ホンダは、様々な自転車にモーター、バッテリーを搭載することで電動アシスト化できる新サービス「SmaChari(スマチャリ)」にて、各地の自転車ショップやメーカーに取り付けキットを発売する。草創期のホンダ「カブf型」を思わせる、自転車の簡単な改造ユニット普及に向けての取り組みだ。
まさに現代の「バタバタ」! どんな自転車も電動アシストに早変わり
バイクをはじめとして、自動車や発動機、航空機までを手掛ける総合モビリティーメーカーであるホンダだが、その名を全国に知らしめた製品が自転車を改造できるエンジンキット「カブf型」だったことは有名だ。1952年に発売されたこのキットは、エンジンと燃料タンク、操作系パーツを普通の自転車に取り付けるだけで、バイクのように軽快に走ることができるもの。小さなマフラーは特徴的な排気音から「バタバタ」とも呼ばれ、完成品のバイクよりも安く、簡単に扱えたことから爆発的ヒットを生んだ。本機の流行が、のちの国民的バイク「スーパーカブ」にもつながっている。
このカブf型がヒットした理由はもう一つあり、それが「自転車店での販売を行った」ことだと言われている。通常、バイクならバイクショップで販売するのが当たり前だが、ペダル付きバイク、いわゆるモペッドにあたるカブf型は、一般ユーザーにとってバイクショップよりも身近で数が多い自転車店の方に親和性が高く、気軽に購入できたというわけだ。
ホンダの新サービス「スマチャリ」は、ライダーならこのカブf型の逸話を思い出してしまうような試みと言っていいだろう。スマートフォンのアプリと電動アシストユニットのセットであるスマチャリは、普通の自転車に取り付けるだけで電動アシスト化することができるというもの。電動アシスト自転車には速度やアシスト比率などに厳格な法規が存在するため、ただモーターを装着するだけでは走行ができない。これに対してスマチャリは、装着された自転車のギア比を自動的に測定し最適な出力を発揮でき、法規に合致することを可能とした。このような形式の電動アシスト自転車は日本初だという。
さらにスマートフォン連携により、AIを活用した路面や走行状況に応じるアシストパワーの自動操作や、位置情報の管理、走行ログの記録、電源ロック、修理履歴の保存といった、従来の電動アシスト自転車を超えた多機能を発揮。また、軽快車(いわゆるママチャリ)スタイルがほとんどだった電動アシスト自転車のスタイルを、MTBやロードレーサーなど、好みやニーズに応じたスタイルにすることも可能となった。
そんなスマチャリが今回新たに、自転車メーカー・ホダカと連携し、メーカーや自転車店向けに「スマチャリキット」として10月よりパッケージ販売を開始する。価格や販売店の情報は未発表だが、自転車店にてホンダのパワーユニットを購入でき、気軽に扱えるという立ち位置は、まさに現代の「カブf型」と言ってよいだろう。さらに自転車装着済の完成車も2026年1月には市販化が予定されており、今後は見かける機会も増えてくるはずだ。電動アシスト自転車の更なる普及に、往年の「バタバタ」のように大きな存在感を発揮していくのだろうか? 興味深い新事業に注目だ。
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コレって都内でよく見るウーバーとか配達の外人がフード被って乗ってる違法改造チャリみたいなモン?