2025年も後半。新型車から定番モデルまで、今年も様々なバイクが注目を集めていますが、実際に、どんなモデルが売れているのでしょうか。とくに、大型二輪免許で運転できるモデルは、高性能かつ高級な機種も多く、バイク好きなら誰もが憬れる存在。実際に、どんなモデルが売れているのかも気になるところです。そこで、二輪業界紙の「二輪車新聞」が発表した2025年上半期(1月〜6月)の全国新車販売台数をピックアップ。小型二輪の400cc超クラスにおけるランキングを紹介します。

*データ出典:二輪車新聞/販売台数は推計(当ランキングは二輪車新聞様より特別に許諾を得て掲載しています。複製、転用、販売などの二次利用は固く禁じます)

 

絶対王者Z900RSが小型二輪(400cc超)クラスの記録更新

ここで紹介する全国新車販売台数は、すべて二輪車新聞の独自調査によるデータ(推計)です。それによると、2025年上半期(1月〜6月)における小型二輪400cc超クラスの全国販売台数トップ10は以下の通りです。

2025年上半期(1~6月)小型二輪(400cc超)全国販売台数トップ10

1位:カワサキ・Z900RS/カフェ/SE/イエローボールエディション(2472台)
2位:ホンダ・CB1300スーパーフォア/スーパーボルドール(1260台)
3位:ハーレーダビッドソン・ローライダーS/ST(1219台)
4位:ホンダ・CB650R/E-Clutch/CBR650R/E-Clutch(1137台)
5位:ホンダ・X-ADV(823台)
6位:トライアンフ・ボンネビルT120/スピードツイン1200/スラクストンRS/スクランブラー1200(806台)
7位:スズキ・GSX-S1000/GT/GX/カタナ(731台)
8位:スズキ・GSX-8S/8R(673台)

9位:トライアンフ・ボンネビルT100/スピードツイン900/スクランブラー900(658台)
10位:BMW・R1300GSアドベンチャー(612台)

2位に1000台以上の差を付けて、ダントツ1位に輝いたのは、カワサキのZ900RSシリーズ。1970年代の名車Z1(900スーパー4)を彷彿とさせるスタイルと、最新テクノロジーを駆使した動力性能などが魅力のネオクラシックモデルです。

カワサキ・Z900RS

 

大きな特徴は、水冷ながら美しいフィンを持つ948cc・水冷並列4気筒エンジン、ティアドロップ型の燃料タンクやテールカウルなどで、ビンテージ感満点のスタイルを演出していることです。

また、一方で、トラクションコントロールやマルチファンクション液晶パネル、LEDヘッドライトなどの最新テクノロジーや高性能パーツも搭載。街乗りから長距離ツーリング、ワインディングやサーキットのスポーツ走行まで、幅広いシーンで高次元の走りを実現することも魅力です。

ラインアップにはカウルなしのスタンダードのほか、カウル付きのZ900RSカフェ、オーリンズ製リアショックなどを持つハイグレードモデルのZ900RS SEを用意。また、1970年代の欧州仕様Z1に採用された黄色ボディをオマージュしたイエローボールエディションも設定します。税込価格は148万5000円〜170万5000円です。

カワサキ・Z900RSカフェ

カワサキ・Z900RS SE

カワサキ・Z900RSイエローボールエディション

 

そんなZ900RSシリーズは、2017年の発売以来、大型バイクとしては異例の大ヒットを続けているカワサキを代表するモデル。しかも、二輪車新聞によれば、新車販売台数における上半期トップは「8年連続」。まさに、国産ビッグバイクの絶対王者といえる存在です。

なお、2位には、ホンダ・CB1300スーパーフォア/スーパーボルドールがランクインしました。ご存じの通り、ホンダ伝統の「CB」ブランドでフラッグシップを30年以上続けた名車ですね。前年同期の2024年上半期では765台で8位でしたが、いきなりの急上昇です。

ホンダ・CB1300スーパーフォアSP ファイナルエディション

ホンダ・CB1300スーパーボルドールSP ファイナルエディション

 

理由は生産終了になることでしょう。2025年2月28日には、最終バージョンとなる「ファイナルエディション」が発売されましたが(現在は受注終了)、新車で入手できるのは最後になるためか、駆け込み需要もありラインクインしたようです。

また、3位にはハーレーダビッドソンのローライダーS/STがランクイン。国産ビッグバイクの強豪たちを抑え、見事に輸入車トップのセールスを記録しました。

ハーレーダビッドソン・ローライダーS

ハーレーダビッドソン・ローライダーST

Z900RSの対抗馬はCB1000Fコンセプト?

Z900RSは、二輪車新聞のデータによると、400cc超クラスで上半期だけでなく、年間でも2024年まで連続1位を記録し、現在7冠となっています。2025年下半期の注目点は、まず、この絶対王者のZ900RSが年間で8冠を達成できるかどうかですね。

また、今のところ敵なしなのですが、果たしてこのモデルに対抗馬は現れるのか? その最右翼は、おそらくホンダの「CB1000Fコンセプト」とそのビキニカウル版「CB1000F SE コンセプト」でしょう。

ホンダ・CB1000Fコンセプト

ホンダ・CB1000F SEコンセプト

 

2025年春のモーターサイクルショーで世界初公開したこのモデルは、往年の名車「CB750F」、その輸出仕様車「CB900F」をデザイン面でのモチーフとしたネオクラシックモデルです。

メインのボディカラーには、1980年代に大活躍したアメリカ人レーシングライダーのフレディ・スペンサー氏が、北米の最高峰レース「AMAスーパーバイク」で戦った「CB750F改」のカラーやグラフィックを復刻。当時、バイクで青春を謳歌したベテランライダーたちにとって憧れの1台だった、いわゆる「スペンサーレプリカ」を彷彿とさせる仕様となっています。

搭載するエンジンは、ストリートファイターモデル「CB1000ホーネット」と同系の1000cc・4気筒。スーパースポーツの2017年型「CBR1000RR」用エンジンをベースとし、新開発のダイキャスト製ピストンを採用するなどで、低・中速域のトルク特性と出力特性を高いレベルでバランスさせていることが注目です。

CB1000F SEコンセプトのエンジン。

 

まさに、高次元の走りとクラシカルなスタイルが大きな魅力といえるこのモデル。まだ、発売日や価格は発表されていませんが(2025年10月6日現在)、10月5日に熊本で開催された「ホンダ ホームカミング2025」というイベントでは“コンセプト”の文字を外し、市販予定車として展示されました。

正式発売されれば、Z900RSの強烈なライバルとなることは間違いないでしょう。スペンサーレプリカの現代版CB1000F/SEコンセプトが、Z1をオマージュしたZ900RSの絶大的人気へ対抗できるのかが今後注目ですね。

【参考リンク】
◼️二輪車新聞 公式サイト:https://www.nirin.co.jp/

10/5のイベントでは「コンセプト」が外れ、CB1000F/SE(市販予定車)として展示。今までは外されていたミラーもついに装備された。いよいよ発売か?

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