ビギナー向けの安全運転講習会「ベーシックライディングレッスン」が全国各地で実施中。女性のみ参加できるレディースデイも行われているのが特徴だ。千葉運転免許センターで実施されたレッスンに、ユーチューバーの「ぴの子」さんが参加! その模様をレポートしよう。

ビギナー限定のレッスン、女性ライダーにも安心

公道走行が不安、免許取得して1年未満、長年運転していない……など運転に不安を持っている初心者向けの安全運転講習会がBasic Riding Lesson(ベーシックライディングレッスン 以下、BRL)だ。

日常点検からライディングまで、安全に乗るためのテクニックを白バイ隊員や二輪車安全運転指導員がアドバイス。原付スクーターから大型バイクまで車種や排気量を問わず参加できる。バイクは受講者による持ち込みで、二輪車防犯登録制度に加入しており、自走での参加が条件だ。

BRLは2024年からスタートしたが、それまでは「グッドライダーミーティング」として1991年から32年間も開催してきた。これが名称と内容を変更し、ビギナー向けのレッスンとして生まれ変わったのだ。クラスは2つあり、免許取り立ての「初心者」、乗車経験がある「初級者」を用意している。

今回参加したのは、10月18日、千葉県運転免許センターで行われたBRL千葉のレディースデイ(主催:日本二輪車安全普及協会、千葉県二輪車安全普及協会)。BRLでは男女とも対象だが、時折、女性限定のレディースデイを開催し、女性にも参加しやすい回を設けている。

この日は、メディア取材の女性初心者ライダーと一般ライダーの計24名が参加。Webikeプラスではユーチューバーの「ぴの子」さんにBRLを体験してもらった。

ぴの子さんは「ぴの子のぶぉんぶぉんch」(https://www.youtube.com/@pinoko)やバイク雑誌などで活躍中! 受講者では会場に一番乗りだったので、ゼッケン1を獲得。やる気タップリだ。Xアカウント=https://twitter.com/PINOKO_bike instagramアカウント=instagram.com/pinoko_ch

 

ぴの子さんの愛車はST250。2022年7月に普通二輪免許を取得し、普段は普段は週1回程度、街乗りやツーリングで乗っている。BRL東京に昨年参加した経験がある。

現状ライディングでは、ブレーキングに不安を感じているという。「以前、フロントブレーキを効かせると転倒しやすいと聞いて、リヤブレーキに頼ってしまう傾向があるかもしれません。以前、峠道でコーナリング中にリヤブレーキをかけて滑った経験があり、怖かったです」と話していた。

当日は開講式から始まり、次のスケジュールで進められたのでご参考に。

9:50~10:00 準備運動
10:00~11:40 講習
11:40~12:20 昼休み(昼食)
12:20~12:30 講習説明
12:30~13:40 講習
13:40~13:50 休憩
13:50~14:10 安全運転ガイダンス
14:10~14:40 振り返り講習

レディースデイだけに女性指導員も多数参加。女性ならではのアドバイスが聞けるのがうれしい。

講習には千葉県警の白バイ隊員2名も参加。

 

開講式の後、受講者の皆さんや指導員を含めた全員で乗車前の準備体操を実施。そして車両点検、乗車姿勢、服装について、交通機動隊の隊員が説明してくれた。

準備体操では全身をストレッチでほぐし、ライディングでの動きやすさを確保。

 

ライディングポジションに重要な7つのポイントとして「目線」「力み」「肘」「グリップ」「腰の位置」「ニーグリップ」「ステップ」を説明。これらは連動していて、特に目線(顔を向けた方向に体全体が向く)の重要性を話していた。

続いて車両点検では「ブタと燃料」の項目に絞って確認。ブ (ブレーキ)、タ (タイヤ)、ト (灯火類)、燃料についてチェックした。

講師の説明もわかりやすい。乗車姿勢は下ばかり見たり、遠くを見すぎたりせず、広く等しく見ることが重要。目線だけでなく、顔を向けるのもポイントだ。

乗車前の点検は「ブタと燃料」(ブレーキ、タイヤ、灯火類、燃料)が特に重要。ぴの子さんは日常点検が苦手なだけに役立ったとのこと。

低速バランスやスムーズな曲がり方をしっかり学習

走行開始前に余裕を見せているぴの子さんだが……果たして(笑)。

 

そして各クラスに別れ、いよいよ走行の講習がスタート。ぴの子さんは初級者クラスへの参加だ。各課題セクション(ブレーキ、バランス、スラローム)の目的や注意点について説明を受け、実際にバイクで走行した。

まず発進時、特に女性はタイヤが左を向いていることが多いため、走り始めたらまずタイヤを真っすぐにする必要があるとのこと。

低速走行では、パイロンを狭く置いて一本橋のようにゆっくりバランスを取って走行。パイロンスラロームでは、直線のほか、左右に大きくオフセットされたパイロンを旋回しながら走るオフセットパイロンスラロームも行った。「あ、美味しいパイロンさんだ! と思うくらいの気持ちで、上半身を行きたい方向へぐっと向けることが大切です」と講師がアドバイスしていた。

コースは見通しの悪い交差点や横断歩道もあり、操作だけでなく、安全のための認知や判断をすることも求められる。

低速走行ではリヤブレーキやクラッチの使い方とニーグリップの重要性を学んだ。

スラロームはバランスよく、リズムよく走行。最後にUターンの練習ができるようになっている。

しっかりニーグリップして、首だけでなく、腰を回すイメージでヘソを行きたい方向に向けるようレクチャー。

中でもハイライトは、白バイ隊員が追走してのチェック。取り締まりを受けてるみたいで緊張!? でも本日は「赤いモノ」は点灯しないので安心(笑)。

午後から急制動も練習、停まりやすい方法を体感する

午前の講習を終えて、ぴの子さんは「大きなスラロームは初めての経験でした。ヘソを向けて曲げるというアドバイスなど、理屈は理解できるのですが、実際にバランスを取りながら実行するのは難しかったので、まだまだ練習が必要と感じてます」とのこと。

また「自分の乗り方が長年染み付いちゃっているので、これを変えるのが課題ですね」と話していた。

午後からはパイロンスラロームに加え、急制動もレッスン。一定の速度からパイロンからブレーキングし、フロントのみ、リヤのみ、前後ブレーキと使い分け、どれが最も停まりやすいか体験する。停止位置には指導員がいて、アドバイスをしていた。

ブレーキングが苦手と話していたぴの子さんは「フロントブレーキを強く握ることで自分が前に飛ばされるのではないかという恐怖がありました! でも練習を重ねるうちに、思ったよりも強くブレーキをかけても大丈夫だとわかりました。3~4回の練習で制動距離が短くなり、上達を感じることができましたね」と話す。

なお、停止時にはギヤをニュートラルに入れるのも大事。誤ってスロットルを回してもバイクが急発進することがなく、高いギヤに入ったまま発進しようとしてエンストすることもないとのアドバイスも。

急制動ではフロントやリヤだけ使ったり、40km/hから10km/h速度を上げたりして違いを体感。

急制動では加減速時の乗車姿勢や身体の動きも大事。ぴの子さんは「肩に力が入っている」と指導されていたが、回を重ねるとリラックスして急制動できるようになっていた。

 

レッスンの締めくくりは、この日のメニュー全体を含んだコースを周回するBRL千葉オリジナルの「振り返り講習」。先導車に合わせて走行し、学んだ内容をライディングで活かせているかを確認した。ゆっくり走りたい人には別の班をつくってくれるので安心だ。

女性白バイ隊員への質疑応答も。「公道走る時に一番意識した方がいいことは?」との質問に対し、「乗車姿勢。特に腕の力を抜いて懐にゆとりのあるポジションが大事」とのこと。

つきっきりの指導を受け「ニーグリップができておらずヒザが開きがちだったり、曲がる際に肩に力が入り過ぎちゃっていた点を指摘してもらいました。その後、腕をリラックスさせるよう意識したら曲がりやすくなりました」とぴの子さん。

苦手克服にヒント、女性ならではのアドバイスも多かった!

こうして講習が終了。懸案のブレーキングについて「ブレーキをかける際に、加速時と同じく体が前傾しがちだったことがわかりました。自分の認識と全く逆で驚きましたね。前傾ではなく、体を少し引いてリヤに荷重をかけることで安定することがわかり、後輪がロックしたり滑ったりする原因を理解しました。長年の悪い癖に気づく貴重なきっかけとなったと思います」とぴの子さんは話す。

レディースデイだけに、走り方が上手な他の女性参加者のライディングを見ることで、同じような体格でも様々な乗り方の工夫があるのを知れたのもよかったとのこと。女性講師が多く、女性ならではの悩みや気持ちを理解した上でのアドバイスが聞け、納得できるポイントも多かったそうだ。

そして「白バイ隊員が1対1で走りを見てアドバイスをくれる機会はとても貴重」と話す。「特に乗車姿勢に関する指導が印象的。身長と力が不足している分を、体のバランスや乗車姿勢でカバーしていました。力任せではなく、ハンドルを右に切ってバイクを起こすなど様々なコツや工夫を教えていただきました。女性ならではの視点からのアドバイスは非常に参考になります」。

ぴの子さんのレッスン終盤では、傍目から見ても力が抜けてリラックスした走りに。しっかり上達していたのだ。

 

BRLを受けた感想は「非常に充実した1日でした。走り終わるごとに丁寧なレビューがあったため、すぐに改善点を意識して練習することができたのがよかったです。今日教えていただいたことを全てすぐに実践できるようになるのはまだ難しいかもしれませんが、多くの知識を得ることができたので、今後の自分の走りに活かしていきたいと思います」とぴの子さんは話してくれた。

レディースデイについては「男性ライダーが多いことに対する恐怖心を持つ方や、煽られることへの不安がある方にとって、安心して参加できる良い選択肢だと思います。特に初めてBRLに参加する女性におすすめです」という。

初心者に特化して、クローズドコースで不安なく練習でき、ベテランの講師陣に教えてもらえるBRLは、ビギナーにとって強い味方。公道を不安なく走りたいと考えているライダーはぜひ最寄りのBRLに参加してみてほしい。

1日を終えて収穫を得たというぴの子さん。Basic Riding Lessonの詳細はコチラまで(https://www.jmpsa.or.jp/safety/event/event.html)。

画像ギャラリー (17枚)

 

この記事にいいねする


コメントを残す