝、1区でランナーを先導している白バイに「んん?」となった方も多いのではないだろうか。白バイとしてはメジャーなホンダCB1300や、近年導入が始まったNT1100とはずいぶん異なるが…あれはナニ? その正体を解説しよう。
※画像の一部に生成AIを使用しています
目次
国内未発売の電動スポーツ「ホンダWN7」
今回、1月2日の往路1区(大手町~鶴見)と、1月3日の復路10区(鶴見~大手町)の東京都内区間で先導を務めるのは、ホンダ初の電動スポーツバイク「WN7(ダブリューエヌセブン)」の白バイ仕様だ。
これまでも警視庁のマラソン先導ではBMW製の電動スクーター・Cエボリューションなどが使われてきたが、国産メーカーの、モーターサイクルタイプの電動白バイは今回のWN7が初導入。もちろん箱根駅伝を先導するのも初めての試みとなる。
これは小池百合子東京都知事の意向を反映したもので「2035年までに東京都で販売されるバイクを100%電動化する」という目標の一環。小池都知事には以前から「次は国産メーカーの、モーターサイクル型の電動バイクを白バイにしたい」という意向があり、ホンダがその要望に応じた形だ。WN7白バイは計4台が制作されており、ホンダが警視庁に貸与する形で運用されるという。
登録は特例扱い。シフトペダル“らしき”ものも装備?!
とはいえ、このホンダWN7、2025年11月にイタリアのミラノショーで発表されたばかり。日本では発売もされていないし、登録してナンバープレートを付けるのに必要な「型式認定」もまだ取得していない。そのため、今回は特例的に警察車両として登録されており、ナンバープレートには見慣れない「0」の文字が識別用として入れられている。
また、WN7は「(エンジン車の)600cc級の出力に1000cc級のトルク」を謳う非常にパワフルな電動バイクだが、登録はエンジン車の125〜250ccに相当する軽二輪扱い。これは電動車がモーターの定格出力でクラス分けされるためで、20kWがその境となるが、WN7の定格出力は18kWなのだ(免許も普通二輪免許でOK)。
白バイ化に際してはパトライトやサイレン、リヤボックスが追加された程度で、大きな改変は行われていないが、左側ステップにはシフトペダル「らしき」ものが追加装備されている。WN7は電動バイクのため変速機がなく、当然ながらノーマル車にはクラッチレバーやシフトペダルは装備されていないのに、だ。
これは白バイ警官からのリクエストによるもので、彼らは乗車姿勢を美しく保つのに、シフトペダルを足首の角度のガイドに使うことがあるのだそう。つまり機能的にはサブのフットレストとでも言うべき部品で、シフトペダルではないのでもちろん可動はしない。
ちなみにWN7は白バイ化されても車重235kg(ノーマルは217.5kg)と、CB1300(ノーマルで266kg)やNT1100(同249kg)の白バイよりも大幅に軽い。白バイ警官からは軽さから来る機動性の高さのほか、静かさや振動の少なさ、クラッチレバーのない乗りやすさなども高く評価されているとのことだ。
車体はフレームレス構造。日本での価格は150〜160万円?!
ここからはベース車両のWN7について。その車名は「Wind Naked 7(7はパワークラスで、700cc相当を指しているようだ)」の略で、トピックはホンダが初めて市販するスポーツバイク型の電動バイクという点。今までホンダが一般市販してきた電動バイクはすべてスクータータイプなのだ。
ホンダいわく「内燃機関では味わえない爽快なライディングを実現」しており、主に欧州の都市部での使用を前提に開発。水冷式モーターの最高出力は50kW(68ps)で、トルクはエンジン車なら1000cc級の100Nm(10.0kg-m)を発生する。0-100km/h加速は4.6秒で、これはCB500ホーネット(日本では未発売)よりも速いとのこと。最高速度は129km/hと発表されている。

また、1充電あたりの最大航続距離は140kmだが、搭載される定格9.3kWhのリチウムイオンバッテリーは欧州の急速充電規格・CCS2に対応しており、容量20%から80%の急速充電を30分でこなせる能力を持っている(通常充電の0→100%は家庭用電源で5.5時間、専用充電器で2.4時間。充電関連のデータは全て欧州仕様のもの)。回生ブレーキも搭載される。
その真四角なバッテリーをあえて露出し、デザインとして見せているのもポイントだが、このバッテリーが車体の一部を兼ねる、いわゆるフレームレス型式なのもWN7の特徴。下の図がわかりやすいが、バッテリーを収めるアルミ製ケースを中心に「ヘッドパイプホルダー」がフロント周りを支え、モーターを囲い込む「ピボットブラケット」が片持ちアームのリヤ周りを支持する、なんとも特徴的な車体構成を持っている。
これはエンジン車のようにフレームに適度な柔軟性を持たせ、自然な操縦性やしなやかな乗り心地を獲得するための構造。ホンダはWN7の開発に際して「今まで内燃機関のバイクで培った、あらゆるノウハウを投入した」と述べている。これはエンジン車に慣れ親しんだライダーが違和感なく乗れるという意味もあるだろうし、意訳するなら“電動バイク専業メーカーには作れないバイクだぞ!”という、ホンダの自信の表れと見てもいいだろう。
歩く程度の速度での前/後進が可能なウォーキングモードや4つのライディングモード、コーナリングABSやトラクションコントロールなども装備し、5インチTFT液晶メーターはスマホ連動機能も採用する。欧州では既に発売されており、イギリスでの価格は1万2999ポンド(≒274万円)と、CRF1000LアフリカツインのSTDモデル(1万3399ポンド)より若干安いといった価格設定。日本での発売は2026年中と予測されるが、イギリスでのアフリカツインとの価格差から類推すると、価格は150〜160万円程度になるのではなかろうか。
〈動画〉WN7 Model Features
この記事にいいねする



















































